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完全に切れてしまったお母様の前に魔人は燃やし尽くされました

「ギャーーーー!」

 私は泣き叫んでいた。

 めちゃくちゃ熱かった。

 本当に死ぬと思った。

 私は一応、必死に私の周りに障壁を張ったのよ。

 でも、温度まで調整できずに……

 熱さであと少しで死ぬところだった。


 でも、その熱がいきなり消えた。


「ギャーーーー」

 魔人が凄まじい悲鳴を上げた。

 そちらを見ると魔人が左目をお父様に刺されていた。


「貴様、良くも俺のアミに酷い事をしてくれたな! もう絶対に許さん!」

 レオさんが怒り狂って魔人に剣で斬りかかっていた。



 私はもう黒焦げだ。


 終わったかも……


 そして、地面に落ちていくんだけど……出来たら魔人と戦うよりも私を受け止めてほしかった。


 もう落ちて終わりか……


 しかし、私はストンと地面に落ちる前に抱き留められた。


「えっ、お母様?」

 そう、お母様に抱き留められていたんだけど……

 お母様に抱かれるなんていつ以来だろうか?


「アミ、しっかりしなさい!」

 お母様は私を叱咤激励してくれた。


 お母様の胸の中だ。

 柔らかい。

 私とは違うとは流石にこの時は思わなかったと思う……


 お母様はそのまま私を抱いて転移してくれた。

 アナおばちゃんのところに!


「アーデル! しっかりしてアーデル!」

 でも、アナおばちゃんは必死に陛下を抱きし締めて泣き叫んでいた。


「本当にアナはアーデルのこととなったら手がつけられないわ」

 お母様はアナおばちゃんを見ると、大きくため息をついて、首を振った。


「アミ!」

 黒焦げの私を見て驚いてリックが駆け寄ってきた。


「リック」

 お母様がそんなリックを上から下まで見て、舌打ちした。 

「リック、仕方がないから貴方にアミを預けるわ。死んでも守りなさい」

 お母様はリックに私を渡すと命じていたんだけど……


「任せてください。アミのことは一生涯守ります」

 リックの言葉がとても大げさなんだけど……


「ふんっ、何が一生涯よ! そんな大言壮語はそれだけの力をつけてから言ってちょうだい」

 お母様はリックを一瞥した。

 その言葉にリックが悔しそうな顔をしたが、

「努力します」

 きっとしてお母様に言うんだけど、

「努力じゃ駄目よ。現実にそうならないと」

 お母様はリックの言葉を容赦なく斬り捨ててくれたんだけど……


「やります。絶対にそうなりますから」

 負けずとリックは言い切ってくれた。

「期待せずに待っているわ」

 お母様はリックを見て首を振るとそう言って立ち去ろうとした。


「お母様。私も戦うわ」

 私がお母様の背中に叫んだ。

「何言っているのよ! 半分死にかけている貴方は静かにしていなさい。リック、アミを見ているのよ。絶対に動かさないで」

 お母様の言葉にリックが力強く頷いてくれた。


「アミに酷い事をした魔人は私が倒すわ」

 そう言うと、少し笑ってくれた……

 でも、目が笑っていない。

 これはやばい奴だ。

 お母様が本気になった証拠だ。



 その魔人相手にレオさんが戦っていた。


 レオさんは剣を振って、魔人に次々に斬り込んでいた。


 魔人は両目を潰したはずだ。

 それでも、レオさんと互角に戦っているんだけど……


「そこの化け物! 良くもアミに対して酷い事をしてくれたな」

 そう言うお母様の右手が光った。

「貴様だけは絶対に許さん!」

「ギャオーーーー」

 魔人が叫んでお母様目がけて火炎を発射した。


 でも、お母様が手を振ると、火炎が一瞬で消えてしまった。


「ギャオーーーー」

 怒った魔人がもう一度やっても、お母様が手を振ると火炎が消える。


「ギャオーーーー」

 もう一度やるが同じく消えた。


「何度やっても無駄だ。レオ、退け! 私がやる!」

 お母様の叫びに攻撃していたレオさんが慌てて退いた。


「行くぞ!」

「ギャオーーーー」

 お母様が走りだす。

 魔人が手を構える。

 そして、お母様がいるところに魔人の手力が一閃した。

 しかし、その直前にお母様は飛び上がった。

 魔人の手が空を切ると同時に、

「喰らえ、化け物!」

 お母様の手力が魔人の右肩に一閃した。


「ギャーーーー!」

 魔人の悲鳴と同時に、右手が斬られて地面に落ちていた。

 黒い血のようなものが吹き出す。


「稲! 貴様、何ヲシタ?」

 魔人がなくなった腕の跡を押えながら叫んでいた。

「ふんっ、その痛みは阿奈の痛みよ」

 お母様が魔人相手にそう言うとニタリと笑ってくれた。

 恐ろしい氷の笑みを……私は思わず背筋がぞっとした。


「小僧! 何故、俺のアミを抱き上げている?」

 お母様から退けと言われたレオさんは私の所に飛んで来て、私を抱き上げているリックに文句を言い出した。


「クリスティーネ様からアミを抱いているように言われたんです」

 自慢げにリックが説明してくれたが、お母様は抱いていろとは言わなかったのでは?

 まあそう思ったが、楽なので黙っていた。


「何だと! 良いからアミを俺に寄越せ」

「嫌です。そうしたいのならばクリスティーネ様に言えば良いでしょう」

「何だと小僧」

レオさんがリックを睨むがリックは負けずに見返していた。


「レオさん、ここは良いからお母様を手伝って!」

 思わず私はそう頼んだのだが、

「アミ、お前の言うことは聞きたいんだが、クリスが退けと言ったんだ。言った限り問題はない。それに俺が手伝うと後が煩いからな」

 レオさんはそう言ってくれるんだけど、今まで苦戦していたのに大丈夫なんだろか?


「ほら、見てみろよ」

 レオさんの言葉にお母様を見た。


 今度は簡単に魔人の左手を斬り取っていた。

「ギャオーーーー!」

 魔人が悲鳴を上げる。

「ふんっ、それはやりたくないけどアーデルの痛みよ」

 お母様は余裕で笑っていた。

 でも、私は判る。この笑みは……怒り狂っている時の笑みだ。

 私はこんなお母様の前に痛くない。

 前、お父様を殺した古代竜をコテンパンにやっつける時のお母様がこんな感じだった。

 こんなお母様を絶対に相手にはしたくなかった。


 魔人は火炎を発射した。

 しかし、それはお母様が手を振ると一瞬で無効化される。


「本当に馬鹿ね、薄樹は! もうお前の火炎は使えないのよ。それが判らないなんて」

そう言うとお母様は高笑いしてくれたのだ。


「阿奈にとどまらずに私のアミにまで手を出してくれるなんて、お前を絶対に許さないわ。次はアミの分よ」

 そう話すとお母様は魔人を睨み付けた。


「地獄にお帰り!」

 お母様は煉獄の爆裂魔術を魔人に向けて放った。


「ギャオーーーー」

 魔人は煉獄の炎に包まれて叫んだ。

 が、お母様の煉獄魔術は強大だ。

 なすすべもなく、泣き叫びながら魔人は燃やし尽くされたのだった……


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


あと少しで完結です。

最後までお楽しみ下さい

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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