魔人の火炎放射が私を直撃しました。
「ギャオーーーー!」
アナおばちゃんがいなくなって、怒り狂っている魔人の前にお母様が転移した。
「稲、阿奈ヲドコニヤッタ?」
魔人は手を伸ばしてお母様を掴もうとした。
お母様がその手をひょいと避ける。
「喰らえ!」
魔人の後ろに転移したお父様がその魔人の後頭部に蹴りつけていた。
「ギャー!」
さすがの魔人も前屈みになっていたので、耐えきれずにたまらず前に倒れる。
お母様が倒れる魔人からさっと逃れる。
ドシーン!
魔人が地面に顔から激突した振動が建物中に響き渡る。
「これで、どうだ!」
お母様がそこに雷撃を浴びせるが、魔人はビクともしなかった。
「糞、こいつは化け物か?」
お母様が叫んでいるけど、魔人なんだから化け物だと思うんだけど……
「ウィンドウカッター!」
レオさんが、特大のウィンドウカッターを後ろから魔人に浴びせた。
バリンッ!
しかし、魔人の体に当たるとウィンドウカッターは四散してしまった。
お母様やレオさんの普通の魔術では、魔人には通用しないみたいだ。
でも、お母様もレオさんも人間界では一二を争う、魔術師だと思う。
レオさんの放つオーラはお母様と変わらないものがあった。
それでも厳しいみたいだった。
私のファイアーボールが全く通用しないはずだった。
倒れた魔人が起き上がって、お父様に襲いかかる。
その後ろからお母様が蹴飛ばした。
「ギャッ!」
ドシーン!
魔人は地面に頭から突っ込んだ。
物理攻撃はまだ魔人に効くみたいだった。
「あーーーー! アーデルが、アーデルがいないわ」
アナおばちゃんがいきなり叫び出した。
「えっ、アーデルって国王様?」
まだ、生きていたのか?
私はそんな認識だったが、
「母上、父上はあそこでご無事です」
リックが、遠くに倒れている国王を指差した。
でも、無事かどうかは判らないと私は思ったのだが、リックもそれは判っているはずだ。少しでもアナおばちゃんが騒ぐのを抑えたかったんだろう。ここで魔人に見つかって襲いかかられても、私一人では二人を守れない。
「直ぐに行かないと」
でも、アナおばちゃんがとんでもないことを言い出したんだけど……
「母上、危険です!」
「でも、あのままではアーデルが魔人に踏み潰されてしまうわ!」
半狂乱になって、アナおばちゃんが叫び出した。
このままでは、魔人に見つかってしまう。
ここにアナおばちゃんを連れてくる時に、何故、お母様は国王を一緒に連れて来なかったんだろう?
まあ、国王なんてどうなっても良いと思っていたんだと思うけど……
私たちが面倒なことになったじゃない!
「母上、ここにいて下さい。父上は私が連れてきます」
「私が行くわ」
リックが言いだしてくれたけれど、身体強化して国王をここまで連れてくるなら私だろう。
「でも、アミを行かせるわけには」
リックが渋ってくれたが、
「私の方が行って帰って来るのは圧倒的に早いわ。リックはここでアナおばちゃんを守っていて」
私はそう言うと駆け出した。
一気に加速する。
魔人とお母様とレオさんが戦っている横を一気に駆け抜けて、陛下のところにたどり着く。
息を確認してたら、陛下はまだ息をしていた。
「失礼しますね」
私は陛下を背負った。
「クリスティーネ」
薄目を開けて陛下が目を見開いて呼んできた。
陛下は私をお母様に間違えたみたいだが、今はそんな事を言っている時ではない。
「王妃様のところに連れて行きますから」
私が説明すると、
「頼む」
陛下が頷いてくれた。
そのまま陛下を背負う。
そして、加速しようとした時だ。
私は魔人が私を見ているのに気付いた。
「アミ、何故そこにいるのよ! すぐに逃げなさい!」
お母様の叫び声がした。何故ってあんたが陛下をおいてくるからでしょと私は余程叫びたかった。
逃げろって言われても、正面に待ち構えた魔人がいるのよ。
私はまだ加速できていない。
魔人から逃れられるだろうか?
私の野生の勘がノーと叫んでいた。
お母様もレオさんも私とは反対側にいるから当てには出来ない。
こうなったら、もうやるしかない!
私は落ちている剣を拾うと、ファイアーボールを魔人に向けて放った。
「ギャオーーーー」
魔人は叫ぶと火炎を発射してくれた。
私はファイアーボールを追いかけて加速する。
火炎放射が私の放ったファイアーボールに激突する。
爆発が起こった。
私はそのまま障壁を私の周りに張って爆発の中に飛び込んだのだ。
温度は高かったと思うが、なんとか持ちこたえた。
そのまま一気に爆発の中を突っ切って飛び出る。
目の前に魔人の顔があった。
まさか爆発の中から私が飛び出てくるとは思っていなかったんだろう。
私は無防備な魔人の顔の前に出ていた。
「喰らえ!」
そのまま、体を強化して、魔神の顔を剣で貫いていた。
剣は魔人の右目に突き刺さる。
そのまま、魔人の顔を飛び越した。
「ギャオーーーー」
魔人の悲鳴が辺り一面に響き渡った。
手応えはあった。
やれたか?
私が振り返った時だ。
右目に剣を突き刺したまま、魔人は私に向かって振り向いてくれたのだ。
「えっ?」
魔人が口を開けるのが見えた。
私は飛んでいて、避けられない。
「リック!」
国王をリックに向けて投げつけた。
後はリックがなんとかしてくれるだろう。
その瞬間だ。
魔人が口を開けて、火炎を噴き出しくれた。
その炎が私を直撃したのだった。
魔人の火炎放射の一撃を避けられない空中で受けてしまったアミ。
アミの運命や如何に
続きをお楽しみに!








