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魔術の塔は既に制圧された後でしたが、王宮が襲われました

 私たちは私を先頭に学園に突入した。


 しかし、入り口を制圧したあとは、侯爵家の騎士達はどこにもいなかった。


 ということは、魔術の塔は制圧されたんだろうか?


 でも、魔術の塔の主はヨーゼフ先生で、自称世界最強の魔術師だ。そう簡単にハウゼン侯爵達に攻め込まれるとは思えなかった。


 でも、ひょっとして、と言うこともある。

 ヨーゼフ先生もそろそろ年だし、いきなり脳梗塞とか心筋梗塞で倒れるという事もあるかもしれない。


 ここまで誰もいないということはハウゼン侯爵達が魔術の塔の制圧を完了したのかもしれない。

 エーレンは大丈夫だろうか?

 私はとても心配になってきた。

 何しろ魔術の塔に残っていたヒューゲルがハウゼン侯爵に捕まっていたから、残っているのはエーレンとヨーゼフ先生の二人だけだった。

 ヨーゼフ先生は気分屋のところもあって、そこも心配だった。

 両面から攻め込まれたら、二人だけで防げたんだろうか?


 もっとも相手はエーレン。そこはうまくヨーゼフ先生を使って防いでいると思ったけれど……


 私達は急いで魔術の塔に向かった。

 でも、魔術の塔が近付いても、そこにも遠目には誰もいなかった。


 変だ。騎士達はどこに行ったんだろう?


 何故なにもいない。


 うんっ? 私は真ん中の土色の巨大な塊を見つけた。


「あれ、あんな真ん中に山なんてあったっけ?」

 確かこんなところに山はなかったはずだ。


「あれは山ではないよ」

 リックが注意してきた。


 ピキピキピキピキと、何か音がしている。


 そして、その山がゆっくりと起き上がってくれた。


「何なの、あれは?」

「ゴーレムだ。それも、相当強そうだ」

 私の問いにリックが答えてくれた。


 確かにそれは石の塊がくっついた巨大ゴーレムだった。


 それとよく周りを見ると、その回りには、多くの騎士達が倒れていた。


 どうやらゴーレムにやられたみたいだ。


 騎士をやっつけたみたいだったから、ヨーゼフ先生のゴーレムだろうか?


 私がほっとしたときだ。

 その騎士達の中央にいたゴーレムがピキッってこちらを見てくれた。


「えっ? こいつ敵なの?」

 私は戸惑ったが、ゴーレムはゆっくりとこちらに近付いてきた。

 ひょっとして魔導公国のゴーレムなんだろうか?

 そいつはいきなり、私達に向かって殴りかかってきたんだけど……


「よっと」

 私達は避けた。


 ドシーーーーン!


 ゴーレムの全力のパンチを受けて地面がへこむ。


 その上、ゴーレムは動きがとてもスムーズだった。


 次のパンチはさすがの私も避けられなかった。


 身体強化して、手で受け止めた。


 ドシーーーン


 巨大な音が辺りに響く。


 私はジーーーーンと腕にショックを受けていた。


「アミ!」

 慌てたリックがゴーレムに剣で斬りかかった。


 カキン!

 と音がしたが、ゴーレムはびくともしなかった。


 ゴーレムは今度は腕を振り払った。


「ギャッ」

 リックが弾き飛ばされた。


「リック!」

 私はぷっつん切れた。


 こうなれば燃やしてやる。


 火炎放射をゴーレムに浴びせようとしたときだ。


「ストーーップ」

 大きなヨーゼフ先生の声がしたんだけど……

 その大声とともにゴーレムが止まってくれた。


「何がストップよ。遅いわよ」

 私はゴーレムを完全に燃やす気満々だった。


「すまん、アミ、ちょっと目を離しておったのじゃ」

 ヨーゼフ先生が飛んで来て私の目の前で謝ってきたんだけど……

「ちょっと目を話した隙にリックが死にかけたんですけど」

 私がヨーゼフ先生に文句を言うと、

「本当ですよ、先生。危うく殺されるところでした」

 頭を振ってリックが立上がってくれた。

 なんとか大丈夫みたいだ。


「リックに治療魔術はしてやるからの」

 恩着せがましくヨーゼフ先生はリックにヒールをかけてくれたんだけど……


「そんなの当たり前でしょう」

 私の怒りは収まらないんだけど……


「アミ!」

 そこにエーレンが駆けて来た。


「良かった。アミ達が帰ってきてくれて。ヨーゼフ先生と二人でいたいところに多くの騎士達が現れて本当に怖かったんだから。ヨーゼフ先生は偵察に行くっていきなりいなくなるし、本当に心細かったわ」

 そういうふうにエーレンに言われると私もヨゼフ先生相手に怒っている事も出来なかった。


「まさか、アミ達がいないのに、『ヘンドリックとアミを出せ!』と騎士達が要求してくるとは思わなかったぞ。ここにはいないと申したのじゃがな。中々信じてくれずに、やむを得ず、このゴーレムで一掃してやったのじゃ」

 ヨーゼフ先生が説明してくれた。


「殿下、無事ですか?」

 そこに近衞騎士団長が騎士達を連れて駆け込んできた。


「俺は無事だけど、どうしたんだ?」

リックがいぶかしげに尋ねていた。

「ハウゼン侯爵が蜂起して、ヘンドリック殿下の命を取るために魔術の塔に攻め込んだとたれ込みがありまして、慌てて飛んで来たんです」

「誰からじゃ?」

「それがよく判りません。差出人不明の手紙が私宛にさっき届いたのです」

ヨーゼフ先生の質問に首を振って騎士団長が答えると

「ランプレヒト。王宮の守りはどうしたのじゃ?」

 ヨーゼフ先生が心配して確認していた。

「半数は残していますが」


その時だ。

ドカーンという音が遠くで聞こえた。

それは王宮の方みたいだった。


「愚か者! それは陽動じゃ。直ちに王宮に戻れ」

 ヨーゼフ先生がいきなり言い出した。

「しかし、蜂起した騎士達はほとんどここにいるのでは?」

「魔導公国の連中が動いておる。アーデルベルトとディアナが危ないぞ」

「判りました。すぐに戻ります。全員、王宮に帰るぞ!」

 騎士団長が慌てて馬に乗って周りの騎士達に指示する。


「先生。私もアナおばさんを助けに行きます」

「待ってアミ、俺も母のところに連れて行って」

 そう言うと、リックが私の背中に飛び乗ってきたんだけど……


 ええええ!

 私はリックの馬じゃない!

 何故私がリックを背負わなければならないの?

 リックが男なんだからここは絶対にリックが私を背負って走るところだろう!

 私は少し切れていた。


「まあ、何か変だけど、納得出来るわ」

 エーレンが訳の判らない事を言ってうなずいいてくれたんだけど……勝手に納得するな!


 仕方が無いから私は身体強化して一路王宮に向かったのだった。

 何故かリックを背中に乗せながら……


ここまで読んで頂いて有り難うございます

リックの馬になったアミでした。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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