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起きたら押しかけてきた第三騎士団を魔術師のおじさんが一掃してくれました

「泣くな稲子」

「だって、礼夫!」

 私が目を覚ますと、泣いているお母さんが、お父さんに慰められていた。


「どうしたの お母さん?」

 私が声を出して聞くと、

「亜美!」

「何でもないわ!」

 お父さんとお母さんが慌てて誤魔化してくれたが、おそらく私の事で泣いていたんだと思う。


「ごめんね。私が体弱くて、お父さんとお母さんに迷惑かけて」

 私が謝ると、

「亜美、何を言っているの?」

「そうだぞ、あみ、そこは気にしなくて良いから、早く元気になれ!」

「ごめん! でも、もう良くならないから」

 私は苦しげに言った。


「何を言っているのよ、亜美!」

「そうだ、頑張れば、元気になれるって」

「もう駄目なのよ! お父さんもお母さんも本当は知っているんでしょ。私の体がもう長くないって! もう私の事は良いからほっておいて! 二人ともお仕事あるんでしょ。私は大丈夫だから、お仕事に行って!」

 私はその日は少し荒れていた。


 私はそのまま布団を被って両親から隠れたのよ。


「亜美……」

 両親はしばらく私の傍に佇んでいた。


「ご免なさい、亜美。またすぐに来るから」

「良い子にして看護婦さんの言うことをよく聞くんだぞ」

 二人はそう言うと私の病室から出て行った。


 私はああは言ったが、本当は一緒にいてほしかった。

 でも、二人は私の為に働いてくれているんだ。

 私が無理を言う訳にはいかない。

 私は溢れる涙を拭った。


 それが私が持っている両親の最後の思い出だった。


 私にはそれ以降の記憶は無かった。


 確かその後仕事が忙しいとかで両親はなかなか来てくれなかったのよ。

 私が意識不明の重体になるまで……


 あんなことになるんなら、もう少し両親に無理言って一緒にいてもらえば良かった。

 私が死んで両親はどうしたんだろう?

 あのまま仕事の忙しさにかまけて私を忘れてくれたんだろうか?

 あの後少しくらい私の事を覚えてくれていたら良いな。


「お父さん、お母さん、ごめんね」

 私が無意識にそう呟いた時だ。


「亜美、大丈夫よ」

「亜美、大丈夫だからな」

 そこには何故か心配そうに私を見る両親がいた。

 高熱を出しているからか、顔かたちや色合いが少し違うような気がしたが、気のせいだろう。

 神様が夢を見せてくれたのかもしれない。


「お前が亜美の名前を呼ぶな!」

「何でだ、やっと会えて話せたんだぞ」

 両親の言い争う声がしたような気がした。

 意識が混濁して夢をみていたんだと思う。



 次に私が目を覚ましたときだ。

「レオさん?」

 私は私に癒し魔術をかけてくれたレオさんを枕元に見て、驚いた。


「やあ、元気になったか?」

 そう言われて、私は自分の体を見た。

「えっ?」

 私は衣服が変わっているのを見て、驚いた。


「申し訳ない。もうボロボロだったから、イネに頼んで替えてもらったんだ」

「イネ?」

「あっ、いや違う。ヨーゼフ先生が連れてきてくれた看護婦かな」


「ふーん、まあ、そこは気にしないけど」

「そこは気にしろよ! 知らない男に肌をみられたら嫌だろう!」

 男が注意してきた。


「うーん、まあ、少しはね。でも、私は胸も無いしお子ちゃまにみられるから……でもね変ね。おじさんは何かお父様みたいなこと言うのね」

「お父様!」

 私の言葉にレオさんが何故かそこで固まっているんだけど……


「おお、アミ、やっと気付いたか?」

 そこにヨーゼフ先生が入ってきた。


「どうしたのじゃ、この男は?」

 ヨーゼフ先生が、手を握りしめて何故か感激に浸っているレオおじさんを胡散臭そうな顔で見た。


「私がお父様みたいたって言ったらその言葉に感動してくれたみたいなんだけど。そんなにお父様って呼ばれたかったのかな」


「そうだぞ。アミ。是非とも俺のことはお父様と呼んでくれ」

 レオおじさんが身を乗り出して頼んできたんだけど……


「嫌よ。だっておじさんはお父様ではないし」

「いや、それは……俺は実の父で」

 なんかブツブツレオおじさんが言い出してくれたんだけど、よく聞こえなかった。


「レオ、良いのか。そんなこと言っていて」

「いや、よくない!」

 ヨーゼフ先生に注意されて、レオさんは慌てて首を振ってくれた。

「そうじゃろう。我が魔術の塔で夫婦喧嘩を始めてくれたらとんでもないことになるからの?」

「夫婦喧嘩?」

 私にはよく判らなかった。


「レオおじさんの奥さんって私のお母様みたいな強烈な性格の人なの?」

 私が思わず聞いていた。


「いや、まあ……そこはだな」

「そうじゃ。レオの家内もとても強烈じゃぞ!」

 慌てて誤魔化そうとしたレオおじさんの後からヨーゼフ先生が肯定してくれた。


 お母様並みって、レオおじさんも本当に大変だなと私は思った。


「で、ヨーゼフ先生、何か用があったのでは?」

 少しむっとしてレオおじさんが尋ねていた。


「そうじゃ、レオ、また、ゴキブリ騎士共がわんさか現れたのじゃ。駆除してきてくれんか」

「判りました。アミを傷つけてくれた奴は俺が許しませんよ」

 レオおじさんはそう言うと、ゆっくんりと部屋を出ていったんだけど……


 完全に私の事は呼び捨てだし……まあ、年上の人だから良いんだけど……せめて一言私に断ってから言ってほしいんだけど……


「ヨーゼフ先生、ゴキブリ騎士って何ですか?」

「そこからみていれば判るぞ」

 窓を指さしてくれた。


 そこから外を見ると騎士の制服を着た男達が大勢で何か叫んでいた。

 私を拘束した男達と同じ格好をしているから第三騎士団か?


「えっ、私がここにいるのがもうバレているの?」

「ハウゼン侯爵の傘下の騎士達が全部屋捜索したいと言ってきよっての。ここは魔術の塔だから当然拒否したのじゃ。そうしたらあのざまで力ずくで押し入ろうとしてくれたからの。レオに対処を頼んでいるのじゃよ」

 ヨーゼフ先生が説明してくれた。


 その男達の前にレオさんが現れた。


 男達が何か言っているが全然聞こえない。

 魔術の塔の防音は完璧みたいだ。


「おお、聞こえんかったか」

 ヨーゼフ先生が指をパチリと鳴らすと

「この塔全て捜索させよ。それを認めないというのならば捜査妨害で逮捕するぞ」

 騎士の中の偉そうな男が叫んでくれた。


「ふんっ、やれるものならやってみろ」

 レオおじさんはそう馬鹿にしてひょうひょうと立っていた。


「おのれ」

 一人の男がレオおじさんに掴みかかろうとした瞬間だ。

「ギャーーーーー」

 男が体中を光らせて悲鳴を上げた。


 レオさんの体から電気が流されたみたいだ。感電と一緒だ。雷魔術だろうか?

 無詠唱でやるなんてなかなかだ。


 男はピクピク震えると倒れ込んだ。


「き、貴様、こんな事をして許されると思っているのか?」

 責任者の男が叫んでくれたけれど、

「さあな、さっさと消えてくれ」

 そう言うとレオさんは今度は手を上げた。

 騎士達がぎょっとした。

 その騎士達目がけてレンさんの手から大量の水が吹きだしたのだ。

 騎士達はその水に流されてあっという間に見えなくなった。


 これだけやるにはものすごい魔力が必要なはずだ。


「レオさん凄い!」

 私はレオさんを手放しで褒めた。

 私はまだ頭の上から大量の水を落とすことしか出来ない。

 騎士達をまとめて流す事なんて出来ないのよ。それができるレオさんは相当な使い手だと思う。


「そうだろう。そうだろう。もっと褒めて良いぞ、アミ!」

 レオおじさんがとても上機嫌だった。


ここまで読んで頂いて有り難うございます。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
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でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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