『忠実、義親の首を見ず、速記録を読むこと』速記談2013
源義家の嫡男義親の首が、都大路を渡ったとき、人々は多く見物に出た。右大臣摂政藤原忠実公も、見物したいと思い、祖父であり養父でもある師実公に申し上げたところ、安倍貞任の首が渡ったとき、私も、父頼通公に伺ったが、関白ともあろう者が死人の首を見物するなど許されない、とおっしゃったので、見に行かなかった。お前にも同じことを言おう、との仰せであった。忠実公は、これに従い、後から速記録を取り寄せて、様子を知るにとどめたという。
教訓:史実では、源義親の首が都大路を渡ったとき、忠実は薨去しており、この話は、速記録の重要性を伝えようとしたものかと思われるが、それよりも、史実、と、忠実、が似ているのがおもしろい。