第一話
前書き 初投稿になります。初心者で文才の欠片などない自分の投稿ですが、暇つぶしにでも読んで頂けるとありがたいです
「・・・・・もらえないか」
軽く意識に靄が掛ってるみたいな、その向こうから聞こえる声
「貰えないか?」
なにを欲しがってるのか分からず、そう呟いていた・・
その問いの答えとしてか、また声が聞こえてくる
「少年、我が子を助けてもらえないか」と
ん?助ければいいのか・・どうやって
突然助けてくれと言われても困るのは困るが元来の性格から少年は
「別にかまわないがどうすればいい」と姿の見えない声にまた問いかけていた。
姿なき声は柔らかくなり
「我・我が子のもとに来てほしい」と伝えてきた
「簡潔にお願いします、あなたの子を僕が助けれるなら頑張りますので目的地はどこでしょう・・・・」
少年は声の主にそう呼びかけながら辺りを見渡した
ここはどこ・・記憶が確かなら僕は部屋で寝ていたはず この暗い世界は・・・・
少年が辺りを見渡しながら声の主からの返事を待っていると 前方に光が見えた
「あっちに行けばいいのかな」
少年は光に導かれるように歩み始める
そして、明かりの前にたどり着くとそこは先の見えない光の扉が存在していた
「えーと、声の主さん ここに入ればいいのでしょうか?」
「少年よ その先に我達はいる すまないが来てほしい」
少年が光の扉をぬけると・・・・
「で・・・・・でかい」
その大きな生き物をみてそう無意識に呟いていた
その大きな生き物とは、白い鱗のようなものにおおわれ背にはまた大きな翼、目は琥珀色に輝き大きな口をもっていた。
「り・・りゅう?」
「少年よ 我が声に応え 我がもとにまで来ていただき本当にすまない」
先ほどまでよりもはっきりと聞こえる声
少年はその声にやはり悪意などは感じられずほっとする
突然の事に思考をどこかに置いてきてたみたいで、その声に反応が遅れるが
「あ・そうだ 貴方のお子さんを助ければいいと聞いたのですが、僕に何が出来るのでしょうか?」
説明された事をまとめると、
生物には生素(魔力・魔素・生命力・気力などと世界によって呼び方はちがうらしい)
というものを持ち
自然界には同様に素(多種多様なので素とだけで表すらしい)と言うものがあるらしい、
それを体内で結合させいろんな現象などを起こす事が出来ると
基本的にその生素は個々の特色をもっていて全く同じものはほぼ存在しないらしい。
そこでなぜ僕が呼ばれたに関係してくる
この大きい生物は天龍と言われこの世界で神獣(神に近いもの)ってものらしく個体としては1匹?
しか存在しないらしく 自分の次世代種(子供)を生み出したのはいいが、その子供には素を取り込む器官が弱く
自分の生素を維持できないらしく、また自分(天龍さん)は子供を生み出した事で能力が低下している事で生素を分け与えることができな状態にあると
その為自分と同じ生素の素質をおもつものを探してて僕を見つけて声をかけたらしい
「状況は理解できましたでどうすればいいのか教えてください」
少年がそう天龍に問うと、天竜は大きな翼を広げその翼で少年を包み込んだ
そして天竜は光り輝き その光は少年を包み込んで、まるで少年の中に吸い込まれるように消えていった。
その途端、少年は激しいめまいに意識を手放しそうになるがどうにか耐えていた
「すまない、少年少し手荒になってしまったが、知識の譲渡をさせてもらった」
「気にしないでください、これで状況もやり方も理解できました」
少年は軽く汗を流しながら天龍にむけて、いつものように笑顔を浮かべてそう答えていた
そして少年は天龍の翼に守られている 小さな龍に近づき腰を下ろして
「天龍さん この子抱えてもいいかな?」
この少年なら任せられると思い
「ああ かまわないが」
「ありがとう」と少年は一言天竜につげ 小さな龍を抱きかかえた
さてと頑張りますか、心でつぶやきながら先ほど教えられた方法の順序を確認していく
まずは、大きく息を吸い自分自身を平常心状態に落とし吸い込んだ酸素を体中に血液と一緒に巡らせていく
その二つとは違う感覚が体にめぐっているのを確認しこれが生素かと納得をする
次に小さな龍に手を添えて与えられた知識を使い自分の生素と小さな龍との生素と状態を確認して
「確かに呼吸と血液の流れに対して生素がほとんど感じられないですね」
そして自分の手に体内にめぐる 生素を意識して手に集め小さな龍をまるで子猫を撫でるように優しく注いでいく
天竜は心配そうにその行動を眺めていた・・
2時間ほど少年は額から汗を流し同じ動作を繰り返しながら頑張れ頑張れと繰り返し小さな龍に語りかけていた
そしてそれは起こった 小さな龍の体から明るく暖かい光があふれ その体に吸い込まれていった
そのあと少年はもう一度小さな龍に手を添えて確認していく
「ふぅ 大丈夫そうですね 天龍さんお子さんの確認よろしくお願いします」
少年にそう言われ天竜は少年に抱きかかえられている我が子と少年を大きな翼で包み込むと・・
小さな龍からは生まれた時とは違う大きな生素の流れと大気から取り込まれていく素をはっきり感じ取れていた
「少年よ ありがとう これで我が子は救われる」
慈愛に満ちた琥珀色の瞳を我が子にそして少年に向けてそう語りかけていた
少年はその言葉に安心したのか大きく息を吐き大きく背伸びをしまた小さな龍を優しく撫でていく
しばらくその空間には安らぎからの沈黙がながれていく・・・・・・・
「少年よ お礼がしたいのだが何を望む」
その天龍からの問いに対し少年は
「別にいいですよ お礼が欲しくて助けたわけでもないし」といつもと同じ笑顔を浮かべていた
「そうかでも本当にありがとう では時間も残り少ないようなので少年を少年の世界にもどさなければな」
その天竜の言葉に少年は驚く、少年は読書家でありこのような状況の場合 大抵元の世界には戻れないと相場が決まっていたので
ある種の覚悟はしていたがその天竜の言葉に驚いてしまっていた
「戻れるんだ」
「安心してくれていい まだ少年の世界に続く道しるべはまだ切れていないと我の生素が切れる前に少年を送り届けよう」
その言葉に少年は違和感を覚えた
「切れる前に・・・」
先ほど譲渡された知識から生素とは基本的に減りはするが素を取り込むことで誤差はあるが回復するものであり
切れる事はないはず、そして生素が切れる、無くなるなどはその生命の死を表すと言う事にたどり着く
そして少年は小さな龍にしたように天竜に触れ確認をして・・・・・・
「少年よどうした」
突然の少年に体に様子が変わり体に触れらたのでそう問いかけていた
「なぁ天龍さん 質問してもいいかな」
少年は先ほどとは違い少し低くそう天龍に声を掛けてきた 天龍の返事をまたず知識から自分の予想になるものを探し出しみつけてしまった
神獣に属するものは世界の安定や監視の為に存在するもの、また何かを守るもの制約がある者などもいるが、基本的に1種1個体であるものが多い
その理由として、自分の死期や何らかの原因で自分という個を維持できなくなる場合に自分の次世代種として子供を産み知識を与え死を迎える
そして天龍の生素が子供と同じように微かにしか感じられないことを
そこからの少年は早かった
天龍の体に触れてない手を伸ばし大気の素を無理やり自分の体に取り込み、触れてる手から天龍に小さな龍の時のように流し始めた
その少年の行動に天龍はあせり言葉を発した
「し・少年よそんな事をすれば少年の体が持たない そして少年の世界への道しるべが消えてしまう」
「そんなことは関係ない!目の前で消える命がありそれを助ける事が出来るならその方が大事だ それに僕は消えたりも死んだりする気もない」
少年の発する言葉とその意志の力に天龍は言葉を紡ぎ出す事が出来なくなっていた
「それに子には親が必要だと思うし親は子に知識だけ与える存在じゃない」
その言葉を最後に沈黙がこの空間を支配していく
時間が過ぎ去り 天龍は我が子と同じように大きな光に包まれその光を体に吸い込んでいった
そしてその優しく暖かい光を自分の体にめぐるのを感じていた
でもそれは少年が自分の世界に戻る機会を失い、来るべき明日という日常を手放した事を告げていた