魔人となった公王の攻撃から帝国の皇帝が守ってくれました
「ギャオーーーー!」
真っ黒な魔人が雄叫びを上げてくれた。
あの公王がこんなに大きくなるなんて思ってもいなかった。
高さ10メートルは本当に巨体だ。
人間を魔人にする薬なんてあるんだ。
私は知らなかった。
「阿奈!」
魔人が叫んでアナおばちゃんに手を伸ばした。
「きゃっ」
アナおばちゃんが悲鳴を上げる。
「やらせるか!」
お母様がアナおばちゃんの前で障壁を張るが、
バリン!
お母様の障壁が破られた。
そんな馬鹿な。最強の魔術師のお母様の障壁が破られるなんて!
私は驚愕した。
「きゃっ!」
そのまま、なんとお母様が魔神の手で吹っ飛ばされていた。
信じられなかった。
「阿奈!」
阿奈おばちゃんに向けて手を伸ばそうとした。
その魔人に向けて
「喰らえ!」
私はファイアーボールを発射した。
「ギャオー」
魔人は私のファイアーボールをはじきとばしてくれた。
ドカーーーーン
遠くで爆発が起こる。
「邪魔スルナ!」
低い声が聞こえた。
魔人になっても話せるらしい。
感心していたら口から火を噴き出してくれた。
凄まじい火炎放射だ。
完全に私は油断していた。
障壁を張るが、中途半端だ。
それにお母様の障壁でも防げなかったのだ。
防げるわけがない……
パリン!
やはり、一瞬で破られてしまった。
レベルが違う。
私はやられたと思った。
「アミ!」
その瞬間だ。私の前にレオさんが立ち塞がってくれたのよ。
そして、その前に障壁を張ってくれる。
バンッ!
一瞬火炎が止まった。
しかし、レオさんの障壁でも、ずっとは防げないみたいだった。
バリン!
割れてそのまま火炎が私達に迫り来る。
でもその火炎を私の前のレオさんが大半を受けてくれる。
私に達したのは一部だ。
身体強化して耐えるが、火炎の勢いは止まらない。
ダン!
私達は吹っ飛ばされてしまった。
火炎の大半をレオさんが受けてくれたのと身体強化してたので暑さはあまり感じなかったが、髪の毛がチリチリになっていた。
そのまま飛ばされて地面に激突しそうになる。
「アミ!」
空中でレオさんが抱きしめてくれた。
なんか暖かい!
私は今は亡きお父様を思い出していた。
そのまま地面に叩きつけられた。
けれど、レオさんが私の下になってくれたんだけど……
こんな風に守られるのは久々だった。
そう言えばお父様に小さい時にお母様から攻撃されてこうして庇ってもらったことがあった。
あれは三歳くらいの時だったと思う。
「アミ、障壁の練習よ」
と言われてお母様に徹底的に攻撃されたのだ。
三歳にもならない私がそう簡単に防げる訳はないじゃない!
ボコボコにされたのをお父様が庇ってくれたのだ。
「まだアミには早いだろう!」
いつもは仲の良い二人があの時は喧嘩してくれた。
そう、いつもはお父様がこんな時には折れるのに折れなくて、本当にどうなることかと私ははらはらしたのだ。
お母様が怒りのあまり爆発して家が吹き飛んだらどうなるんだろうと言う心配が大半だったが……
それからだ。ヨーゼフ先生が私の先生になってくれたのは。お母様が教えると厳しくなりすぎるからと言う理由だった。
なんか、そのお父様を思い出していた。
でも、地面に叩きつけられてしばらくしても、レオさんが起き上がらない。
どうしたんだろうとみると、とても生暖かい目で私を見下ろしているんだけど……
見目麗しいレオさんに見つめられてなんか私はドキマギした。
「アミ、やっとこの胸にお前を抱けた」
とか言って感動しているし……なんか少し変だ。
「いつまで倒れている!」
そこに氷のように冷たいお母様の声が響いた。
これはやばい!
私の背中に冷汗が流れた時だ。
バキッ!
「痛い!」
レオさんの頭をお母様が蹴飛ばしてくれた。
私じゃなくて良かった。
私がほっとした時だ。
「私のアミを抱いているんじゃない!」
お母様がそう言って私をレオさんから引き剥がしてくれた。
「おい、クリス! せっかくむす……グワ」
何か言いかけたレオさんのお腹をお母様は踏みつけていた。
「この戦闘中にふざけたことを言っているんじゃ無いわよ。レオ」
そこには激怒したお母様がいた。
これは逆らわない方が良い奴だ。
「アミ、あなたはこの二人を守りなさい」
私はお母様が連れてきたアナおばちゃんとリックを押しつけられた。
「アミ! 大丈夫か?」
リックが私に抱きつかんばかりに近くに来て私の肩に手を置いてくれたんだけど……
「きれいな髪がぼろぼろじゃないか」
私のチリチリになった髪を愛おしそうに撫でてくれるんだけど……
「おい、小僧、俺のアミに近づくな!」
レオさんがそんなリックを引き剥がしてくれた。
「あなたのアミじゃないはずだ!」
リックが噛みつくが
「小僧は黙っていろ」
余裕の表情でレオさんがリックを見るんだけど、リックは怒りに震えていた。
「ギャオーーーーー、オレノ阿奈はどこだ?」
その時だ。遠くで叫んでいる魔人公王の声が辺り一面に響いた。
どうやら、お母様が転移でこの二人をここに連れてきてくれたみたいだ。
「レオ、アミのことは良いから、行くわよ」
「そうだな。小僧、アミのことは命に代えて守れ」
「言われなくても守る」
リックは言いだしてくれたけれど……守るのは私なのに!
と思わないでもなかった。
「アミ、後は頼んだわよ」
「了解」
私の返事を聞くとお母様とレオさんは怒り狂っている魔人のところへ転移していったのだ。
ここまで読んで頂いてありがとうございます
あと少しで完結のはずです。
よろしくお願いします








