封鎖された学園におば様達や生徒達と一緒に突入しました
「リック、重くない? 代わろうか?」
魔術の塔に向けて駆けながら私はリックに聞いた。
「はああああ? 男をアミに背負わせるわけにはいかないだろう!」
「そうかな? 昔はリックをよく背負ったじやない!」
「アミの背中は俺だけの物だ」
そう言いながら、リックは何故か頭を抱えているんだけど……ヒューゲルを落とさないんだろうか?
まあ、昔からリックにはいろいろと無理矢理付き合わせているからあれだけど……
悲惨な目に逢わせてよくお母様に怒られたなと思い出していた。
「あれは何だろう?」
リックの声に前を見ると、学園への坂の下で生徒があふれていたんだけど……
「おお、アミ、無事だったのか?」
そこにはクラスメートのアーベルらがいた。
「どうしたの?」
「明日が終業式だから来てみたら、学園が騎士達に封鎖されているんだよ」
「あれはハウゼンの騎士だと思うんだけど……何故だと思う?」
前方に騎士達がバリケードを築いていて、そこで馬車も人も止められていた。
そうか、確かアグネスは侯爵達が私達を捕まえに学園に向かったと言っていた。それがこれか!
「何であいつら勝手に閉鎖しているんだ」
「信じられないよな」
クラスメート達は怒っていた。
「リック、あれってハウゼン家が反逆したってこと?」
「反逆?」
「おいおい、ハウゼン家が反逆だと?」
「いや、それは無いんじゃない?」
生徒達が騒ぎ出した。
「アミちゃん!」
そこに大きな声がした。
振り返ると武装した兵を引き連れたアリーナおばさま達がこちらに駆けてくるところだった。
「良かった、無事だったのね!」
私をアリーナおば様が抱きしめてくれた。
大きな胸に顔を挟まれて私は窒息しそうだった。
「おばさま。母が宜しくと申しておりました」
「まあ、クリスティーネ様が」
アリーナおば様は感激してくれた。
「はい。母は先程まで魔術の塔にいたのです」
「な、何と言う事でしょう。皆様、聞きました。クリスティーネ様がお戻りになったなんて」
「信じられませんわ」
「「「クリスティーネ様!」」」
おば様達が黄色い歓声を上げてくれた。
ここまで話しておけば大丈夫だろう。
「それで、おば様。帝国からの留学生のヒューゲルを預かって頂けません」
「帝国からの留学生?」
「ハウゼン侯爵に捕まって拷問されていたんです」
「まあ、なんて酷い!」
リックから後ろにいたセバスチャンさんが受け取ってくれたヒューゲルを見て、アリーナおば様はショックを受けていた。
「これがハウゼン侯爵がやったことなの? なんて酷い!」
「ハウゼン侯爵はどういうつもりなの?」
「帝国からの留学生を拷問するなんて」
「帝国と戦争でもするつもりなの?」
「本当ですわ!」
「信じられない!」
おば様達が憤ってくれた。
「おい、貴様等。ここは封鎖中だ。散れ散れ」
そこに偉そうな男がこちらに向かって歩いてきた。
手を振ってしっしっとやってくれるんだけど。
「こいつらです。こいつらがこの子を拷問したんです」
「お、お前はアマーリア!」
「何故、ここにいるんだ?」
私の声に騎士達が慌てて、私を見た。
「お黙り。騎士風情が無礼な! この方はクリステイーネ様のお子様よ。貴方たち風情が呼び捨てにして良いものではないわ!」
アリーナ夫人が男達に向かって怒ってくれた。
「煩い! 我々は第一王子殿下の指揮下の騎士だ。アマーリアは反逆者として指名手配されているのだ。直ちに我々に引き渡せ!」
騎士が声だかに命じてきた。
それも第一王子の指揮下と明言したんだけど……
「黙らっしゃい。所詮第一王子殿下ではありませんか。アミちゃんは由緒正しきヨーク公爵家の者です。それを勝手に反逆者にするなど言語道断。そもそも学びの学舎を占拠するあなた達は何なの? 初代国王陛下は何者も決して学園に干渉してはならぬとおっしゃっわ。第一王子殿下はそれに逆らうなど、国家に反逆するも同然。貴方たちこそ反逆者よ。こうなれば、陛下に成り代わって成敗するのみです」
「な、なんだと、むちゃくちゃな! 我々は第一王子殿下の指揮下にいるんだぞ。王家に逆らうのか?」
「何言っているのよ。こちらには第二王子殿下がいるわ。そちらこそ王家に逆らうの?」
売り言葉に買い言葉でいつの間にかリックがたてられているんだけど。
「な、何だと、第二王子も反逆者だ」
「嘘を言うな。俺は反逆などしていないぞ」
リックも叫んでいた。
「ええい、貴様ら反逆罪で捕まえるぞ」
おとこはさけんでいたが、
「そちらこそ陛下に反逆する反逆者よ。皆さん。こちらには第二王子殿下もいるわ。今こそ、この反逆者達を捕らえるのです」
おば様の言葉もめちゃくちゃだったけど、声だかに叫んだ方が正義になるみたいだった。
「「「ウォーーーー」」」
おば様達が一斉に連れてきた騎士達と襲いかかったんだけど……
ついでに周りの生徒達も
「おい、みんな、俺たちもやるぞ」
ブックメーカー先輩が叫んで
「学園を反逆者から取り戻すんだ!」
「みんな行くぞ」
「おおおお!」
アーベルとかゲルトとかクラスメートの連中が叫んで、おば様達と一緒になって突入したんだけど……
多勢に無勢、あっという間に坂の下を警戒していた騎士達は制圧されてしまったのだ。
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続きをお楽しみに!








