破落戸達が胸無しと言ってくれたので、切れた私は雷撃しました
「皆、じゃあ、またね」
「終業式の時に!」
「気をつけて帰るれよ!」
そろそろ暗くなる時間に私達は解散した。
少し予定よりも遅くなった。はしゃぎすぎたのだ。
まあ、テスト終わって皆、大喜びになっていたのよ。多少は羽目を外すのは仕方がなかった。
暗くなったので、女の子は剣術部の男達が別れて送っていくことになっていた。
「アミは寮に帰るのか? 何なら送ってやろうか?」
ゲルトが申し出てくれたが、
「大丈夫よ、ゲルト。私は今日はエーレンの所に泊まるから」
私は首を振った。
どっちかというと私は危ない女の子というよりは、こういう時は男扱いだ。おそらく戦闘能力はクラス一あるはずだ。
「まあ、確かにアミを襲うような物好きはいないと思うぞ」
「ライナー、あなた、今ここで死にたいのね」
「嘘です。止めてくれ!」
慌ててライナーは店を飛び出して行った。
「本当に逃げ足だけは速くなったんだから」
私は文句を言っていた。
私達はエーレンの馬車にエッダと一緒に乗せてもらった。
エーレンの馬車はさすが商会のお嬢様の馬車だ。リックの馬車には負けるけれど、濃い青色の馬車で結構立派だった。馬も2頭で引いていた。
最初はエッダを送っていくことになっていた。
エッダはヨーク公爵家の料理長の娘だ。
すなわちヨーク公爵邸になる。私のお母様の実家だ。本来は私も挨拶しなければいけないのかもしれないが、お母様の了承も得ずに魔術学園に入ったので、母に内緒で寄るのもどうかと思って今日はみるだけにした。
公爵邸は王宮の近くにでんと聳え立っていた。
まあ、王宮ほどではないけれど、さすがこの国一番の公爵家の王都屋敷だ。大きな林もあって屋敷は広大な敷地だった。
こんなところにお母様が住んでいたとは到底信じられなかった。
私の今の家はこのお屋敷に比べたら本当に小さな掘っ立て小屋だった。
「じゃあ、アミ、また、明日ね」
私達はエッダとは公爵邸の使用人入り口で別れた。
「くれぐれも公爵家の人々には内緒よ」
私は念押しした。
「それは良いけれど、ちゃんと公爵夫人等に挨拶しなくていいの?」
「それはまた、するわよ。いずれね。取りあえずはお母様がどういう所に住んでいたか見てみたいのよね。どんな娘だったかも聞いてみたいし」
そう、私は公爵夫人には内密にエッダの家に遊びに行くことにしたのだ。
時たま使用人の家にも親戚とかが遊びに来ることがあるから、入り口で登録すれば誰でも入れるそうなのよ。私はこの試験休みに、行くことにしたのだ。そうすれば今度お呼ばれしても、おどおどすることもないだろうという下心もあった。公爵夫人の様子では絶対に夏休みに誘われそうだし、いつまでも逃げる訳にもいかない事は理解できていた。
「まあ、それは判るけれど、でも、アミが来たら絶対に夫人にばれるような気がするんだけど……」
「大丈夫でよ。私は日頃は静かで大人しいんだから」
「アミ、それはないから」
「どういう顔してそういう事が言えるの?」
二人に即座に否定されたんだけど……私の事なのに、何故あなた達で決めつけているのよ!
「だって、アミが信じられないことを言っているんだもの」
「クラスの誰がアミが静かで大人しいってみとめてくれるのよ」
二人は容赦なかった。
絶対に一人くらい認めてくれるわよ!
エッダと別れて、私達はエーレンの家に向かった。
前世も含めて生まれて初めてのお友達の家にお泊まりだ。
私はとても浮かれていた。
だから少し警戒心が薄れていたのよ。
ヒヒーン!
馬が竿立ちになっていきなり止まったのだ。
「キャッ!」
私はそのまま投げ出された。
完全な私の失態だった。
ドン!
でも、てエーレンの豊かな胸に受け止められていた。
私の何もない胸に比べたら月とスッポンよ!
何故同じ転生者なのに、こんなにも違うの?
絶対に神様の不公平だ!
私は下らないことを一瞬考えたのだ。
「どうしたの?」
「お嬢様大変です。破落戸達によって囲まれています」
私は慌てふためく馭者の声を聞いた。
「出てこい、不敬女、アマーリア! 馬車に乗っているのは判っているぞ」
外から大声が浴びせられた。
「じゃあ、エーレン、少し待っていてね」
私は軽く運動するつもりで馬車の扉に手をかけた。
「アミ、大丈夫なの?」
心配そうにエーレンが聞いてきたが、
「少し試験勉強で体が鈍っているのよ。丁度良い運動だわ」
私はエーレンに手を軽く振ると扉を開けたのだ。
馬車の前に30人くらいの破落戸どもが抜き身のナイフを構えていた。
「貴様がアマーレリアか」
破落戸の頭目らしい男が聞いてきた。
「さあ、どうかしら」
私は肩を振りながら適当に答えた。
まあ、敵の数は40人弱だ。軽く一撃だろう。
私が胸算用したときだ。
「お頭、この女結構きれいな顔してますぜ」
破落戸の一人が言い出してくれた。
「このまま連れてこいとお偉い様方がおっしゃっているんだ。手出しは無用だぞ」
誰かがこの破落戸どもに命じているみたいだ。
ということは全員を倒すのではなくて、二三人意識のあるように捕まえなくてはならない。
少し面倒な!
私は少し嫌になった。
「えっ、折角可愛い女の子ですのに」
「お前は顔さえ良ければ良いのか? この女はどう見ても貧相な胸しかしていないだろうが」
「そうだぜ。真っ平らの胸無しお嬢ちゃんだ」
男達がそう言って笑ってくれたのだ。
私がいつも気にしている事をヘラヘラと笑うなんて許せない!
私はその瞬間瞬時に切れていた。
「誰が胸無しよ!」
そう叫んだときには私の体中から雷撃が男達に襲いかかっていたのだ。
「「「ギャーーーーー」」」
次の瞬間だ。男達の絶叫が街中に響き渡ったのだった。
そして、雷撃が消えて視界が晴れたとき、その場に立っているものは誰一人いなかったのだった。
アミの怒りの一撃でした……
アミの前で胸の話は禁句です。
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