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呪術の防御訓練で四つん這いの犬になってわんわん吠えてしまいました

 結局エーレンとああでもないこうでも無いと言い合っても埒があかなかった。

 どのみち翌日の放課後に会うのだ。

 その時に聞けば良いだろうということになった。


 エーレンはいつまでも私が国王陛下の落とし子だと主張していたけれど、あの母と陛下はあり得ないと思ったから絶対にない。それに私が第一王子を張り飛ばしたときに、とても冷たい視線で見てくれたので、絶対に違うと思う。

 だから私とリックが兄妹という説も違うはずだ。

 でも、それなら、何故は母はリックを受け入れたのだろう?

 そこは謎だった。


「だからアミのお父様は陛下なんだって。あなたへの冷たい態度は、男は隠し子がいきなり出て来たら不機嫌になるんだって」

 エーレンはそう主張してくれたんだけど……

 あの目はそうでは無くてなんか嫌なものを見る目だった。私にお母様を見たのかもしれない。

 まあ、今日の放課後には判るはずだ。


 結局その日は色々考えてよく寝れなかった。



「アミ、貴様、その顔は何だ!」

 その翌日の一時間目は魔術実技の授業だった。

 私は寝ぼけ眼で魔術の塔の前の広場に行ったらいきなり、ヨーゼフ先生に叱られた。


 私は久しぶりにヨーゼフ先生と会ったんだけど、先生は一目私を見ただけで私が寝不足だと判ったみたいだった。

 先生はとても不機嫌になった。


 自分の体調管理を日頃から口うるさく言う先生だった。

 何でも母達が二日酔いで訓練中に死にかけたことがあったみたいで、それ以来体調管理を厳しくしているそうだ。


 いや、ちょっと待った!

 学園生は基本未成年だ。

 それが二日酔いってどういう事なの?

 と思わないまでもなかったが……


「少し悩み事がありまして」

 私が正直に白状すると、

「貴様、寝不足が美容の敵だと知らないのか?」

 まさかヨーゼフ先生から美容の敵という言葉が出てくるとは思ってもいなかった。

「どのみち貴様の悩みなど、ケーキをもう一個食べたいとか、リンゴをもう一個食べたら良かったと言ったたぐいじゃろうが!」

 先生はとても失礼な事を言い出してくれた。

「違います!」

 私は即座に否定した。

 私にも悩むことはあるのだ。


「何を言い出すんですか? 子供じゃあるまいに!」

 それに、いくら私が食い意地が張っていてもそんなので寝不足になったことはない。私は基本は快眠なのだ!


「昔はよくケーキが食べたいとかほざいておっただろうが!」

 ヨーゼフ先生は言ってくれたが、それはアナおばちゃんが持って来てくれたケーキをお母様が独り占めにしたから文句を言っただけだ。普通はそんな事は言わない。アナおばちゃんの持ってくるケーキはそんじょそこらのケーキ屋のケーキではなかった。舌がとろけるほど美味しかったのだ。


 そう言えば先生は母の先生でもあった。先生に聞けば良いんじゃないか。私に天啓が降りてきた。


「先生、先生は私の本当の父が誰か知っていますよね?」

 私が先生に尋ねていた。

「いや、それは知らんぞ」

 先生は否定したが、何か挙動不審だった。

「目が泳いでいますよ」

 私が突っ込むと

「アミ、そういう事は呪術を防げるようになってから聞いてこい」

 先生は不機嫌に反論してくれた。

「じゃあ、防げたら教えてくださいよ」

「防げたら考えてやる」

 ヨーゼフ先生がそう話してくれた。


「ようし!」

 私は俄然やる気になった。

「では行くぞ、アミ」

「はい」

 私は身構えた。この前呪術で体が動かなくなり、最悪の目にあったのだ。今度はそんな不覚を取る訳にはいかない。


「犬になれ!」

 ヨーゼフ先生が叫んだときだ。


「わんわん!」

 私は四つん這いになって叫んでいたのだ。



「な、なんじゃ、アミ、全然ではないか!」

 ヨーゼフ先生が馬鹿にしたように言ってくれたが、私も心外な結果だった。

 犬になって吠えるなんてこんなの知られたら皆に馬鹿にされるに決まっていた。


「良いか、アミ、心を研ぎ澄まして、外部から己の中に入ってこようという意思をいち早く察知してそれをひねり潰すのじゃ」

 ヨーゼフ先生はいかにも簡単なように話してくれたが、私は外部から入ってこようとする異物を察知できなかった。それが察知できない限りひねり潰せない。


「もう一度行くぞ」

「はい」

 今度こそ、絶対に防いでやる。

 私が心に決めたときだ。


「猫になれ!」

 ヨーゼフ先生の叫び声が聞こえた瞬間だ。

「ニャー」

 私は四つん這いになって鳴いていた。


 私は呪術が解かれたとき、私は本当にもう泣きたかった。

 全く駄目だった。

「アミ、何度も言うように心を研ぎ澄ませ。そして、余計な事は考えずに、異物を察知するのじゃ」

 先生はさも当たり前のように言ってくれるがこれが全然出来ない。


 それから必死に練習したが、何回やっても出来なかった。


「豚になれ」

「ブヒブヒ」


「ライオンになれ」

「ガオーーーー」


「鳥になれ」

「ピーピー」

 私はそう鳴いて両手を羽ばたいて飛ぼうとしたのだ。


 当然飛べる訳はない。


「ギャッ」

 そのまま地面に顔毎激突していた。

 そして、激突した瞬間、正気に戻った。


「なんじゃ、アミ。手を広げても空は飛べんぞ!」

 心底馬鹿にしたようにヨーゼフ先生に馬鹿にされてしまった。


「アミ、全然ではないか? 自分の父親云々言う前に、呪術をもっと特訓するのじゃ」

 ヨーゼフ先生のもっともなお説教で授業は終わってしまった。


ここまで読んで頂いて有り難うございます

呪術の対策も出来ずに、周りが動き出します。

アミは果たしてこの危機を防げるのか?

ますます深まる謎?

続きをお楽しみに

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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