折角侯爵達をやっつけようとしたら、母の親衛隊が入ってきてあっという間にその場を制圧してくれました
私は騎士達がいきなり私を捕まえようとしたのに驚いた。
「何をしているのです。下がりなさい!」
「貴様等、誰の許可を得てここにいる!」
アナおばちゃんとリックが止めようとしてくれた。
「側妃様の許可を得て、王妃様をお助けするために我らは参りました」
そこに水戸黄門の越後屋のような顔でニタニタ笑いながらハウゼン侯爵が入ってきた。
「そうよ。王妃様が大変と聞いて飛んで来ましたのに、その言い様はないのではありませんか」
その後ろには側妃が続いていた。
「何を言っているの? 側妃と言えども、ここの責任者は私です。控えなさい」
アナおばちゃんがそう命じるも、
「王妃様。王妃様がその平民女に暴力を振るわれているとこの者が報告してきたのです」
側妃が傍の侍女を指さした。
「ミーア、あなた側妃の手の者だったの?」
アナおばちゃんが驚きの声を上げた。
「何のことだか。私は見たままを報告して助けを求めただけですわ」
不貞不貞しそうな侍女が話してくれた。
「ということだ。皆の者。王妃様に乱暴をしたその平民女を拘束しろ」
「ちょっと、何をしてくれるのよ。アミちゃん、逃げて!」
「アミ、逃げろ!」
2人は私を庇ってくれたんだけど、どう考えてもここで一番強いのは私だ。
「大丈夫よ。アナおばちゃん」
私はそう言うと、前に出た。
「ほう、嬢ちゃんが自ら捕まってくれると後は楽だぜ」
そう言って男が私に手を伸ばしてきた。
「ギャーーーーー」
次の瞬間、男が指を押えてのたうち回ってくれた。
「どうした? 何があったのだ?」
侯爵等は慌ててくれた。
ふんっ、私に不用心に近付くからだ。
私は目の前に障壁を展開していた。
その私の障壁に指を無造作に突っ込んできてくれたのだ。
私の障壁は堅さも丈夫さもヨーゼフ先生が太鼓判を押してくれた物だ。
鋼鉄並みの障壁に指を突っ込んでくれたので、下手したら指が折れたかもしれない。
「おい、気をつけろよ。この女何をするか判らないぞ」
騎士達が叫んでくれたけれど、さて、次はどうしようか?
全員雷撃なら一撃でやれるけれど、王妃様の騎士も中にいて、王妃様の騎士や侍女全てを避けるのは無理だ。
「アミ、大丈夫なのか?」
リックが聞いてきてくれたけれど、
「ええ、これくらいなら、全く大丈夫よ。全部やってしまってもも良いわよね」
私はやる気満々だった。
「いや、そこは少し手加減してだな」
リックが止めようとしてくれたけれど、それは嫌だ。
やるなら徹底的にやらないと……
「この女!」
1人の騎士が私に飛びかかってきた。
「ギャーーーー」
私は強化したパンチを男の顔面にぶつけていた。
男は顔をゆがめて飛んでいった。
ガンバラガッシャーン!
「ギャーーーー!」
男は裏切り者の侍女の真上に落ちてくれた。
2人はり折り重なってピクリともしない。
アナおばちゃんを裏切るからよ。私は裏切り者は許さない!
「おのれ、貴様等、さっさとこの王妃様襲撃犯をひっ捕まえろ」
ハウゼン侯爵が周りの騎士達に命じていたけれど、
「どう見ても貴方たちの方が王妃様襲撃犯よね」
私は宣言して上げた。こうなったら王妃様襲撃犯として全員やつつけるしかない。後はアナおばちゃんがなんとかしてくれるだろう。
私は全員をやる気満々になった。
しかしその時だ。
ドカーーーーン!
爆発音とともに扉が吹っ飛んで、真っ黒な集団が大挙して入ってきたのだ。
「えっ?」
私は唖然とした。
私のお母様の親衛隊の皆様方だ。
「ギャーーーー」
その扉の前にいたハウゼン侯爵と側妃は、扉の爆発で地面に叩きつけられていた。そして、その倒れた上をハイヒールのおば様方が集団で駆けてくれたのだ。絶対に痛いに違いない。
「痛い、ギャッ、止めて」
側妃の悲鳴が聞こえたが、おば様方は全く気にしていなかった。
「アミちゃん!」
そして、その先頭にはヨーク公爵夫人がいたのだ。
皆を倒すつもりだった私はその集団の登場に度肝を抜かれた。
パシーン!
更には側妃の護衛隊長が公爵夫人の実の弟だったみたいで、公爵夫人に一瞬で張り倒されていた。
「ギャッ!」
弟は吹っ飛んでいた。
さすがの私もぎょっとした。公爵夫人は怒らせると怖いらしい。
私顔負けの活躍だった。
完全にやる気のそがれてしまった私はただおば様の活躍を見ているだけだった。
「ちょっと、アリーナ。あなた私の護衛騎士になんて事してくれるのよ」
後ろからやっと側妃が立ち上って公爵夫人に文句を言ったけれど、公爵夫人は無視してくれた。
その後もう一人のおば様と下らないことで喧嘩を始めたのだ。
「おい、貴様等、儂を足蹴にして何を騒いでいる」
ハウゼン侯爵がやっと起き上がって文句を言ったが、
「お黙りになって侯爵。あなた良くも私のアミちゃんに手を出そうとしたわね」
公爵夫人が地獄の閻魔様もさぞやという恐ろしい笑みを浮かべてくれたのだ。これは絶対に逆らってはいけないやつだというのは判った。特に夫人の弟がさあああっと下がってくれたのには驚いた。
まあ、私も下がりたいと思えたけれど……
「我がヨーク公爵家はじめ、ここにいる全貴族とやりあう覚悟はおありなのね!」
ヨーク公爵夫人は完全にその場を制圧してくれたのだった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
散々な目に遭った側妃一行でした。
続きをお楽しみに!








