表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/110

この国一の魔術師のところに逃げ込んだら知らないおじさんに癒やし魔術をかけてもらいました

 第三騎士団の建物は完全に破壊したはずだ。

 まあ、それはどうでも良い。

 重症のエーレンを何とかしないと!


 でも、第三騎士団はこの国の機関で、私はそれに逆らってしまった。

 下手したら国家反逆罪を適用されるかも……


 エーレンを病院なんかに連れていっても、絶対に治してもらえないだろう。

 どこに連れていけば良いんだろう?


 本来はお母様のところに連れていくのが一番確実だ。お母様なら私達を守ってくれるはずだ。

 いくら家出娘でも傷ついた娘をそのまま、出ていけとは言わない……いや、言わないよね……いや、言い出しかねない……


 まあ、しかし、そもそもアンハームは今の私には遠すぎた。


 もっと近場で探さないと。

 後は……そうだ。ヨーゼフ先生のところに連れていこう! 確か、ヨーゼフ先生は癒し魔術も使えたはずだ。ここから近いし、ヨーゼフ先生なら私をかくまってくれるだろう。多分。

 最悪、変な店に学園長と入り浸っていたと噂を流すと脅せば大丈夫だろう。


 私はそのまま、エーレンを背負うと、学園に向けて駆け出した。


 外に出たとたん、騎士達が騒いでいた。

「おい、これは貴様等の仕業か?」

 私をにらんで止めようとしてくれた。


 げっ、まだこんなにたくさんいたんだ。

 でも、こいつらも馬鹿だ。私の前に立ち塞がるなんて……スタンピードの魔物の大群の前に身を投げ出すのと同じだ。


「退けーー!」

 私は叫ぶと、そのまま、騎士達の中に突っ込んだのよ。


「「「ギャーーーー」」」

 前にいた騎士達を強化した体で弾き飛ばしていた。



「アミちゃん!」 

 私を呼ぶ声がしたので、そちらを見ると、アリーナ公爵夫人達、お母様の親衛隊の皆様だった。


 何故、ここにいるのか、良く判らなかったけれど……皆、武装しているのが、とても気になった。

「どうしたの? その格好は?」

 ボロボロの私達の格好をみて聞いてくれた。

「こいつらにやられたんです」


私が騎士達を指さすと

「まあ、酷い! こんないたいけな女の子を皆で寄ってたかって暴行を働いたのね」

おば様達の視線が釣り上がったんだけど、


「いや、これは……」

騎士達は戸惑ってくれた。


「もう許しませんわ。皆さん、本気出して良いわよ。全員騎士の風上にもおけないやつらだわ。思う存分やってやるのよ」

 夫人達が私と騎士の間に立ってくれた。


「おば様、今はこの子の治療が先なので、また」

「アミちゃん、ここは任せて!」

 アリーナおば様が叫ぶと騎士達に向けて攻撃を始めたんだけど、良かったんだろうか?


「ここは良いから早く行きなさい!」

 夫人達が叫んでくれた。


 まあ、高位貴族のおば様方だし、後は旦那様達が何とかするだろう、と私はこの場を任せたのよ。


「お願いします!」

 私はアリーナおば様に頼むと、エーレンを背負いなおした。


「児童誘拐犯共、かかってらっしゃい! このようなこと、第一王子や側妃が認めても、天は認めませんわ。天に成り代わって成敗……」

 おば様方の時代劇に出てくるような威勢の良い叫び声を聴きながら、私は一気に加速した。

 

 筋力強化した私はおそらくものすごく速く走れた。

 あっという間に学園の壁についていた。


 その学園の壁を一瞬で乗り越えてそのまま、魔術の塔の前に駆け込むや、


 ドンドン


 私は扉を叩いた。

 でも、中々、誰も出てこない。

 まあ、時間が時間だから仕方がないとは思うけど……


 ドンドン

 もう一度叩いた。


「こんな夜中に誰だ?」

 聞きなれぬ声の男が扉を開けてくれた。


 誰だろう? 騎士団の奴らが先回りしたのか?

 ヨーゼフ先生以外は誰も魔術の塔にはいないはずなのに、この男は一体何者なんだろう?

 私は攻撃しようかどうか悩んだ。


「おじさん誰?」

 取り敢えず名前を聞いて上げたのだ。

「お、おじさん?」

 なんか男はショックを受けたみたいだった。


「どうしたのじゃ、アミ、何じゃその格好は?」

 後ろから寝巻き姿のヨーゼフ先生が出てきた。私はほっとした。同時に前の男を弾き飛ばして、ヨーゼフ先生に駆け寄ったのよ。


「ヨーゼフ先生。私はどうでも良いからエーレンをすぐに治して」

 私はヨーゼフ先生になりふり構わず頼み込んだ。


「あ、アミ……」

 倒れ込んだ男はとても驚いたみたいだったが、今はそれどころではない。

 でも、私はエーレンのことが気になってそれどころではなかった。

「酷い状態じゃの。スタンピードにでも遭ったのか?」

「その方が余程ましよ。第三騎士団にやられたのよ」

私がむっとして言った。

「何だと、騎士団が」

男が瞬間湯沸かし器のように切れていたんだけど……

「レオ、起こるのは良いがそれよりも先に治療じゃぞ。貴様の方が儂よりも治療魔術は得意じゃろう。二人にかけてやれ」

「えっ、おじさん。治療魔術かけられるの? 私はどうでも良いからエーレンにかけて」

 私は男にエーレンを向けた。


「判った。アミ! まさかまさか名前を呼べるとは……」

 男が何故か私の名前を言って感動しているんだけど……

「おじさん早く!」

私はレオおじさんを急かした。


「判った。少し待て、しばらく癒やし魔術など使っていないからな」

 男がぶつぶついいだしたが、


「おじさん、大丈夫? ヨーゼフ先生の方が確実なんじゃ」

 私が心配して聞くと、

「話しかけるな。涙が出て来る」

 男は言いながら涙流しているんだけど、本当にこのおじさんで大丈夫なの?

 私が不安そうに見ると、

「ヨーゼフ、感激に浸るのはあとにせい。早くせんとその子はやばいぞ」

「判りました」

男は頷くと

「ヒール!」

 私とエーレンに治療魔術をかけてくれた。


 私はいらないって言ったのに!


 でも、なんかとても暖かい魔術だった。

 小さい頃お父様に抱きしめられた時みたいだった。


 「あっ」

 私はそのままふらついた。

 さすがの私も限界みたいだった。

 でも、そのレオとか言う人がエーレンごと私達を抱き留めてくれた。

「アミ!」

 そういうレオおじさんの腕の中はとても暖かかった。




ここまで読んで頂いて有り難うございます。

アミの前に現れたレオの正体は?

続きをお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

関連作品

『愛しい娘になんとか「お父様」と言われたい』https://ncode.syosetu.com/n2265lo/

前作

『帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません』https://ncode.syosetu.com/n0699lf/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



5番人気の話

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

短編

『AIに乗っ取られた男』https://ncode.syosetu.com/n7779ku/

― 新着の感想 ―
まさかの皇帝登場!! 来るのが遅いんじゃ〜(☆▽☆)w でもエーレン治って良かった(;∀;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ