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魔術の先生に剣術の稽古をつけてもらいました

 私は翌朝早くからヨーゼフ先生に特訓させられていた。


 いや、特訓をして頂いていた。


 朝、起きしなに目をこすりながらヨーゼフ先生のとこに行ったら

「アミ、態度がなっておらんわ。世界最強魔術師の儂が時間前から待っておるのに、その眠たそうな目は何だ! そもそもアミから訓練したいと頼み込んできたんだろうが」

「すみません」

 私が頭を下げると

「申し訳ありませんじゃ! その方は礼儀作法を一からたたき直してもらった方が良いの!」

 と礼儀作法なんぞ魔物に食わせてしまえといつも言っているヨーゼフ先生に言われてしまった。


「そもそも、貴様の勝利にC組の優勝がかかっておるのじゃぞ」

 とヨーゼフ先生が聞き捨てならぬ事を言ってくれた。

「えっ、もうC組の優勝はないでしょう?」

 慌てて私が聞き返すと、

「何を言っておる。剣術の決勝でアミが優勝すればまだ判らんぞ」

「えっ、そうなんですか?」

 全学年の優勝者が戦う決勝での成績も学年対抗戦の成績になるのだとか。それは知らなかった。

 まあ、魔術で勝っているA組の選手が優勝すればまだ判らないけど……C組の奇襲作戦で、一年A組の強いメンバーは決勝に残っていないはずだ。

 勝ち進むのは難しいだろう。


 私は俄然やる気になった。


「判りました。頑張ります!」

「そうじゃ。その意気じゃ。儂の弟子が出た大会で負けることは許されんからの」

 何故かヨーゼフ先生もめちゃくちゃやる気になっていた。


「そんな付け焼き刃の剣、他の学年には通用しませんぞ」

って、騎士団長に馬鹿にされたのだとか。それで完全にやるきになったみたい。

まあ、クラスの優勝がかかっているのでやる気になっているのは良いことだ。

私は他人事だった。やるのは私なのに……


「アミ、剣術など打たれてもアミが身体強化して痛みを感じなければ良いだけだ」

でも、先生は剣術の先生が聞いたら目を飛び出すようなことを平気で言い出してくれた。

「えっ」

 何それって私が思った時には、

「隙あり!」

 ヨーゼフ先生の打ち込みが頭に飛んできたんだけど

 私は条件反射で障壁を張ってしまった。

 

 バリン!

 ヨーゼフ先生の渾身の剣が私の障壁で割れてしまった。


「アミ!、いきなり障壁を張るのは剣術ではルール違反じゃぞ」

「だって、いきなり殴りかかってきたら、普通は張りますよ!」

「愚か者! お前は剣術の選手だろうが、魔術の選手ではないじゃろうが!」

「それはそうですけど、痛いのはいやです」

私は首を振った。

「何を言う。実際に痛さを感じて実感しないことには身体強化もできなかろうて」

「だから、痛いのはいやですって」

私は打ち込んでくるヨーゼフ先生の剣を悉く剣と障壁で受けた。

「アミ!」

「痛いのはいや!」

私はヨーゼフ先生に言い返していた時だ。


「ああああ!」

 いきなりまたヨーゼフ先生が大声を出してきた。

 今度は何?いきなりは本当にびっくりするんだけど……


「アミ、貴様、剣聖からもらった宝剣『村雨』を折ってくれたな!」


「えっ、そうなんですか?」

私はぎょっとしてヨーゼフ先生の手に持っている剣を見ると村雨とデカデカと書かれていた。

「ええええ! それ本物なんですか? いかにも偽ものっぽいんですけど」

「愚か者。帝国の剣聖を助けた時にもらったのだぞ。剣聖が儂に偽物をくれるわけがなかろう」

「でも、私ごときに折られるんじゃ宝剣の意味が無いんじゃ無いですか?」

「何を言う。アミも儂の弟子なのじゃ。宝剣の一本や二本折る力はあるのはずじゃ」

「じゃあ仕方が無いじゃ無いですか」

「いや、まあ、そうなのじゃが……魔術師に宝剣なんか使いようが無いと置いたままだったんじゃよ。売れば莫大な金額になったのに、お前が障壁なぞ出すから」

「ええええ! 私のせいですか」

「そうに決まっておろう」

 その後怒り気味のヨーゼフ先生に私は散々な目に逢わされたんだけど……


 結局それから三日間は朝から夜までヨーゼフ先生の強化魔術の特訓だった。

 うーん、これが剣術かと思わないでもなかったけれど、徹底的に強化魔術の鍛錬させられた。

 取りあえずなりふり構わずなら戦えるようにはなったのよ。

 なりふり構わずなら…………


 できる限りまともな剣術でやろうと私は心に決めたのだ。


 前日もくたくたになって寮に帰ってきた。

 食事をしていたら皆微妙な表情で見てくるんだけど。

 何でだろう?


「アミがこの前皆の前で自分の父親が誰かしらないかってヨーゼフ先生に聞いたじゃない。それが憶測が憶測を呼んでいるのよ」

 エーレンが教えてくれた。

「えっ、そうなの?」

「アミが何も考えずに、公衆の面前で聞くから。それに皆は、アミのお母様がヨーク公爵出身だって知らないじゃない。平民女が貴族に手をつけられてアミを身ごもったと噂になっているのよ」

「でも、私の母がヨーク公爵家の出身だって言っているのはエーレンだけよ。本当にそれであっているの?」

「アミ、あなた私が信じられないの?」

むっとしてエーレンが私を見てきた。

「いや、まあ、そうは言っていないけど、フランツからもはっきりとそう聞いたわけではないし」

私は口を濁した。

「まあ、それは皆が知らないから良いんだけど……あなたの父親がヨーク公爵様だか、学園長だとか、果ては国王陛下っていうのまであってもう凄いんだから」


「ちょっと待ってよ。陛下だったらあの第一王子が異母兄弟になるんでしょ。あり得ないわ」

私は嫌悪感を感じた。


「でも、もともとあなたのお母様の婚約者は今の国王陛下だったんだからそれもありうるわよ」

「ええええ! でも、お母様は本当に貴族嫌いだったのよ。公爵令嬢だったなんていうのも信じられないわ」 

「だから、それは無実なのに嵌められて婚約破棄されたショックから逆ギレで嫌いになったのよ」

エーレンは自身を持って言ってくれたけれど、

「うーん、うちの母が嵌められっぱなしなんてあり得ないと思うけれど……国王陛下だろうが帝国の皇子殿下だろうがやられたら絶対にやり返すわよ」

 私は現実を教えてあげた。

 ゲームだからと言って絶対に嵌めた相手はただでは済まされないはずだ。

 あの母がただやられているだけなんてあり得ない。


 「まあ、そこはよく判らないけれど、誰かの落とし種って噂が流れるのはあなたにとっては良いこともあるわ。今までみたいに一方的に嫌がらせを受けることも無くなると思うの」

「うーん、でも、私、一方的にやられないわよ。やり返すし」

私は首を振った。

「それに私は平民であることを誇りに思っているから」

そう私はエーレンにはっきりと宣言したのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます

自分が平民であると信じているアミでした。

次は全学年のファイナルです。

アミは果たして優勝できるのか?

お楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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