学園長に怒られたので、王子達を巻き添えにしました
「「「えっ?」」」
王子の側近達は大きな口を開けて飛んで行った令息をみていた。
「あ、アミ、あなたなんて事とを……」
エーレンが呆然としているけれどもうこうなったら仕方がない。
他のクラスメートも唖然として私と校庭に転がっているベルンハルトとか言う男を見比べてくれた。
「貴様、平民の分際でベルンハルト・アウル侯爵令息を蹴飛ばすなど、何を考えているのだ?」
王子は私を睨み付けてくれた。
やっと人間扱してくれたらしい。
でも遅いんだよね。動物は本能で行動するのよ。
「まあ、私を馬扱して頂けましたから、馬らしく蹴飛ばしてあげただけですわ」
私は平然とお答えした。
「な、なんだと、貴様、そんな言い訳が通用するとでも思っているのか?」
王子が眉を上げたが、
「はああああ! 同じ事を殿下にお話しさせていただきますわ。わが王立学園には学園則第一条、『全ての生徒は学園にいる間は皆平等である』この学則に違反して私を馬扱していただきましたけれど、生徒会長自ら学園則を破り、学園の生徒を辱めましたけれど、責任はどう取られるおつもりですか?」
「そのような規則は建前で」
「建前も何も学園の規則です。生徒会長自らそれを破るなど前代未聞。生徒会長は初代国王陛下の定められた規則を破るなど、許される事ではありません」
私は言い切った。
「学園則など建前であろうが」
「そうだ。貴様、平民の分際で何をほざいている」
取り巻きの連中が叫んでくれたが、こいつら頭は確かなのか?
「ほおおおお、とするとあなた方はこの学則を作られた初代国王陛下に逆らわれると言うことですね」
私が面と向かって尋ねると
「えっ、いや、そういう訳では」
口を濁してくれた。それはそうだ。面と向かってそうだと頷けるはずはないのよ。
「そもそもこの第一条には罰則規定があるのをご存じですよね」
「罰則?」
「はい。細則にこの規則に逆らう者は反省を促し、反省せぬ場合は停学、それも聞かない場合は退学に処すとはっきり明文化されています」
「そのようなことが……」
殿下達は知らなかったみたいだ。
こいつら等本当に王族並びに貴族なのか?
勉強嫌いな私でもいざという時のために全文読んだのに、読んでいないとはこいつら本当に大丈夫なのか? こいつらに国を任せたら国が滅ぶのではないかと私が心配しだしたときだ。
「これは一体何事だ!」
そこに学園長が先生等を率いて駆けつけてきた。
「また、貴様か、アマーリア!」
学園長は私を見るなり、大声で叫んでくれた。
「まあ、学園長。何を言われるのです。今回は生徒会長とその取り巻きの皆様が学園則第一条に違反して人を動物扱して頂けましたから注意して差し上げただけですわ」
私は学園長に抗議した。
「殿下、アマーリアは存在自体が危険なのです。御身を大切に思われるのならば近づいてはいけません」
「まあ、学園長。学園長も学園則第一条に違反されるのですか?」
「何故そうなる?」
「第一条にいかなる生徒も差別してはいけないとあります」
「嘘をつくな。第一条には学園に在学する間は全ての生徒は平等であると書かれているだけではないか」
「でも、学園長は私を危険物扱されました。それは差別では無いですか」
「どこがじゃ、アマーリア! 貴様は入ってまだ一ヶ月しか経っていないのに、第一競技場と第二競技場を破壊したのじゃぞ。危険物扱して何が悪いのだ。事実ではないか。今も一人の生徒を蹴飛ばして食堂の窓ガラスをわってくれたし」
学園長の言葉にうんうんと皆頷いてくれるんだけど、ちょっと待て! お前ら、少なくてもクラスメートは私の味方してよ!
なんのために私がやりたくないのに反論したと思っているのよ!
後で怒ったら、「アミの場合、自分が目立ちたいだけしないの?」
「いや、いつもの通りしているだけよ」
「アミは王子殿下でも、全く動じないものね」
ビアンカ達は感心してくれたんだけど、誰も私の本来の性格がシャイでおとなしいと信じてくれなかった。
前世は病院でボッチだったんだから!
後でエーレンに愚痴ったら
「あなたは病院でも看護師さん相手に散々愚痴ていたんじゃないの?」
いや、そんなことないって……私の担当になったら看護師さん達が嫌そうな顔をしていたなんて気のせいだ、絶対に!
私はまた学園長から反省文10枚の処分を受けてしまったのだ。
「学園長。私が反省文10枚なら、学園則第一条に違反された第一王子殿下とその取り巻きの皆様も当然反省文10枚ですよね」
私の言葉に王子達はぎょっとしてくれたんだけど、私一人だけ反省文の刑はいやだ。こうなったら全員巻き込んでやる。
王子達はぎょっとした顔をした。
「おい、お前、なんと言うことを……」
「が、学園長、まさか」
王子達は慌てだした。
「左様でございますな。殿下は挨拶でもそのようなことを話されていましたし、ここは反省していただくしかないでしょう」
学園長が仕方なさそうに王子をみた。
「「「が、学園長!」」」
側近達も一斉に反発してくれたが、もう遅い!
私は皆を巻き込むのに成功した。
でも、離れていく王子とその取り巻きの私を睨み付ける視線が鋭いことと言ったら無かった。
うーん、これは少し失敗したかもしれないと後悔したが後の祭りだった。
ここまで読んで頂いて有難うございました
ただでは起きないアミ、でも、王子達に恨まれて、大丈夫なのか?
続きをお楽しみに!








