私に癒やし魔術をかけてくれた人と幼なじみが一職即発の状態になりました
レオさんが第三騎士団を一掃してくれて少ししてエーレンも目を覚ましてくれた。
「エーレン、良かった! あなたが目を覚ましてくれて本当に良かった」
私はエーレンに抱きつかんばかりに迫ってエーレンを驚かせた。
今までのいきさつをかいつまんで説明した。
「エーレンごめんね。あんな酷い目に遭わせて」
私はエーレンに頭を下げると、
「ううん、私は大丈夫よ。それよりもあなた第三騎士団の詰め所から脱出したって、まさか、第三騎士団に公然と逆らっていないわよね」
白い目でエーレンが見てくれるんだけど……
言えない。騎士団の建物まるごと燃やしてしまったなんて……
「いや、まあ、少しだけ」
私はしらを切ることにした。
「少しだけって、絶対に違うでしょう! あなたの事だから騎士団の建物ごとぶっ壊してきたでしょう!」
エーレンは何故私がやったことが判るのだろう?
私は笑って誤魔化すことにした。
「あなたは良いかもしれないけれど、私はどうなるのよ。完全にあなたと一緒にお尋ね者になったのよ」
エーレンがとんでもないことを言うんだけど、私は何も悪いことをしていないのにお尋ね者になるなんて……
「ああ、やっと目を覚ましたのか」
そこに美味しい匂いを漂わせてレオさんが食事を誰かに持たせて入ってきた。
男はレオさんの指示で食べ物の入ったお皿を机のの上に置いていく。
その男を見て私は驚いた。
「えっ、あなた、確か帝国の」
後ろの男に見覚えがあった。私を友達にしてやると超上から目線で私に話しかけてきた確か帝国の男爵令息だったと思う。帝国と王国の男爵では位が違うとか宣ってくれていた奴だ。
「いえ、あの時は失礼しました。私の事はヒューゲルとお呼びください」
なんかその子は180度態度が変わっていて、私にとても恭しい態度なんだけど……傲慢な態度はどこに行ったんだろう?
「えっ、あなた、どうしたの? 私には『お前を友達にしてやる』とか上から目線で言ってくれていたのに」
「あっあっあっあっ!」
男はとても慌てて私の口を止めようとしてくれた。
「ほおおおお、ヒューゲル、貴様、俺のアミにそんなことを言ってくれたのか?」
なんかレオさんがいきなり魔王モードになっているんだけど……それに俺のアミって何なの? 私別にレオさんの物になった覚えは全然ないんだけど……
私が少しむっとした時だ。
「も、申し訳ございません。こうて……ギャッ!」
「お前は黙っていろ!」
そのヒューゲルちゃんは慌ててその場に土下座して何か言おうとしたら、レオさんに口を押さえられて、すごまれていた。
ヒューゲルちゃんのレオさんを恐れること神のごとしって感じなんだけど……
まあ、醸し出すオーラは凄いけど、やはり帝国でもそこそこの地位にあるひとのようだ。そのくせヨーゼフ先生の事はちゃんと先生と呼んでいるし、この学園の卒業生か何かなんだろう。帝国から偉い人が留学してくるなんてこのノルトハイム王立魔術学園もなかなかの学園みたい。在校生としても鼻が高い。
ヒューゲルちゃんはレオさんの命令にコクコク頷くと食べ物を机の上に置くと
黙って一礼して出て行こうとした。
「ヒューゲル、貴様は口がないのか。挨拶していけ!」
ぎょっとした顔をヒューゲルがした。
今話すなと命じておきながらそれはない。
「レオさん、今黙っていろって命じたのに酷い!」
流石にヒューゲルが可哀想になって私が庇ってあげた。
「ん、そうだったか? 判った。出て行って良いぞ」
レオさんは手をふってヒューゲルちゃんを追い払ったんだけど……なんかとても偉ぶっていて人に対する態度ではない。
「はい。失礼します」
90度に直角に礼をすると慌ててヒューゲルは出て行った。
「ちょっと、レオさん。態度が酷すぎ!」
私がむっとして言うと、
「ちょっとアミ、こちらの方は帝国の」
「ああああ、君はランガー商会のお嬢さんだよね。最近帝国に店も出した」
いきなり大声でレオさんがエーレンの言葉を止めたんだけど……
「えっ、はい。ご存じなんですか?」
「当然、だから判っているよね」
なんかいきなり二人でこそこそ話しだしてくれたんだけど……何なのよ、二人で内緒話して!
「ということだから、よろしく頼むよ」
「はい、判りました。レオ様。また、父がお邪魔すると思います」
「そうだな。その時はエグモントの所にくるようにしてくれ」
「エグモント様ですね」
急にエーレンはニコニコしだしたんだけど、何か商売絡みの話みたいだ。まあ、エーレンが喜んだのならそれで良いか。
私が納得したときだ。
グー
私のおなかがなったのだ。
「おお、アミの腹時計か」
余計な事を言いながらヨーゼフ先生も階段を降りてきた。
「腹が空いたのか。是非とも食べてくれ」
レオさんが私達に勧めてくれた。
「この食事はどうしたんですか?」
私が聞くと
「食堂に俺が通っていたときのおばちゃんがまだいてな。そのおばちゃんからもらって来たんだ」
しれっとレオさんが言ってくれたけれど、昔から美形だと思えるレオさんはさぞや、食堂のおばちゃん達からも人気があったのだろう。良いのかと思いつつ、お腹の減った私はあっさりとスプーンに手を伸ばしていた。
「「「頂きます」」」
皆して食べだした。
久々の食事はとても美味しかった。
私が幸せを噛みしめていたときだ。
ドンドンドンドンと大きな音で扉が叩かれた。
また、騎士団の連中だろうか?
私がうんざりしたときだ。
「アミ、いるんだろう! 開けてくれ!」
その声はリックだった。どうしてここにいるのが判ったんだろう?
「アミ、客だぞ」
ヨーゼフ先生は我関せずと食事に集中しだした。
やむを得ず私は立ち上って玄関に向かった。
「許可の無い人は入れません」
玄関ではヒューゲルが塩対応していた。
「何を言う。俺はアミの友人で」
「友人だろうが無かろうが、ヨーゼフ先生かレオ様の許可のないものは入れません」
何故かここに入るのに、レオさんの許可がいることになっているんだけど……
「リック、何故私がここにいるのが判ったの?」
私が後ろから声をかけると、
「アミ! 大丈夫だったのか?」
ヒューゲルを退けて、リックが慌ててこちらに駆け寄ろうとした。
「おっと、アミに勝手に近寄るのは止めてもらおうか」
いきなり、私とリックの間にレオさんが入ってリックの邪魔をしてくれた。
「な、何だ、お前は」
邪魔されたリックが怒り顔でレオさんを睨み付けた。
それをレオさんが怖い顔で睨み返してくれた。
二人は一触即発の空気になっているんだけど、何で?
それをみた私も固まってしまった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
2人の男の戦いになるのか?
次回お楽しみに








