ただ一撃で生意気なことを言ってくれた子爵令息を吹っ飛ばしました
「やったな、ハンナ!」
ライナーがハンナにかけよる。
「はい、ライナー様。やりました」
喜んでハンナはライナーの手を取って喜んでいた。
あれ、なん過去の二人良い感じなんだけど……ハンナは虐められていたのではないのか?
うーん、男と女はわからない!
「あなたたち、これは卑怯なのではないの」
これまた、気絶したフランツにカサンドラが駆け寄っていたけれど、
「力ないものは何をしても良いのよ」
私は正々堂々と言い切ったのだ。
「そうだ。お前らこそ、地位を笠に着て我がクラスのエースのアミを魔術大会に出さないようにしたくせによく言うよ」
「「「そうだ、そうだ!」」」
「なんですって」
A組の面々とC組の面々が睨合っているんだけど……
うーん、よいんだろうか?
それからも、我がC組はせこい手で魔力の多いA組とB組に挑んだ。
そして、私は二回戦の為に剣術場に向かった。
二回戦の相手はなんと、バッヘム・ブルーメ子爵令息だった。
「えっ、何故、バッヘムが剣術に出て居るのよ?」
「ふんっ、貴様を倒すために決まっているだろう!」
私の質問にバッヘムは顎を突き出し胸を反らして言い張ってくれた。
「えっ?」
「何故男の競技の剣術に平民女の貴様が出てきたかは判らんが、俺様は歴史のあるブルーメ子爵家の嫡男だぞ。当然領主教育の一環で剣術も徹底的に身につけさせられている。ヨーク公爵家の怒りを買って魔術競技に出れずに剣術競技に回ったようだが、剣術は貴様のようなポット出がそう簡単に勝てるような競技ではないわ。俺様がこの前の恨み含めてここで成敗してくれる」
長々と理由を説明してくれた。
「良いぞ、バッヘム。シュンデルの分まで頼むぞ」
「俺が油断して負けた分まで頼むぞ」
「バッヘム様、素敵!」
「頑張って下さい!」
一年B組の面々がバッヘムを応援していた。
「アミ、頼むわよ」
「もう一度B組の口だけ男を倒すのよ」
ビアンカがそんなこと叫んでいたけれど……お貴族様の子弟相手に商家の娘がそこまで言って良いのか?
と思わないでもなかったが……まあ、他のクラスメートも子爵や男爵クラスにはもう全く躊躇せずに遠慮さえしていないんだけれど、いくら学園にいる間は平等と言われてもこれで良いんだろうか?
貴族の彼らは将来的に王宮の偉いさんや領主になり、平民の私のクラスメート達がその下につくことも多いと思うんだけど……なのにそんな風に行っていて良いんだろうか?
まあ、私は将来的に故郷で冒険者になるから問題ないけれど、彼らは流石にまずいだろう。
まあ、最悪やりにくければ、アンハームにくればなんとか出来るけれど。
我が母はアンハームではドンなのだ。アンハームは辺境伯領だけど、辺境伯夫人は我が母を崇拝しきっているし、辺境伯の役人達は我が母に対してはとても丁寧だ。
代官自体が下手したら手下と化しているので、私が母に頼めば職には就けると思う。
「おい、平民女!」
でも、魔術学園は一応王国のエリートなのだ。そのエリート達が地方の一都市に集まっても宝の持ち腐れのような気がするんだけど……
「そこの胸なし!」
「なんですって!」
このボケナス、何てことを言ってくれるんだ。
この私を胸なしと呼んでくれた。
絶対に許さない。
「アマーリアさん、よろしいか」
先生が声をかけてきた。私がどうやらぼうっとしていたからバッヘムは声をかけてくれたらしい。
でも、胸なしの言葉だけは許さない。
私はきっとしてバッヘムを見た。
「両者、良いか」
「「はい!」」
私は精神を集中する。
バッヘムがどれだけ剣術のエキスパートであろうが、私がヨーゼフ先生から教わった剣は上段からただ一撃で撃滅するだけなのだ。私の一撃に対して耐えられるのは相当な力が必要だ。
はっきり言って斬り合いになったら私は勝てないと思う。
なにしろ、斬り合いの練習なんてやっていないのだから。
「これで勝てなければ致し方ないと諦めろ。儂は剣術は範疇外じゃからの」
ヨーゼフ先生にそう言われていたし……まあ、魔術の巨匠が剣術の巨匠な訳はないのだ。
これで通用しなかったらそれまでだ。
「学園でアミの一撃を耐えられる者はおらんと思うが」
それがヨーゼフ先生の見立てだ。
まあ、おそらくそうだと思う。
斬り合いになったら負けだ。そうならないために一撃で決める。
私は集中した。
「始め!」
先生の合図と共にバッヘムは上段に構えてくれた。
私も上段に構える。
「ふんっ、構えだけは一人前だな」
偉そうにバッヘムは指摘していくれ他が、この一ヶ月ただひたすらこの上段からの一撃を訓練していたのだ。それは見た目は一人前になるだろう。
「では行くぞ」
バッヘムが斬りかかろうとしてくれた。
今だ!
私は魔力強化した手で全力で降り降ろした。
ただ一撃で!
「ギャッ!」
バッヘムはその瞬間吹っ飛ばされていた。
ドシーーーーン
剣術場の壁に激突していた。
二勝目だ。
人を胸なしなんて言うからだ!
私はただ一撃で二勝目を上げたのだ。
ここまで読んで頂いて有難うございます。
ただ一撃で二勝目を上げたアミ。
最後までいけるのか?
次はベスト8の戦いです。
お楽しみに!








