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王妃様を助けに向かったら魔導公国の魔術師が放った魔術が私に突き刺さりました

 うーん、リックを背負うのは何か違う。

 確かにリックに私の背中はリック専用とか言われたけれど、私はリックの馬じゃない。


 まあ、例えエリックを背負っても、強化魔術で強化して走れば全く問題なく走れるから良いと言えば良いんだけど……うーん、しかし、私も一応女の子だし、こういう時は私が背負われるんじゃないの?

 もっともリックが私を背負って駆けてくれても、かかる時間は私がリックを背負ってかけるのに比べれば大分余計にかかると思う。


 でも、私は何か納得出来なかった。


「行くわよ!」

 だからだと思う。


 私は一気に加速したのよ。

 いつもの三倍くらい速く。

 あっと言う間に加速した。


「ちょ、ちょっとアミ!」

 慌てるリックを無視して急加速したの。

「ギャッ」

 振り落とされないためかぎゅっと思いっきり私に抱きついてくるんだけど……

 騎士団長達が駆けている馬を瞬時に追い抜き、一気に王宮への道を加速した。


 往来を行き来する人々の間を走り抜ける。


 この加速で人にぶつからないようにするのは大変だ。

 私が通り過ぎた後には風が吹いて、風の妖精が通り過ぎたように皆感じてくれたはずだ。


「得体の知れない化け物が通り過ぎたと感じたんじゃないの? 音速超えていたらあなたの巻き起こす風で大変なことになっていたはずよ」

 と後でエーレンに指摘されたけれど、決してそんなことはないはずだ……たぶん……



 王宮の前に着くと、大きな城門が破壊されて煙が出ていた。


 そこかしこにやられた騎士達が転がっていた。


「私の国でこんな酷い事をしてくれるなんて許さない! リック、やるわよ」

「……」

 憤った私の言葉にリックが返事してくれないんだけど……

 リックは私の背中で抱きついたまま気絶していた。


 何てことだ。私が速すぎたみたいだ。

 まあ、昔からこういうことはよくあったけれど……鍛えていたと思ったのに、リックはまだまだだ!

 こんなんじゃ、連れてきただけ、無駄だったんじゃないの?


 ヨーゼフ先生のところでお守りしてもらっていた方が良かった!

 これじゃ、単なる背中の足手まといじゃない!


 こうなったら仕方がない。

「喰らえ!」

 私は城門の前で警戒している魔導国の兵士らしき者達にファイアーボールを投げつけた。


 ドカーン! 

 一撃必殺!

 敵兵士達は吹っ飛んでいた。


 これで遅れてやってくる騎士団長達は易々と中に入れるはずだ。


 私はそのまま、王宮の中に突入した。


 そこかしこに倒れた騎士達がいる。


 駄目だ。皆意識がない。


 死んでいる人間も多いみたいだ。


 ノルトハイムで好きかってしてくれた魔導公国の奴らは許さない。

 私は心に決めた。


「奴らはどこに行ったの?」

 一人の息をしている男に駆けよって聞くと、

「お前はクリスティーネ!」

 男は表情に恐怖の色を浮かべて、私を見てくれるんだけど……


 お母様はもう40近いおばんよ! 

 そんな母と私を一緒くたにするな!

 私はそう叫びたかったんだけど……


「ちょっと、リック起きなさいよ!」

 仕方がないからリックをおこそうとして、下ろして、その頬を二三回叩いていた!


「やはり、傲慢女だ!」

 その様子を見て男はさらに恐怖の色を強くしてくれたんだけど……

「うー」

 リックが中々目を覚まさないから、私が更に何回かリックの頬を引っ叩いたから更に男が引いてくれたんだけど……

「うーん。アミ?」

 やっと目を覚ました時には男は完全に私を誤解していたと思う。


 王子を王子とも思わない母並みの傲慢女だと。

 本当にもう面倒くさい。

 あんたがすぐに言わないからでしょ!

 余程、あんたもこうなりたくなかったらすぐに吐きなさいと叫びたかった。


「リック、王宮が攻撃されて大変なことになっているわ! この男に魔導公国の奴らがどこに行ったか聞いて」 

「何だって! おい、奴らはどこに行った?」

 やっと、リックが完全に目を覚ましてくれた。

 周りを見て瞠目していた。


 男は私とリックを交互に見ていたが、

「奴らは王妃様の所に向かいました」

「父じゃなくてか?」

「陛下はついでだそうです」

「何故母上なんだろう?」

 リックはそれを不審がっていたが、今はそれどころではない。

 助けに行かないと!


 アナおばちゃんのところだったら一度行ったことがあるから、楽勝だ。


「リック行くわよ」 

 私は駆け出した。

「アミ、そっちじゃないぞ!」

 すぐにリックに指摘されたんだけど、


「えっ、そうなの?」

「こっちが近道だ」

 リックがそう言って階段を駆け登ってくれた。

 私はそれについて行った。


「殿下!」

 階上に上がると逃げてきたらしい侍従がいた。

「奴らはどうした?」

 リックが侍従の胸ぐらを掴んで聞いていた。


「魔術師達が100人くらいいます。我が方の魔術師の多くはやられました」

「母達は」

「奴らに囲まれました」

「くそ!」

 リックが駆け出そうとしたときだ。


 前方の扉が開いた。


 そして、そこから魔術師らしい黒づくめの男が現れた。


 こいつは強い!

 見た瞬間私の野生の勘が警報を鳴らしていた。


「ほお、雑魚か?」

 男はそう言うと魔術を無造作に放ってきた。


 ウインドカッターを!


「危ない」

 私はリックを横に突き飛ばした。


 何故その前に障壁を張らなかったんだろう?


「ギャッ」

 そう思ったときにはウィンドカッターが私の体に突き刺さっていたのだ……


ここまで読んで頂いて有り難うございます。

果たしてアミの運命や如何に

続きをお楽しみください。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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