お母様の知り合いが皇帝陛下だと判った後で私がその隠し子の可能性があると周りが言いだしました
レオさんが帝国の皇帝陛下だったなんて知らなかった。
お母様もヨーゼフ先生も全然教えてくれないんだから……
私は唖然としてお母様の横に立つレオさんを見た。
「それでペーテルス、俺がいつノルトハイムに剣を向けて良いと命じた? 宰相に確認したら、ノルトハイム王国に兵を向けることなどないようにくどいほど念を押したと申しておったぞ」
レオさんがいや、皇帝陛下が氷のような視線でペーテルスを見下ろした。
「も、申し訳ありません。私の心得違いでございました。ランフォース王国の窮状を鑑み、思わず助力してしまいました」
ペーテルスさんは何回も頭を地面に叩きつけて謝罪していた。
「ほおおおお、そう言うならば、何故、未だに貴様の騎士達は戦っておるのだ?」
レオさんは前の戦場を見渡した。
「直ちに止めさせます」
ペーテルスは叫ぶや、後ろを振り返り、
「ええい、戦いは止めよ。皇帝陛下の御前であるぞ。直ちにこちらに来て跪け!」
ペーテルスさんが大声で叫んだ。
「戦闘中止、陛下ご来臨、直ちに陛下の前に集合せよ!」
「戦闘中止、陛下ご来臨、直ちに陛下の前に集合せよ!」
どこからか現れた伝令がそれを伝えるために直ちに四方に飛んでペーテルスさんの声を大声で復唱して回った。
戦いはあっという間にほとんど終わり、大半の帝国騎士が私達の周りに来て跪いてくれた。
まあ、帝国の皇帝陛下がこのような辺境の地にやってきたら普通はそうなるよね。
これはさすがにまずいと私も跪こうとしたら、
「アミ!」
「別にアミは跪かなくてもいいぞ」
お母様はともかく、レオさんまでそう言ってくれるんだけど……
この国の第二王子のリックならいざ知らず、傲慢で王を王とも思っていないお母様じゃないんだから、私は跪いた方が良いと思うのに!
そんな私の前で延々とペーテルスが謝罪していたんだけど、皇帝陛下の横に立って平民の娘風情がそれをふんふんと聞いているというのも絶対に変だ。
皆が胡散臭げに私を見てくるし、ここはとてもいずらい。
私も皆の後ろに隠れたかった。
そう思っていたときだ。
遠くから騎馬の集団がやってきた。
「おお、これは陛下。我が国の窮状を鑑み、助けに来て頂けたのですな」
そこにこれまた偉そうな男が馬に乗って駆けてきた。
おそらくランフォース王国の国王だ。
「き、貴様、アンハームの山姥! 何故陛下の横におる!」
しかし、レオさんの隣のお母様を見てその男は叫んでいた。
私はぎょっとした。
いや、私だけでなくレオさんたちもぎょっとしていた。
お母様の前でそんなこと言うなんて、この男も死んだ。
ええええ!
隣国の国王を殺すの?
私がなんとか止めようとしたときだ。
でも、そんなの間に合う訳はなかった。
ドオーーーーン!
爆裂魔術がランフォース国王の真横を飛んでいった。
良かった、直撃じゃなかった。お母様もたまにはものを考えるんだ。
私はほっとした。
唖然としていたけど……生きているから良いよね……
でも、その国王の顔に一筋の血が流れるのが見えるんだけど、今の攻撃じゃないよね?
今の攻撃だったらお母様は不敬罪になるんじゃないだろうか?
もっともお母様はそんなの認める訳はないと思うけれど……
「次にその名を口にしたときは死ぬわよ」
お母様が平然と上から目線で脅しているんだけど……
相手は属国とはいえ、国王陛下だ。
そんなことしていいのか?
でも、国王はコクコクと頷いているのみだった。
「まあ、口に出す言葉には以後気をつけるように」
レオさんも呆れていたけど、お母様には注意しなくて国王に注意ているんだけど……絶対に変だ!
国王はそのレオさんの様子を見て唖然としていたが、次にレオさんと私、それとお母様を見比べたんだけど……
「さようでございますか? ついに陛下も身を固められる時が来たのですな」
国王は喜々としていきなり訳の判らぬ話をし出したんだけど……
あまりの怒りに気がおかしくなったんだろうか?
私は不敬なことを考えた。
「何を言っているのだ?」
レオさんも驚いて国王を見た。
「陛下、儂の目は誤魔化せませんぞ。そちらのお方は陛下のお子様でいらっしゃいますな」
国王が私を見て言いだしてくれたんだけど……
私は国王が何を言っているかすぐには理解できなかった。
「えっ、あの小さい子が陛下のお子様なのか?」
帝国の騎士達が騒ぎ出し、
「おい、アミの本当の父親って帝国の皇帝陛下だったのか?」
一緒に戦っていたらしいジムさん達がいいだしてくれたんだけど……
ええええ!
この人達何を言っているの?
レオさんが皇帝陛下が私の本当の父親なんてあり得ない!
私がそう思ったときだ。
「いや、何を言っているのだ。そんな訳はないだろう」
レオさんも否定してくれた。
当然だよね。
でも、何故かその顔が少し歪んでいるんだけど……
よく見たら、お母様がレオさんのお尻を思いっきりつねっていた……
「何を申されます。そちらのお子様の瞳は皇家に伝わる金の瞳ですぞ。陛下と同じではございませんか」
国王が反論してくれた。
確かに私の瞳とレオさんの瞳は金色で同じだったけれど、金色の瞳ってこの世界では普通にある色じゃないの?
「痛い! いや、金の瞳とはいえ、俺の子供とは限らないだろうが……」
レオさんはお母様につねられて無理矢理言わされている感満載なんだけど……いや、ちょっと待って……私がレオさんの子供なんてあり得ないはずだ……
なのに何故お母様はそこまで怒っているの?
「何を言われます。金の瞳は皇家それも魔力の強い真の後継者にしか遺伝しないと言われている伝説の瞳ですぞ。それによく見ると金の瞳を除いても、お二人は顔のかたちといい、雰囲気といい、とてもよく似ていらっしゃいます」
ランフォース国王は言い切ってくれたんだけど……
「いや、そうは言っても、痛い、痛すぎるぞ! クリス!」
思わずレオさんが飛び上がってくれた。
「ラフォース国王陛下。あなたは何か誤解されていますが、私と陛下は何ともないのです。ねえ陛下」
お母様がそう言い出した。最後に念押しするお母様の顔は笑っていたが目は怒り狂っていた。
「そ、そうだぞ。国王」
そういうレオさんの顔は少し引きつっていたんだけど……
「さ、さようでございますか? まあ、この場はそういう事にしておきましょうか。やむにやまれぬ事情もおありのようですし」
国王がこの話題を終わらせようとしたときだ。
「えっ、ちょっと待ってよ、お母様! レオさんというか、皇帝陛下が私の実のお父様なの?」
こんな中途半端な状態で終わらされたらたまったものではなかった。
私は直球でお母様に聞いていた。
「何を言っているの? アミ、そんな訳ないでしょう」
「でも、あちらの国王陛下がそうに違いないって」
「あちらの国王陛下の勘違いよ。そうですわね陛下」
お母様が国王陛下に目で威圧していた。
「まあ、さようでございます」
「お父様。本当の事をおっしゃってください」
私はレオさんにズバッと聞いていたのだ。
「えっ、いや、それはだな……」
レオさんは視線を彷徨わせてくれた。
怪しい!
私が更に突っ込もうとしたときだ。
「ギャオーーーーーー」
森の向こうから魔物の咆哮がした。
周りの空気が揺れる。
この気配はただものではない。
私がそちらを見ると何かが急激にこちらに迫ってきた。
「陛下、大変です。古代竜です。古代竜がこちらに向かって飛んで来ます」
兵士の一人が慌てて飛んで来て報告した。
それはこちらに向けて一直線に飛んで来る古代竜だった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます
果たしてアミの父は帝国の皇帝なのか?
そして、迫り来る古代竜の出現でアミの運命や如何に?
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