魔術戦で色々と小細工してA組の優勝候補に勝ちました
「やったなアミ!」
「凄いじゃない!」
「優勝候補のシュンデルに勝つなんて、流石アミ!」
私はクラスメート達に手荒く迎えられた。
剣術は各クラス10名。計30名、優勝するには後四回勝たないといけない。
まだまだだけど、取り合えず、一回は勝って、使命は果たしたと思う。
次は昼前だ。後は騎士志望に任せても良いだろう。
私は魔術メンバーを応援にいくことにした。
急遽修理された第一訓練場に私は駆けつけた。
天井は応急修理の跡も生々しかったが、私は見ないことにすることにした。
駆けつけると、丁度一回戦でゲルトがA組のカサンドラと戦おうとしていた。
「ゲルト、頑張って!」
私が声援を送ると、
「任せて!」
ゲルトが私に手を振り返してくれた。
「ふん、生意気な平民ですこと。私の魔術の前に沈めてあげますわ!」
自信満々にカサンドラが宣言した。
「そっくりそのまま返してやるぜ」
ゲルトも堂々と言い返していた。
「生意気な。こうなったら燃やしてあげますわ」
カサンドラは詠唱を始めた。
「火の神ヘパイストスよ。我が身に力を貸してくれたまえ……」
しかし、カサンドラは最後まで詠唱できなかった。
「ウオーター!」
ゲルトがその前に叫んで水の大きな塊を出していた。
「えっ?」
次の瞬間、カサンドラは大量の水を頭の上から被っていた。
「な、何ですの!」
そこには濡れ鼠になったカサンドラが呆然と立っていた。
「おい、嘘だろう!」
「あの平民、無詠唱で水魔術を出したぞ!」
「平民が無詠唱なんて、どうなっているんだ?」
見学していた貴族の上級生達がざわめいた。
「いいぞ、ゲルト!」
「頑張るのよ!」
私達が声援を飛ばした。
そう、ゲルトがあんな短時間で無詠唱で魔術を使えるようになったのか?
それは流石に無理だった。
でも、ヨーゼフ先生が、口の中で詠唱を早めに呟きだして最後だけ声に出せば良いと言い出したのだ。
「それって、ずるじゃないの?」
私がヨーゼフ先生に聞くと
「ふんっ、誤差の範疇じゃ」
とヨーゼフ先生は笑ってくれたんだけど……本当に良いんだろうか?
まあ、ここまで来ればもう関係ない。
「カサンドラ、頑張るんだ。平民風情に負けるなんて許されないぞ!」
横からフランツが叫んでいた。
「火の神ヘパイストスよ……」
「ウォーター!」
さっさと詠唱しだしたゲルトが最後だけ声を出した。
「ギャー、そんな、詠唱の途中で攻撃するなんて、卑怯ですわ」
カサンドラが悲鳴を上げて、文句を言う。
「火の神ヘパイス……」
「ウォーター!」
「ギャー」
もう、カサンドラはびしょ濡れだ。
「火の神」
「ウォーター!」
「ギャー」
「……」
カサンドラはもう立っているのがやっとだった。
「ウォーター!」
「ギャー!」
カサンドラはパタリとへたりこんだ。
「ウォーター!」
「ギャー!」
ゲルトは戦意喪失しているカサンドラ相手にも容赦なかった。
完全に地べたに倒れこんでしまった。
「カサンドラ!」
フランツが悲鳴をあげたが、カサンドラはびくともしなかった。
ゲルトは容赦がなかった。
更にやろうとして、
「それまで」
審判の先生に止められていた。
「勝者ゲルト君!」
「おおおお!」
「やったな、ゲルト!」
「伯爵令嬢に勝ったぞ!」
ゲルトは私達のクラスの面々に迎えられた。
「カサンドラ、大丈夫か?」
慌てたフランツがカサンドラに駆け寄った。
「フランツ様、申し訳ありません」
カサンドラは目を開けてそう一言辛うじて言うと、がくりと倒れこんでいた。
「おのれ、平民どもめ、もう許さんぞ」
フランツが怒り狂っているのが見えた。
「魔術戦一回戦、一年A組フランツ・ヨーク君」
そこで次にフランツが呼ばれた。
「キャー、フランツ様!」
「フランツ様! 素敵!」
「フランツ様! カサンドラ様の仇をお願いします」
フランツに声援が飛ぶ。
「任せろ。平民クラスに鉄槌を食らわせてやるわ」
「一年C組、ハンナ・トンプソン」
そのお相手は気の弱いハンナだった。
これは元々苦しい。
私はこうなればヤジで応援することにした。
それにハンナの魔術は特殊なのだ。
「まあ、見た目で圧倒的にハンナは不利よ」
「フランツ様は平民の魔力の殆ど無いハンナに本気でやるみたいよ」
「ええええ! 大人げないんじゃないの?」
「最低!」
エッダとビアンカとエーレンが連携してやじってくれた。
「おい、貴様等は、か弱いカサンドラも容赦無しにやったではないか!」
「カサンドラ様はお貴族様で魔力はあったわよね」
「こんな魔力の殆ど無いか弱いハンナに、まさか、公爵令息様は本気でやるの?」
「酷い!」
「信じられない!」
「最低!」
「鬼!」
私達は徹底的にフランツを非難してやった。
「まさか、公爵令息様はか弱いハンナに本気ではやらないわよね」
「当たり前よ」
「勝って当たり前なんだもの」
「手加減してくれるわ」
私達はもう言いたい放題だった。
「よし、始め」
審判の先生が開始を宣言した。
「土の神ガイアよ。我が身に力を貸して」
フランツが詠唱を始めたときだ。
「キャーーーー!」
いきなりハンナが悲鳴を上げた。
「ど、どうしたのだ?」
フランツが驚いて詠唱を止めてしまった。
ハンナは胸を押さえて前にかがんだ。
「だ、大丈夫か?」
フランツが駆け寄ったときだ。
「ファイアーボルト!」
ハンナが叫んだときだ。
ハンナから雷撃がフランツに襲いかかったのだ。
「ギャーーーー」
フランツは悲鳴を上げて、そのまま倒れ込んだ。
そして、ピクピクと震えると気絶したのだった。
「勝者、ハンナさん!」
「やったー!」
「やったな!」
「優勝候補に勝つなんてよくやったぞ、ハンナ!」
私達は大喜びしたのだった。
ここまで読んでいた焚いて有難うございます
勝つためにありとあらゆる事をするアミ達。
なんとか勝ち進めています。
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