王妃様から召還されて学園長達からも見放されて差し出されました
私は翌朝目覚めは最悪だった。
夢にリックが出てきて何回も魔物に襲われて死んでくれたのだ。
私がちょっといろんな物に目がくらんで目を離した隙に……
ダンジョンにはダンジョンリンゴにダンジョンメロン、果ては猛毒のダンジョンイチゴもあるのだ。
何で猛毒ということを知っているかとかというと、昔それを食べて死にかけたことがあるからよ!
「本当にアミは少し目を離した隙に食べているんだから! ダンジョンの中に生えている物は食べてはいけないって言っているでしょう! さっさとお吐きなさい!」
お母様にドンドン背中を叩かれて吐き出さされた。本当にお母様はこういう時は容赦がない。
「普通は口に含んだだけで死ぬのに、さすが姉御の娘御ですね」
ヨハンさんか誰かに呆れられた記憶がかすかにある……
話が逸れた……
「アミ!」
ってリックが叫んで魔物に倒されるのだ。
私があのむかつく侯爵令息を投げてぶつけた時みたいに……
考えたら令息を投げ飛ばして第一王子と第二王子の二人にまとめてぶつけて吹っ飛ばしていた……
これはまた、やばいかも……
グー
私のお腹が盛大に鳴っていた。そう言えば昨夜はご飯を食べていなかった。お腹が減るはずだ。
私は早朝に1人で食堂に向かった。エーレン達を起こそうかとも思ったのだが、早すぎたし、さすがに悪いと思ったのだ。でも、無理矢理でも連れてくれば良かった。
なんて、食堂はまだ開いていなかったのだ。
開くまでまだ1時間もある。
最悪だ。
「食堂はまだ開いていないんですね」
後ろから残念そうなグーゲル先生の声がした。
振り返ると先生は目に隈を作っていた。
「どうしたんですか? お疲れですね」
私は思わず先生を労っていた。
「どこかの誰かが問題を起こしてくれましたからね」
でも、先生は私を見て言ってくれた。
どこかの誰かって……周りを見回しても私以外誰もいない。
「えっ、私ですか?」
「アマーリアさん以外いる訳ないでしょ。2人も王子殿下を吹っ飛ばしてくれて、学園長の所には抗議の文が山積みですよ」
私はその言葉にぞッとした。王家とか侯爵家から文句が山のように来ていそうだ。
「ということで食事も食べられないのならば、アマーリアさんも学園長の所に行きましょうか?」
「えっ?」
私は一瞬グーゲル先生が何を言ってきたか理解できなかった。
「学園長にはすぐに呼んで来るようにって言われたんですけれど、まだ朝早いからもう少し後にしましょうよって言ったんだけど、もう起きているのならば良いですよね」
グーゲル先生が言ってくれたんだけど。
「いえ、先生、放課後で」
「そんなに待ってくれる訳ないでしょ。嫌なことは早めに済ませないと」
「いや、だから、学園長室なんかに行きたくないです」
「それは僕も同じだよ」
逃げようとした私はグーゲル先生に捕まってそのまま学園長室につれて行かれたのだ。
連れて行かれた学園長室では真剣な顔で学園長と学年主任のガイスラー先生と礼儀作法のオールドミスが怖い顔をして座っていた。
「アマーリア君。君はまた何と言う事をしてくれたのだ! 殿下を吹っ飛ばすなど、それも2回目ではないか! 更には今回は2人もだぞ! どうしてくれるのだ!」
そこから延々と学園長のお説教が始まったのだ。
私はうんざりしてしまった。
それから20分間、学園長は説教をし続けてくれた。
「学園長。王宮から御使者がこの書面を持って参られました」
それを嫌みなリップマンが書面を持ってきてくれて中断してくれた。
私はほっとしたのだ。
リップマンが救いの神に見えた。
でも、それは間違いだった。
「なんじゃと! そんなことがあるのか?」
書面を読んでいた学園長が驚いて腰を上げてくれた。
「どうされたのですか学園長?」
ガイスラー先生が聞いてくれた。
「アマーリア君に王妃様からの召喚状が来ている」
「えっ、王妃様からのですか」
「そんな」
グーゲル先生とオールドミスも驚いてくれた。
一番驚いたのが私だ。
「先生、私、不経済とか言う罪でしょっ引かれるんですかね」
小声で隣のグーゲル先生に聞いたら、何故か皆に筒抜けだったみたいで白い目で見られてしまった。
「あのう、アマーリアさん、どこから突っ込んで良いか判らないのですが」
ええええ! そこは突っ込むところなの?
私が真面目に聞いたのに!
「不経済ではなく不敬罪だ」
「えっ? 不敬罪?」
学園長が説明してくれた。
前世母が不経済よねと無駄になることをよく呟いていた。主に私が入院していたからいろんな物が余分に二ついることだったりしたんだけど、病弱でいつもボッチだった私は神妙にお母さん言葉を聞いていた。お母さんも私が元気な普通の子供だったらこんなに私にお金がかからなくて、再び職場に復帰しなくても良かったのかもしれないし……お父さんもお母さんも二人して忙しそうに働いていて、私の見舞いにも来れないのも全て私が病弱でお金のかかるせいだと反省した記憶があった。
だから、王子やその取り巻き達が不経済不経済って言っているから私よりもお前らの存在の方が余程不経済だろうがと私は思っていたのだが、不経済ではなくて不敬罪だそうだ。
不敬って言われても、第一王子があんな傲慢な態度を取っていたら普通は敬われないだろう!
そう思ったけれど、これ以上学園長に怒られたら事だから余計な事を話さないようにしようと心に決めた。
「それとしょっ引くなんて言葉はどこで覚えたんですか?」
下町言葉らしい。でも、前世は普通に時代劇とかでやっていたのに……暇なので私は水戸黄門とか暴れん坊将軍とか銭形平次を一人で見ていた記憶があった。その中では普通に話していたのに!
後でエーレンに言うと、
「あんた普通はそこはアニメじゃないの?」
っていわれたけれど、それはアニメも見たけれど時代劇も見ていたのよ!
「どうされますか? 王宮の侍女長が御使者で待っておられますが……」
嬉しそうに私を見ながらリップマンが言ってくれた。
こいつは絶対にこの状況を楽しんでくれている……私はうんざりした。
「しかし、学園長。学園の中のことは学園で処理するのが基本です。王家もそれはご存じのはずでは」
オールドミスが抵抗してくれた。そうだ。もっと抵抗して!
でも私の願いも空しかった。
「陛下も色々御苦慮していらっしゃるらしい。色々あると思うが、一度クリステイーネの娘のアマーリア君に会いたいと王妃様がおっしゃっていらっしゃるそうだ。それに使者が侍女長では君は反論できるのか」
「いえ、それは学園長のお役目でしょう」
「何を言う、侍女長は君の前任者ではないか? それに君の親戚だろうが」
「叔母に逆らうなんて私は絶対に出来ません」
二人して言い合って結局私を差し出すことにしてくれたのだ。
酷い! 私も学園の生徒なのに!
そう言って抵抗したら、
「まあ、王妃様はクリステイーネと比べたら優しい人だから大丈夫だろう」
無責任な事を学園長は言ってくれたけれど、猫被っていたらどうしてくれるのよ!
それに、王妃様と母は犬猿の仲でいくらいい人でもそんな虐めとかされていたら絶対に腹に一物持っているはずだった。だから絶対に私は王妃様の前には行きたくなかった。
でも、孤立無援で侍女長を恐れる学園長等によって、私は怖そうな侍女長の前に引き出されて、そのまま馬車に乗せられてしまったのだ。
ドナドナされたアミの身に迫る危機。
果たしてどうなる?
続きをお楽しみに!








