とある侯爵夫人視点 騎士団の詰め所にとある方の娘を助けに行きました
その男はランガー商会の商会長で今売り出し中の商会だという事は名前を聞いて判った。
その商会長の娘とアミちゃんにどういう結びつきがあるのだろう?
「エーレントラウト・ランガーさんのお父上ですな。確か、アミ様と同じクラスの」
セバスチャンの方が詳しかった。
さすがセバスチャンだ。
「さようでございます。そして、本日はアマーリア様が我が屋敷にいらっしゃる予定だったのですが、いつまで経ってもいらっしゃらなかったのです。それで慌てて探していたところ、途中で騎士団に捕まった年格好の似た女の子がいたとの情報を得たのです」
「騎士団? どこの騎士団なのです?」
私は聞き捨てならぬ事を聞いて思わず口を出していた。
「さあ、そこまでは判りかねますが」
「アリーナ。王都の守りは第三騎士団よ。第三騎士団長は確かハウゼン侯爵の奥様の遠い親戚ではなかったかしら。たしか又従兄弟に当たるはずよ」
ブリギッタが教えてくれた。
「というと第一王子派ね。怪しいわね。セバスチャン、直ちに使用人の中に第三騎士団の関係者を探して。つてがあればアミちゃんが第三騎士団に捕まっていないかすぐに調べさせて。後は使用人を適当に第三騎士団の周りに派遣して、情報を収集してくれる?」
「かしこまりました、奥様」
セバスチャンは頷くと慌てて玄関から出て行った。
「アリーナ、私はすぐに王宮に行って夫に確認するわ」
近衛騎士団長の妻のブリギッタが申し出てくれた。
「まあ、王妃がまた動いたとは考えられないけれど、確認は必要ね。私も行くわ」
私は残ったメンバーに役割を分担するとブリギッタと一緒に王宮に向かったのよ。
「ブリギッタ、どうしたのだ? それもアリーナまで」
近衛騎士団の執務室にいた兄は驚いてくれた。
「あなた、実はヨーク公爵家のアミちゃんが騎士団に誘拐されたと通報があったのよ」
「はああああ? 騎士団が誘拐などするわけないだろう!」
兄は激怒してくれた。
「なるほど、近衛は今回の件関係ないようですわね」
私は安心した。
「いや、普通は騎士団は民を守るためにあるのだ。そのような誘拐などするわけなかろう」
「左様でございますわよね。兄上。こんなことをするのは街の破落戸と相場が決まっておりますわ。もし騎士団がそのようなことに手を染めていたならば、その騎士団は騎士団ではなくて街の破落戸として対処するのでそのつもりで」
「いや、待て、アリーナ。騎士団が取り調べで、その娘を連れていった可能性もあるだろう」
兄が慌てて言いだした。
「はああああ? 我がヨーク公爵家の令嬢であるアマーリアを取り調べるなど、どのような権限があって取り調べるのです? 私は前回、もし、アミちゃんに手を出せばそれは我が公爵家に喧嘩を売るも同然。その時は覚悟していただきましょうと陛下にも了解を取っております。その時は兄上もその場にいらっしゃいましたよね」
「いや、それはそうだが、間違いという事もあるであろう」
兄は必死に言い訳してくれたが、
「間違いだろうが、わざとだろうが同じです。我が公爵家に喧嘩を売ったらどうなるか目にもの見せてやりますわ」
「アリーナ、何を一人だけ良い所取りをしようとしているの。当然我がラムプレヒト伯爵家も行動を共にしますわ」
「いや、ブリギッタ、それはまずいだろう」
兄が必死に止めようとし出したが、
「はああああ! あなた、私、あなたに言いましたよね。クリスティーネ様が絡んでくれば私は必ずクリスティーネ様の味方をすると。アミちゃんはそのクリスティーネ様の大切な娘御なのです。私がアリーナと行動を共にするのは当たり前ですわ」
「いや、お前ら、しかし」
「まだか弱いアミちゃんに手を出すなど言語道断。出した奴らには地獄を見せてやりますわ」
私は豪語した。私もクリスティーネ様から魔術は習っているのだ。これだけの人数がいればいざとなれば第三騎士団など敵ではない。
「奥様。大変でございます。確かに第三騎士団にアマーリア様は連行され多層にございます」
そこへ、セバスチャンが駆け込んできたのだ。
「何ですって!」
「行くわよ!」
「いや、お前ら少し待て」
私は兄の腕をすり抜けると私は直ちに馬車に向けて駆け出したのだ。
「あなたたち、お退きなさい」
第三騎士団の駐屯所の前では騎士を前にカミラが叫んでいた。
「いや、これ以上の騒ぎを起こされると騒乱罪で捕まえますぞ」
何か偉そうな男が叫んでいた。
「何をしているのカミラ」
「アリーナ様。騎士達が通してくれなくて」
「甘いわ。皆の者、こやつ等は我が公爵家の令嬢アマーリアを誘拐した犯人です。直ちに全員を拘束しなさい」
私は私についてきた騎士に命令した。
「はっ、直ちに」
「な、何をする」
「黙れ。誘拐犯。神妙に捕縛されろ」
「いや、俺たちは任務を遂行していただけだ」
「そうだ。そちらこそ何をしている」
「貴様等、ヨーク公爵家の令嬢誘拐容疑で逮捕する」
「ええい、何をしている。こいつらは騒乱罪で捕まえろ」
現場は大混乱に陥った。
「ええい、何をしている?」
そこに騎士を引き連れたハウゼン侯爵が現れた。
「閣下。こちらの方が我らを誘拐犯だと言われまして」
「ああら。侯爵様。我が家の娘のアマーリアを第三騎士団で誘拐したと巷で噂になっておりますのよ。何かご存じですか?」
私はどんな反応するか一応聞いてあげた。
「違いますな。侯爵夫人。アマーリアは第一王子殿下に対する不敬罪で逮捕指されたのです。あなたも同罪になりたいのてすかな」
侯爵が笑ってくれた。私はそれを見て切れていた。後の皆も同じだ。
「何が不敬罪なんだか。13の娘を捕まえて不敬罪とは聞いて呆れますわ。皆様。聞かれましたわね。この侯爵がクリスティーネ様と同じようにえん罪をでっち上げてそのお嬢様を捕まえたそうですわよ」
「何ですって。一度までならず二度までもえん罪をかけようとするなんて」
「絶対に許せませんわ」
「正義は我にあり、侯爵を誘拐犯で捕まえるのよ」
「な、何を!」
流石の侯爵もここまで言われるなんて想像だにしていなかったのだろう。
一度目クリスティーネ様の時にえん罪に嵌められた私達はその時後悔したのだ。そして、二度と同じ目には逢わないと決めていた。敵がえん罪を持ち出すのならばこちらも逆襲するまでだ。
「皆様、行きますわよ」
私の合図と共に全員手を突き出してくれた。
「な、何をするつもりだ」
「逃げないと知りませんわよ」
私は笑ってそう叫ぶと、
「「「火の神ヘパイストスよ。我が身に力を貸してくれたまえ。出でよ」」」
詠唱を皆で一緒に始めたのだ。
騎士達の大半が慌てて玄関前からから飛び退いていた。
そんな中、中に飛び込もうとしたときだ。
ドカーーーーーン!
いきなり騎士団の庁舎に巨大な火柱が立ち上がっていた。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
火柱の正体は何?
続きをお楽しみに!








