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自称世界一の魔術師の先生に何故か剣術を学ぶことになりました

「私は剣術でも無敵なのよ!」

 私いは皆にそう宣言した。


「「「おおおお!」」」

「さすがアミは違う」

「やっぱり、最後に頼りになるのはアミだ」

「剣術は頂いたな」

 私の言葉にクラスの皆がそう応えてくれた。


「アミが本当に剣なんか使えるのか?」

 そんな中で唯一ライナーだけが懐疑的だった。


「ライナー、そんなこと言っていたらまたアミにのされるぞ」

「そうそう、口は災いの元だ」

「うー」

 アーベル等の指摘にライナーは歯を食いしばっていた。


「もうライナーは懲りないわね」

「本当に」

 女の子達からも馬鹿にされていた。私が来る前まではこのクラスの唯一のお貴族様の子弟で威張っていたライナーは、私にコテンパンにされてからはクラスメート達からも馬鹿にされる存在になっていた。


「別に良いわよ、ライナー。なんだったらここで叩きのめしてあげましょうか?」

 私が一歩前に出ると、

「いやいい」

 慌ててライナーは私から飛びすさった。

「そう、残念ね」

 私は肩をすぼめた。


 余裕の格好をしていたが、私は冷汗だらだらだったのだ。

 だって私は魔術が普通に使えたから剣なんて使ったことが無かった。

 あの場ではああでも言わないと皆のやる気が出ないと思ったからああ言ったけれど、剣なんて野蛮人の持つ物だと馬鹿にしていたのだ。



 その日のホームルームの次は魔術の授業だった。

 私は早速私の個人担当になったヨーゼフ先生のところに相談に行った。


 魔術の授業は私だけ学園の魔術の塔の前で行われることになっていた。


 学園の端にその高い塔はそびえ立っていた。

 何でも、昔は魔術の研究も盛んで多くの魔術師がこの塔で研鑽に励んでいたそうだ。

 今はヨーゼフ先生一人しかいないけれど、ここで日夜研究しているそうだ。尤も何を研究しているかわかったものではなかったけれど……


 魔術の塔の前で待っていろと言われたけれど、授業開始のベルが鳴ってもヨーゼフ先生は現れなかった。


「うーん、遅刻?」

 思い出したら昔からヨーゼフ先生は時間に少しルーズなところがあった。

 仕方がない。

 私が先生を呼びに行こうと魔術の塔に近づこうとしたときだ。


 グオオオオオ!

 いきなり、地面が盛り上がってゴーレムが現れた。

 そして、なんと私に対して攻撃してきた。

 私はとっさに障壁を張った。


 バリン!


 しかし障壁はゴーレムのパワーの前に一撃で割れてしまった。

「やばい」

 慌てて私は飛び退った。


 そこにゴーレムのパンチが飛ぶ。

 伏せた私の髪をゴーレムのパンチがかすり髪の毛が数本持って行かれる。

「な、良くもやってくれたわね、喰らえ!」

 私は火炎放射をゴーレムの顔に噴射した。


 ギャーーーー

 ゴーレムの悲鳴が聞こえたような気がした。


 確かゴーレムは魔石を顔に埋め込んでいるはずだ。


 ドシーン

 と言う大音響と共にゴーレムが倒れた。

 その後に魔石が残った。


「やった、魔石ゲット!」

 私が魔石を手に取ると


「煩いの。朝から何じゃ!」

 不機嫌そうなヨーゼフ先生が現れた。


「朝から何じゃって、授業を受けに来たんですけど」

 私がむっとしてそう伝えると、


「ん、授業? おお、そうじゃった。アミの授業じゃったの」

 慌ててヨーゼフ先生が取り繕ってくれたけれど、これは完全に忘れていた顔だ。


 私が白い目で見ていると、

「そうそう、アミが来ればゴーレムと戦えるようにしておいたのじゃ。少し時間がかかったようで、アミも、まだまだじゃの。こんなのは一撃で倒さんといかんぞ」

 なんか偉そうに言ってくれているけれど、絶対に忘れていたに違いない。

 私の白い視線に気付いたのか、ヨーゼフ先生は慌てて咳払いした。


「今日は何を学びたい?」

「先生、私、剣術を学びたいんです」

「はああああ? アミよ。私は世界一の魔術師じゃぞ。その大先生に対して野蛮な剣術を学びたいなどとどの口で言うのじゃ!」

 ヨーゼフ先生が怒り出したんだけど……私としてはここで引き下がる訳にはいかなかった。


「だって魔術大会で私は魔術対戦に出てはいけないって学園長に禁止されてしまったんです」

「それで剣術に出たいと」

 ヨーゼフ先生は頭を押えてくれた。


「だからお願いします」

 私は頭を下げた。


「いや、しかし、元々その方が魔術大会なんぞに出たら圧勝するのは火を見るよりも明らかじゃ。有意な若者の心を折ることにもなりかねん。だから学園長が禁止した理由もよく判るぞ」

「それは先生方の勝手な理論でしょ。私はクラスの皆と一緒に戦いたいんです」

 私は前世では体育大会にも出れなかったのだ。だから健康な今世はそういった大会にクラスの一員として出たかった。


「いやしかし、儂は世界一の魔術師で剣術の師ではないぞ」

 ヨーゼフ先生の厳しい口調が少し弱まった。

「世界一の魔術師なら私を世界一の剣士に出来ますよね」

 ここぞとばかりに私が尋ねると、

「あのな……」

「先生、お願いします。私今回は勝ちたいんです」

「しかし……」

「皆に学園長とヨーゼフ先生がいかがわしいところに入り浸っているっていおうかな」

 私は最後の一押しをした。

「お、お前な」

「教えて頂けますよね。大先生」

 私がニコッと笑うと、


「本当に貴様等親子はやることなすことそっくりじゃの」

 忌々しそうにヨーゼフ先生は呟いてくれた。


「やっぱりお母様はこの学園にいたんですか」

「アミと一緒でしょっちゅう問題を起こしてくれて、当時彼奴が在籍していた魔術部の顧問の儂と担任の学園長の二人で、よく前の学園長に呼び出されておったわ」

 懐かしそうにヨーゼフ先生が教えてくれた。


「えっ、そうなんですね。私何も知らなくて、もっと教えて下さい」

「アミ、貴様は剣術が強くなりたいのではないのか。魔術大会まで時間が無いぞ」

「そうでした」

 私は母のことを聞くのは諦めてヨーゼフ先生に剣術を習ったのだ。

 それは魔術に慣れた私には結構大変な訓練だったけど……


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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