幼なじみをなだめていたら今度は抜剣した騎士達が乗り込んできました
「リック、ノックもせずに入ってくるなど、一体どうしたのです?」
アナおばちゃんがいきなり入ってきたリックに注意していた。
「どうしたもこうしたもありません。学園長からアミが母上から呼び出しを喰らったって聞いて慌てて飛んで来たんですよ」
リックがずんずん私達に近付きながらアナおばちゃんに返事していた。
さっきのアナおばちゃんの話と今のリックとの話しぶりからして、リックは私の母とアナおばちゃんが友達って聞いていないみたいだ。当然私とアナおばちゃんが昔からの知り合いだなんて知らないはずだ。私も今初めてアナおばちゃんの息子がリックだって知ったくらいだし……というか、アナおばちゃんの息子がリックだというのは2人が話しているのを見て表面上は理解出来たような気がしたけれど、未だに完全に理解した訳でもなかった。それに、私の頭の中では母の友人のアナおばちゃんが実は王妃様だって事の方がインパクトが大きくて未だに信じられなかった。
「アミ、母に酷い事をされなかったか?」
リックが私の横に来て確認してきた。
「リック、あなたね。私が息子の恩人の娘さんに対して酷い事をする訳はないでしょう!」
むっとしてアナおばちゃんは反論していた。
「それは判らないです。母上は私をクリステイーネ様のところに送り出すときに、虎穴に入らずんば虎児を得ず。頑張ってクリスティーネ様の信頼を勝ち取るようにと指示なさったではありませんか。私は実際に命の危機に何回も遭いました。それでなくてもクリスティーネ様は母上にとって昔から因縁のあるお方です。母上がその事に対してアミに仕返ししないとも限らないでしょう?」
リックは完全にアナおばちゃんを信じていないみたいだった。
アナおばちゃんが母に酷い事をされたと思っているみたいで、2人が本当に仲が良いのを知らないのだ。というか、私とアナおばちゃんが親しいという事も知らないみたいだ。優しいアナおばちゃんが私に意地悪する訳はないのに!
「何を言っているのよ。私はそんなこと言っていないでしょう。クリスティーネは見た目は怖いけれど優しい人だから、頼っていったあなたを守ってくれるはずだって言ったわよね。そのついでに出来たらアミちゃんと仲良くなるのよってアドヴァイスしただけじゃない」
アナおばちゃんが呆れて言い訳してくれたけれど、
「何を言っているんですか、母上? 私は向こうに着くまでに騎士や侍女達からは、母上が昔、どれだけ酷い嫌がらせをクリスティーネ様から受けたか、嫌ほど聞かされたのですよ。でも、クリスティー様は側妃様を嫌っているからかの方の元ならば命は保障されます、って言われておっかなびっくりで行ったんです。
そうしたらクリスティーネ様は私には塩対応で、唯一アミだけが私に優しくしてくれたんです。クリスティーネ様からの横暴もアミが守ってくれました。だから今度は母上からアミを俺が守る番なんです」
リックは完全にアナおばちゃんが私に酷い事をすると思っているみたいだった。
「何を訳のわからない事を言っているの? 私はあなたを守ってくれたクリスティーネにはお礼として今度アミちゃんを学園に寄越すときは恩返しの意味でも、ちゃんと面倒を見るって約束しているのよ。あなたはその書面、クリステイーネに渡してくれたんでしょ?」
「渡した途端に『アミは学園には入れん』ってクリスティーネ様に言われてその書面を燃やされましたよ」
「ええええ! イネ、そんなことしたの?」
アナおばさんは驚いていたけれど、イネって言って良かったんだろうか?
「母上、イネって誰ですか?」
「いやね。クリステイーネって言ったのよ。あなたの聞き違いじゃないの?」
めちゃくちゃ強引な言い訳をアナおばさんはしていた。
どうやら、息子には母と親しいことも私と知り合いな事も完全に秘密にしているみたいだ。
まあ、私も母からはアナおばちゃんが王妃様だなんて話は聞いたことはなかったし、リックの正体も秘密にされていた。
でも、私に既に話したのに、何故でリックに話さないんですか? って後で聞いたら、「イネと子供達には一切話さないっていう約束をしているからよ。私がアミちゃんにバラしたってイネが聞いたら絶対に怒るから、イネには内緒よ」
って言われてしまったんだけど、私は母に黙っている自信はないんだけど……
そんなこんなでドタバタしていたときだ。また外が騒がしくなったのだ。
「貴様等、ここは王妃様のお部屋だぞ」
「その王妃様が平民小娘に襲われたから大変だと通報を受けたのだ」
「そんな訳はないだろう」
「貴様、クリステイーネの手の者か」
「な、何を言う?」
「ええい、逆らう奴は拘束しろ。王妃様の一大事だ!」
ダーン!
再び、扉が開いて、今度は騎士達が大挙して入ってきたのだ。
私が唖然としたところで、
「貴様が平民アマーリアか? 王妃様並びに王族への不敬罪で拘束する」
騎士の偉そうな男が私を見て叫んでくれた。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
この騎士達は誰の手の者か?
続きをお楽しみに








