幼なじみにお礼をしようとしたら、1日付き合うことになりました
その日も嫌な理科の時間だった。
最近はリックに教えてもらっていたから大体の授業は理解できていたが、この授業の教師は私のせいで魔術大会で我がCクラスに負けた事を根に持っている、一年A組の担任のリップマンだ。
いつも私に嫌みと馬鹿の一つ覚えかガリレオ脳と馬鹿にしてくれる教師だ。
「では、閏年は何年に一回ですか。まあ判らないと思いますが、ではお約束のアマーリアさん」
リップマンは私を当ててくれた。
でも、こいつは知らないのだ。
前世も閏年は4年に一度だったのだ。
この世界が前世と同じ太陽暦で良かった。
「4年に一回です」
私は自信満々に答えた。
「はっ、本当にどうしようも……えっ、4年に一度? 合っているではないですか。まぐれもたまには起こるんですね」
心底驚いた顔を嫌みなリップマンはしてくれたが、最後は嫌みで終えてくれたのはさすがだ。
まあ、でも、また答えられずに虐められなかったので良かった。
「「おおおお」」
皆驚いた声を出してくれたし、
「それでも地球は太陽の周りを回っているのアミが正解したぞ、天地異変の前触れか?」
ライナーは余計な一言を言ってくれた。
ライナーはもう一度締め直す必要があるのかもしれない。
温厚な私も不穏な事を考えたくらいだ。
「どうしたの、アミ?」
「今まで全然だったのに、いきなり理科の授業が出来るようになって!」
エッダ達が驚いて聞いてきた。
「私もたまには解けることも事もあるわよ」
私が何でも無いように言うと、
「おい、アミ、ひょっとしてお前は夏休みの補講に来ないつもりか?」
ゲルトが慌ててあたふたして聞いてきた。
「そんなの当然でしょ。誰が好き好んで皆が遊んでいる夏休みまで、学園に来なければいけないのよ」
私が当然のように答えると、
「嘘だ! アミは絶対に補講組だと思っていたのに!」
ゲルトが肩を落としてくれたんだけど……どういう意味?
私ってそんなにお馬鹿に見えていたんだろうか?
まあ、脳筋なのは認めるけれど、補講受けるほどの馬鹿ではないと思う。
「というか、ゲルト数学の丸暗記作戦はどうしたのよ?」
私が不思議に思ってゲルトに聞くと、
「そんなの出来る訳ないだろう!」
ゲルトは昔と正反対の事を言いだしてくれたんだけど……
「いや、ゲルト、ちょっと待ってよ。少し前に私に一ヶ月もあれば絶対に出来るさと言い切っていたじゃない!」
私が文句を言うと、
「その時はそう思ったんだけど、やっぱりやるのは難しいと思い直したんだよ」
言い訳がましくゲルトが発言してくれたけれど、もともとあんな分厚い参考書を丸暗記なんて絶対に無理なのよ。そう最初に思った私は正しかったのだ。
良かったリックに教えてもらえて!
私は鼻歌を口ずさみそうになった。
その日の放課後もリックは私の勉強に付き合ってくれた。
でも、最近はリックが示してくれた教科書の問題を私が解いて、解き終わったら答え合わせをするスタイルだ。その合間にリックは自分の勉強をしていた。
「どうしたんだ、アミ? 今日はやけに機嫌が良いけれど」
リックが聞いてくれた。
「うん。今日、理科の授業で、嫌みのリップマン先生に当てられたんだけど、初めてちゃんと答えられたんだ」
「そうか、それは良かったじゃないか」
私の報告にリックも喜んでくれた。
「これも全ては教えてくれたリックのお陰だよ。本当にありがとう」
私はリックに頭を下げた。
「いや、まあ、そこまで感謝されることはしてないさ」
リックが照れてくれたけれど、
「ううん。私が出来るようになったのはリックが忙しいにもかかわらず私にマンツーマンで教えてくれたからだよ。本当に助かっているんだから」
「いや、まあ、アミには昔世話になったからな」
リックはそう言ってくれるが何もしない訳にはいかないだろう。
「なんかリックにお返しがしたいんだけど、何かしてほしいこととかない?」
単純な私は何か返したかった。
でも、リックはおそらくお貴族様だし、私よりお金とかも持っているし、欲しいものとかも簡単に買えるはずだ。それに私は金欠だし……どうすればいいんだろう?
私が困ってリックを見ると、
「そうだな。じゃあ、今度1日、俺に付き合ってくれるか?」
「付き合うのは良いけれど、お金はあんまりないよ」
私は前もって断っておいた。
お貴族様のレストランのフルコースなんて付き合えって言われたら、あっという間に私のお金が底をついてしまう。
「大丈夫だよ。そんなに金のかからないところにするから」
リックがそう言ってくれた。
うーん、あまり信用できないけれど……何かリックとはお金の感覚が違うような気がするし……
まあ、最悪リックにお金を借りれば良いか?
あんまりしゃれにならないけれど……
私はそうすることにした。
それに試験が終わればすぐに夏休みだ。そうなれば、ダンジョンに潜ればすぐに返せるはずだ。
単純な私はそう思ったのだ。
その日の勉強が終わるとリックはいつものように一般食堂の前まで送ってくれた。
「じゃあ、アミ、また明日」
「うん、リック、今日も教えてくれて有り難う」
私はリックにお礼を言って手を振ると食堂の中に入ったのだ。
その私達を睨んでいる者がいるなんて気付かなかったのだ。
ここまで読んで頂いて有り難うございます
デートのつもりのリックと単に付き合うだけだと思っているアミの2人は果たして上手くいくのか?
2人を見ていた不審な陰は何?
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