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とある少年の新しい日常  作者: 壱咲
序章 出会いと旅立ち
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第十話

スバルとフォルテはなにかいい案が無いかと話し合ってはいるが、この世界の知識不足やスバル自身がまだ若い為にか決定的な案が思いつかない時間を過ごしていた


「まずは、美味しい料理だけど 今のままで美味しいと思う、あと材料や調味料の知識が足りないので新しい料理ってのはすぐには無理かな」


「そうですね 私自身も知識としてはありますが、食と言う事に興味をもたないで生きてきましたので、人間の好みというものが

わかりにくいですね、もちろんスバル様の好みは理解してますし、いつかは食べていただきたいと考えてます」




「フォルテさんありがとう、僕も楽しみにしているよ フォルテさんの手料理」


そのスバルの返答にフォルテの思考はなにをつくってあげれるだろうかとスバルから得たスバルの世界の料理とこの世界の料理の知識の

すり合わせに没頭していくのであった



フォルテが自分の世界に没頭してる間にスバルはおかみさんと話をしようと食堂にむかい


「おかみさん 今時間ありますか」とテーブルを拭いていたおかみに声をかける



「スバルどうしたんだい」とスバルが席に着くのをみてその席にやってきた



「いえ おかみさんに聞きたい事がありまして」


「アニスの事かい」と冗談交じりにこたえるおかみさん



「酒場で出しているお酒の事で聞きたい事があるんです」とおかみさんの冗談をスルーして聞きたい事を質問する





「酒の事かい 急にどうしたんだい」



「酒場ではどのようなお酒をだしてるのかと作り方など教えていただければと思いまして」



「よくわかんないがスバルが聞きたいと言うならかまわんさ」

「出してる酒は三種類だね 作り方はどれも大して変わらない 樽にメインとなる果実とパラワの実を綺麗に洗い入れ最後にホスの実をいれて

酒蔵にしてる部屋にいれて時間がたてば完成さ」



詳しく聞いてみるとパラワの実ってのは無色の果汁で時間ともに甘みがでるものらしく ホスの実は果実を発効させるようそがあるということは

パラワの実が氷砂糖の代用品でホスの実がブドウと同じように酵母になる役目だとスバルは理解する


最初にいれる果実の量や種類また複数の果実をいれることでその家庭や酒場のオリジナルの酒になってるみたいだ



話しているとおかみさんがお酒を注いだコップをだしてくれた、においは果実酒特有の甘そうなにおいにアルコールが混ざった感じで

スバルは大丈夫かなと飲んでみた、感想は美味しいが少しアルコールがきつく感じたがなにぶん常温の為かぬるい



「ありがとうございます、おかみさん どの酒場でのお酒はこんな感じなんでしょうか」


「そうだねつけてる果実に差はあるとしても大半はこんな感じでできた酒を樽で厨房などに運び注文ごとについでだすのは変わらないだろうね」

と笑顔で答えてくれた


「ありがとうございます」とあいさつを済ませ部屋に戻るスバル




「スバル様おかえりなさいませ」


「フォルテさん何か思いついた」と自分の世界からもどったフォルテに聞いてみるスバル


「すみません、別の事を考えていたもので」と少し小声で頬を染め返答するフォルテ




それを笑顔で見つめるスバルにフォルテはより一層頬だけではなく耳まで赤くなるのだった

その後スバルはフォルテを知識のすり合わせをおこない、自分の世界での材料をこの世界のものに置き換えながら必要なものを

メモをし二人で市場に買い出しにでかける



雑貨屋で密封可能な大きめな瓶を数個、ホスの実を多めにあとは粉物を数種類、卵や生肉や乾燥肉やいろいろな野菜類

当然買い物の最中には獲物を狙う若者達からの貢物も多く目的のものを買いそろえる頃には二人の手には大量な物資がありまた

戻るには一苦労だったのは言うまでもない




部屋に戻り机の上に仕入れてきた材料を並べていると


「スバル様 この瓶で酵母をお造りになるのですよね」

「ああ 時間がかかるかもしれないけどそのつもりですよ」


「ではそれは私にお任せください」と自信ありげにスバルに微笑むフォルテ



「わかりましたお願いします」とスバルがお願いすると



瓶にホスの実をいれ瓶詰めを数個つくると

「時の流れを意図として我管理のもとすみやかにながれん」と詠唱を開始すると魔方陣があらわれ瓶が光に包まれる


そして光が収まると蓋を開け中身を確認していくフォルテ


「上手くいったようです」とスバルに瓶をもってくる、スバルも驚きながらも流石魔法と納得しながらどういうことなのか確認だけでもと質問してみる


「フォルテさんどういう仕組みなんでしょうか」


その質問に元々時間や速度をあやつる時空魔法が得意ということと知識により酵母というものを理解していたので魔法で促進させてみました。

推測でほぼ可能だとはおもっていたのですが、実際ためしてみないとと思いつつ上手くいってよかったですと微笑むフォルテ


酵母が一番大変だと思っていたスバルだがこの誤算は大歓迎だったみたいでフォルテの手を両手でつかみ喜ぶとフォルテも頬を染め喜んだ



次に酵母といくつかの粉を使い同じように魔法で促進し発酵を進めたパン生地が完成する


それから二人は生地を広げいろんな食材を乗せピザ作り


厨房でアドルスを見つけ「すみません 窯を借りてもいいですか」というと



「今は使ってないからかまわんが、なにをするんだと」きかれて


「上手くいけばですのでお楽しみにと」窯があったまっている事を確認して数枚の生地を中にいれていく


見慣れない料理にアドルスもおかみさんも興味身心で覗き込む



しばらくすると肉の香ばしい匂い、パンの焼けるにおいなどいくつもの匂いが厨房から匂ってくると

そろそろかなとスバルは窯の中からピザをだし木の皿に乗せていく



五種類ほどのピザを各皿に乗せテーブルに運ぶと匂いにつられてアニスも目を煌めかせていた




テーブルにはアニス・おかみさん・アドルスにフォルテそしてスバルが刃物で切り分けていると常連が数人興味をしめしてきた

すばるのあついので注意してどうぞと言いながら切り分けた一つを手に取り食べ始めるとアニス一家フォルテが手に取り食べ始める


「うわ なにこれパンぽいのはなんでこんなに柔らかいの」と焼けた生地の柔らかさに驚くアニス


「チーズの香ばしさとか野菜の甘みに干し肉の塩加減が絶妙ね」とおかみさん


「スバルもっとたべてもいいかと」とスバルに問うアドルス


「どんどんたべてください」と微笑むスバル


一切れずつ小皿にとり常連さんに配るフォルテ 突然の事に言葉を失う常連達もピザを一口たべるとみんな上手いだの美味しいと

みんなでピザが無くなるまで続いた



そのあとおかみさんとアドルスさんの質問に対して普段食べてるパンの事、酵母の事、発酵について説明していく


そこで生地の残りを渡し焼いてもらってできたパンをみた一家は驚くしかない、今まで食べてた少し硬めのパンとはくらべののない

柔らかく上手いパン


「こんなの食べたら 今までのパンたべれなくなるよ」とアニス


「実はですね、もしよろしければですがこのパンとピザをここでだしませんか」とスバルの一言に驚くアニス



「でもスバルこれだけの料理や方法なんてどこのだれも知らない凄い事だぞ」とスバルの一言に動揺を隠せないアドルス


「ですからそれがこの宿の売りの一つにでもなればと思い提案させていただいたのです」と何事もなく言うスバル



「あんた 出来るかどうかわからないがやってみたいね」と豪快にわらいながらおかみさんがアドルスの肩をたたく


などという一幕もあったが、その後部屋にアニスとおかみさんを呼び、酵母の作り方、酵母の量産方法、生地の発酵など説明をし

2人に生地をつくってもらうなど数時間後には2人とも理解しピザやパンを完成させていった


「先程もいいましたがピザにのせる具材などは、季節でかえてみたりしていけるとおもいます」



「でもすごいね この生地が膨らむって魔法みたい」発酵させるという事を始めてみるアニスは驚き


「お酒も発酵と言う事をしてたんだね ああいうもんだと思ってたけどそんな理由があるなんてしらなかったよ」と同じく驚くおかみさん



瓶詰めの酵母などを2人渡し、仕入れてきた具材なども全部渡すと少し申し訳なさそうな顔をした2人に

「がんばってください」微笑むスバル



それから2人は部屋を出て厨房にむかい ピザなどを焼き始めると試食会にいわわせた常連達や噂をきいてきた人々でその夜はピザ祭りになり

開店以来の大繁盛でスバル達の手伝うはめになったのは言うまでもないがスバル達も楽しい夜を過ごせたのだった。


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