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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

絶対復讐してやる

作者: @siva2nd

好きだった人に裏切られたら、あなたはどうしますか

 今ならわかる。青天の霹靂ってああいうことなんだって。

 あの時は突然の出来事で何も考えられなかった。考えられようになっても怒り心頭で目いっぱいだった。

 我を忘れるっていうのもああいうことなんだな。


 今は復讐だと考えついたことをやり終えた。そしてこれから起きてほしいと思う結果に想いを馳せると、どうしても復讐にいたるまでのことを思い出す。




 塾の講義中にスマホに着信があった。

 相手は半年前から付き合っているヒトミからだ。それも珍しく動画で。

 流石に動画の再生は講義中にはできない。気になるけど休憩時間まで我慢する。

 休憩時間にホールの自販機コーナーでコメントも付いていない動画を再生をする。

 動画の冒頭は多分ヒトミの部屋だと思う。角度がへんだけど見覚えがあるから。

 それからヒトミの声が流れてくる。


「えー、ほんとに撮るんだ。やめてよねー」


 するとヒトミの顔が映り、


「いいだろ、誰にも見せないから」


 男の声がした。何だと思った。


「それにヒトミのスマホで撮ってるだろ」

「そうだけど」

「な、一回やってみたかったんだよ」

「じゃぁ、今日だけだからね」


 そしてカメラのアングルが変わってヒトミの裸が映し出された。

 それからヒトミと男との痴態が流れ始めるが途中で切れてしまった。五分を過ぎたらしい。


 ショックだった。信じられなかった。


 動画の止まった画面をしばらく見続けていたらようやく頭が動き出す。

 送り主はヒトミで間違いない。

 じゃぁ、なんでヒトミが動画を送ってくる?

 ……俺と別れたいのか?

 それでもこんな動画を送ってこなくても……

 でも絡んでいた男とはなれなれしかったし襲われている感じもなかった。

 俺の他にも付き合っていた男がいた?じゃぁ、この半年は?

 悔しくて怒りが湧いてくる。


「絶対復讐してやる。後悔させてやる」


 とりあえず証拠として動画を保存する。そしてヒトミをブロック。

 こうなった理由なんか聞かなくていい。この事実だけでいい。

 そして復讐だけを考え、残りの講義はサボった。


 まず思いついたのが送られてきた動画の拡散。

 でもダメだ。確かにヒトミにはダメージを与えられるけど男のことがわからない。

 それにあとになって俺が責められる。

 どうする。どうしたらいい。

 その答えをネットに求めたけど俺の状況と似たものがなく参考にはならなかった。


 復讐を考えている間にも友達からメッセージがくる。何も考えずに載せてしまうかと思う。

 そしてあの動画が削除されていたことに気が付く。

 やっぱり保存しておいてよかった。




 次の日は体調不良を理由に学校を休んだ。

 そして復讐の手順を考えがなゆっくり過ごす。

 それでも午前中は買い物に出かける。百均でUSBメモリーを三個と封筒を買って帰る。

 午後は一転して忙しくなる。出かける場所が三か所もあるから。




 ユウマが帰った後スマホを見るとコウイチに動画を送っていたことになっていた。それもさっきと撮ったばかりの動画。

 あわててユウマに通話をする。


「なんでコウイチに動画送ったのよ」

「えへへ」

「笑ってないで答えてよ」

「いや、一度やってみたかったんだよ」

「なによそれ。今日はそればっかじゃない」

「いいだろ。俺ら付き合ってるんだから」

「だからって動画なんか送らなくっていいじゃない」

「いいじゃんか、これで俺だけになるだろ」

「やり方があるでしょ、どうすんのこれから」

「どうするって、これから二人で付き合っていくんだよ」

「あっそっ」


 通話を切って思う。あいつ、おかしいんじゃない。

 それよりコウイチに連絡しくなっちゃ。まずは動画を削除。

 既読になってるから、どうしたらいいか考えてしまう。

 とりあえず『話があるんだけど』と送信する。

 でも返事がない。というか既読にもならない。ブロックされてる?

 あわてて電話もするけどつながない。

 完全にブロックされた。




 今日は学校に行くのが嫌だった。なぜならコウイチとは同じクラスだから。

 でもいつかは会わないといけない。

 それに何とかしないと悪い話が流れてしまう。早めに会って謝ろうと考えた。

 でもコウイチは学校を休んだ。担任が朝のホームルームで告げるまでわからなかった。

 周囲は心配でしょ、付き合ってるんだからってからかってくる。

 でもコウイチが休んだのは私に会いたくないからだって思った。そして今日会えなかったことにホッとしていた。



 一時間目が終わるとユウマからメッセージがくる


『どうだ?』

『何が?』

『コウイチ』

『今日学校休んだ』

『そっか』


 コウイチと付き合い始めた後ユウマとも仲良くなった。

 ユウマはコウイチに比べてカッコいい。明らかなイケメンではないけど話すことも楽しいしテンポもいい。だからそこそこ人気もある。でも話す内容は薄っぺらく感じることもある。

 それぞれいい所がある。でもいつかはどちらかひとりに決めないとって思っていたけど、急にこんな形になるなんて思ってもみなかった。

 今のところグループチャットには何も書かれていないし、変なことも言われていない。

 コウイチが学校を休んだことで余裕も生まれていた。

 でも終わりのホームルームのあと担任に呼ばれた。少し相談したいことがあるって。

 何だろうって思っていたら、ここではなんだから場所を替えようって保健室に案内された。

 よくわからないけど保健室に入ると当然保健室の先生がいる。そしてなぜか数学の望月先生もいる。

 担任は、じゃぁお願いしますって出ていった。

 はぁ?この状況が理解できない。連れてきた担任が出ていき保健室と数学の先生と三人になる。

 考えあぐねていると望月先生が口を開く。


「斉藤さん、今困ってることない?」


 ドキッとする。

 今困ってること。それはコウイチとのこと……


「話しにくいことは想像できるけど事件が大きくなったらもっと大変だと思うの」


 事件?なに?コウイチのことだけじゃなくて他にも何かあるの?


「事件ってなんですか。よくわかんないんですけど」


 私の言葉を聞いた二人の先生は目配せをして頷くと望月先生が話を続ける。


「さっき小林君がきました。動画をもって。ショックだって言っていました。そして動画が送られてきた理由がわからないから、もしかしたら斉藤さんが脅されてるんじゃないかと心配してました」


 なに!コウイチはあの動画を先生に見せたの?


「ああいう動画だから話しにくいことはわかります。だから担任の池田先生も私たち女性に任せました。だから困っていることがあったら相談してくれませんか」


 それで担任は出ていったんだ。

 でも相談なんかできないから黙っていると「あの動画は斉藤さんが送ったの?」と聞かれる。確かに私のスマホからだったけど私が送ったわけじゃないから首を横に振る。

 私の動きを見て「じゃぁ、他の人が斉藤さんのスマホから送ったの?」と確認してくるから、今度は首を縦に振る。

 それから「相手の人のことを教えてもらえる」と聞かれるけど答えられない。どうしてこんなことになったんだろうって考えていると涙があふれてくる。

 涙が流れて肩を震わせると保健室の先生が私の手を握り、大丈夫よ安心してって声をけてくるけど余計に辛くなって声を上げて泣いてしまった。


 少ししたら望月先生が「動画のことで脅されてない?」ってと聞いてきたから首を横に振る。

 そして「でも動画を拡散されてからだと遅いから警察に相談する?」っていい出す。

 警察!そんなことは嫌だ。あんな恥ずかしい動画。それに相手はユウマなんだから脅したりなんかしないはず。

 だから「そんなおおごとにしなくても」とお願いする。

 それでも望月先生は「おおごとにしたくない気持ちはわかるわ。でも遅くなってからでは取り返しがつかないの」と言う。

 でもこれ以上話を大きくして欲しくないから「向こうに話せば大丈夫だと思います」と伝える。

 しかし「そう……それでも心配だわ。一度警察や児童相談所で話をしてみたら」と返される。

 さらに話が大きくなりそうだから、大丈夫ですって答えると、先生たちは渋々といった様子で納得してくれる。

 ただ「それなら後は親御さんと相談して決めるといいわ」と言い出す。

 こんなこと親にだって知られたくない。そのことも伝えるけど、ことがことだし私が未成年だから親に話をするのは当然のことだと言われる。

 そして「親にも知られたくない気持ちもはわかるわ。でも一番はあなたの人生よ。そしてあなたのことを大切に思っている親御さんならどんなことがあっても力になってくれるはずだわ。それにこのことを知ってしまった以上、学校も親御さんに報告する義務があるわ」と言われると、自分ではもう止められないんだと思いまた涙が流れる。


 それから先生たちが保健室から出入りして、しばらくしたらお母さんがきた。すでに泣いた後だった。

 お母さんは保健室にくる前に担任から話を聞いてきたって。

 そして長居もせず、お母さんに連れられて家路につく。


 家に着いたら二階の自分の部屋に逃げ込む。そしてどうしてこうなってしまったのかと後悔をしながらまた涙を流す。

 泣き疲れて呆然としていると静かなスマホが気になった。保健室に呼ばれた時に電源を落としたままだったから。

 電源を入れると溜まっていたメッセージが流れる。友達に混ざってユウマからのものもある。

 昨日ユウマがあんなことをしたから。ユウマが余計なことしなかったら問題にならなかったのに。ユウマが……


 しばらくすると一階が騒がしくなる。

 耳をすますとお父さんとお母さんが言い争っている感じがする。

 もうお父さんが帰ってくる時間なんだと思って時計を見るがまだ十七時を過ぎたくらいだった。

 ああ、お父さんにも連絡がいって早く帰ってきたんだと思った。

 そしてユウマの動画のせいで話がどんどん悪い方に向かっているんだと思った。


 さらに時間が過ぎるとインターホンが鳴る。

 来客なんて関係ないって思っていたらお母さんが二階まで来て私を部屋から連れ出す。

 そして居間に行くと、そこには二人の男性警察官がいた。

 なんで警察がって思った。


 それから私と両親、そして二人の警察官で話し合った。

 まず警察官は昼間に一度訪れたけど誰もいなかったため不在通知を残したと。そして私たちが帰ってきて不在通知を見て警察に連絡したから、改めて出直してきたと説明をする。

 それで警察官が来た目的はやっぱりあの動画のことだった。

 昼間、警察に相談があったと。いきなり知人の動画が送られてきたので事件かもしれないから助けてほしと。

 相談者のことが気になったけど相談者のことは明かせないって。

 それから問題が問題だけに被害者がおおごとにしたくない気持ちもわかる。だから警察にはどうしてほしいかと尋ねられる。

 そしてお母さんだけが呼ばれて動画の確認になる。隣の部屋にお母さんとノートパソコンを持った警察官の一人が行ってすぐに、お母さんの泣き声が聞こえる。

 あの動画を見ているんだと思うと私も涙があふれる。

 そこにお父さんが残っている警察官に話し出す。


「実は今日、同じことが学校にもありました。そして妻が学校で事情を聞いてきました。それに自宅にも私宛で手紙が届いていました」


 これですとお父さんは封筒を警察官に渡す。

 手紙を呼んだ警察官は「この子が相談に来ました。内容もこの通りですし、すごく心配してました」と。

 この子って誰。それに手紙の内容ってなに。

 お父さんに頼んで手紙を見せてもらったら、相手はコウイチだった。



『初めてお手紙します。

 小林コウイチです。


 自分はヒトミさんとお付き合いをしていたつもりでした。

 でも昨日そうではなかったと知りました。

 突然ヒトミさんと他の男性が仲良くしている動画が届いたからです。

 信じられませんでした。

 でもなんで僕のところに動画がきたのか理由がわかりません。

 他に好きな人がいるのなら動画なんか送らずに僕と別れればいいだけです。

 仮に僕とは付き合っていなかったのなら余計に動画を送ってくる理由がわかりません。

 もしかしたらヒトミさんは脅されているのか何かの事件に巻き込まれているかもしれないと考えました。

 もう僕には関係のないことなのかもしれませんが、それでもヒトミさんのことが心配です。

 余計なお世話ですがヒトミさんを助けてもらえませんか。

 お願いします。


 証拠の動画はUSBメモリーに入れて同封しました』



 ユウマがあんなことをしたのに私のことを心配してくれるんだ。

 ごめん、コウイチと思いながらまた涙を流す。


 それから手紙と一緒にあった動画を警察官が確認をすると相談のものと同じだということがわかった。

 そして動画の相手は付き合っている男性で無理やり動画を撮影されたわけじゃないことを伝える。

 しかし動画を送ったのは私の意思じゃなく勝手に送られていたと告げる。

 私の話を聞いた警察官はリベンジポルノの説明を始める。

 そしてお父さんに被害届を出すか、民事として内々で処理するか聞いてくる。

 お父さんは悩んだ末に今回は被害届を出さない。しかし問題が大きくなるようなら改めて警察に相談すると伝える。

 それからいくつか手続きをしてから警察官は帰った。


 警察官が帰った後、お父さんが改めて質問をしてくる。だから全て本当のことを話した。

 相手のユウマのこと。コウイチには黙って二股していたこと。ただ動画や写真のことは私にもわからなかった。もしかしたら私が知らない時に撮って持っているかもしれない。

 私の話を聞いたお父さんはユウマの家に向かい、夜遅い時間に帰ってきた。




 やれるだけのことはやったつもりだが全く手ごたえがない。

 俺は寝取られた哀れなヤツを演じる。

 ヒトミを寝取った男は誰だかわからないけど、動画を撮って送りつけるヤツだから加害者だとでっち上げる。

 そしてヒトミは脅かされてるかもって被害者に作り上げる。

 さらに俺は被害者のヒトミを心配する演技もする。

 それら作り上げた情報を学校、警察、ヒトミの親父に報告する。あとは事態を見た大人たちがどう動くかだ。

 結果はどうなるかわからないけど、少なくともヒトミはダメだな。学校や親父に二股がバレれば学校には来れないだろう。

 ヒトミの相手が成人だったら未成年相手だから逮捕だろう。

 ただ相手が学生だった場合、不発になってしまう可能性が高い。そこだけが心配だ。

 あと俺がとった作戦が機能しているのか、結果が得られたのか確認する手段がないことに気が付いた。

 復讐することばかりに気がとられていたと反省をする。




 そして一日ぶりに登校する。

 学校に着くと仲間からは体調のことを心配されるが大丈夫だと伝える。

 次に一部の女子からヒトミと連絡が取れないけど何か知らないかと尋ねられる。

 だから俺は一昨日ヒトミと別れたと公言し、連絡もとっていないことも明らかにする。

 当然別れた理由を聞かれるから、俺が振られたことにした。実際寝取られてるしな。

 朝から俺の話で騒然となっている教室に三組の木村ユウマが来て俺に詰め寄る。


「お前何してくれるんだよ」

「何だよ」

「昨日、ヒトミの親父が来たんだよ」

「あ、お前がヒトミの浮気相手か?」

「浮気ってなんだよ」

「そうだろ。俺に隠れてやってたんだから」

「ヒトミは俺と付き合うつもりなんだよ」

「じゃぁなんでやってるを動画をばら撒いたんだよ」

「それは……」

「ヒトミはあんな動画をばら撒かれて困ってるようだぞ」

「……」

「付き合ってるんならヒトミが悲しむようなことはするなよ」


 ヒトミを庇うような言葉を並べると木村は教室から出ていった。

 そっか、ヒトミの相手は木村だったんだな。だったら容赦なく犯人に仕立て上げるか。


 木村が教室から出ていったらみんなから問い詰められる。

 ヒトミの浮気相手は木村なのか。動画はとはなんだ。ばら撒くってなんだ。それでヒトミと連絡が取れないのか。

 みんなの質問にはヒトミのことだから俺からは答えられないってわざと濁す。

 それから朝のホームルームが始まるがヒトミが欠席することが告げられるとクラスがざわめく。

 そしてホームルームが終わったら動画の犯人は三組の木村だと担任に告げ口をした。

 これで木村も終わりだなと思った。

 しかし木村は学校に来つづけた。

 俺は停学や退学、せめて休学くらいにはなるかと考えていたけど無傷で登校していた。


 納得できない。


 だから担任にヒトミは学校を休んでいるのに、なんで木村は普通にしてるんだと問いただす。

 すると渋々といった感じで状況を説明してくれた。

 木村に話を聞いたら悪ふざけの延長で動画を送ったけど脅してはいないと。

 それなら事件性が乏しいしヒトミのためにもことを公にしたくないから木村を処罰できないんだと。

 その説明を聞いた俺は、あまりにもヒトミが可愛そうだと演じたが、そういうなとたしなめられた。


 クッソ、俺の復讐は失敗したんだ。


 そう思っていたら浮気の発覚から十日ほどして木村が学校に来なくなった。

 俺の復讐はまだ続いていたんだと嬉しくなって、担任に木村のことを確認したら学校側も理由がわからないって。

 少しモヤモヤするけど、木村の欠席が病気とかじゃなくって俺の復讐の成果であって欲しいと思った。

 そしてさらに一カ月ほどしたら木村は転校していった。

 当然転校のことも気になるから担任に聞くとすぐに理由を教えてくれた。学校に迷惑をかけたからだと。

 俺は喜んだ。あの二人に復讐をしたんだと達成感で満たされる。


 でも嬉しかったのは初日だけだった。

 次の日からは喜びも達成感もなくなっていた。あるのは消失感だけだった。

 復讐が達成されて目標がなくなったからだとわかった。

 毎日学校に来て、残されたままのヒトミの席を見ては復讐心を募らせていたけれど、今は机を見てもなんとも思わない。

 ただ終わったんだなって。

 復讐が虚しいってのはこういうことなのかもしれない。復讐が達せられても何も残らなかったから。

 でも復讐することは間違っていない。あいつらはそれだけのことをしたんだから。


 絶対に復讐は間違っていない。




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コウイチの知らない物語(ユウマの物語)



 夕食が終わってしばらくしたら来客があった。

 珍しいなと思ったらヒトミの親父だった。

 それから俺と両親、ヒトミの親父の四人で話し合う。ヒトミとの関係や動画のこと。

 ヒトミの親父は動画を撮ってばら撒いたことに怒り、ヒトミが悲しんでいると俺を責めたてる。

 俺はヒトミとの関係に納得なんかしてなく、早く小林と別れてほしくてあの動画をあいつに送っただけだ。ヒトミもあいつなんかより俺の方が楽しいっていっていた。なのになんで悲しがる?

 俺の話を聞いたヒトミの親父はそれでも責め続けてくる。

 そしてヒトミと別れて近づくなと言ってきた。

 それを聞いてヒトミの既読スルーに納得がいった。親父のせいだって。

 そして話し合いが終わってヒトミの親父が帰った後は両親に責められた。

 それから改めてヒトミに連絡をするが返事はなかった。

 だから俺のことをばらした小林のことが許せなかった。



 次の日、小林に文句をいいに行く。

 しかしヒトミが困っている、悲しんでいるといわれると言葉に詰まってしまう。

 何もできなかった。



 そして放課後は担任に呼び出される。

 動画のことを持ち出されたけど、なんで先生が知っていたのかわからなかった。

 それからは経緯を聞かれて、ヒトミが困って泣いていたことを聞かされた。

 そしてあのような動画を許可なく配布することは犯罪になると説教もされたが、ヒトミも困っているから今回は穏便にすますと言われた。

 なぜ俺が悪者呼ばわりされるのか納得がいかなかった。

 それでも学校生活は普通に送れた。

 しかし一週間したら状況が変わった。

 ヒトミの親父が雇った弁護士が来た。

 リベンジポルノ防止法と名誉毀損罪の容疑があると俺をまくしたてる。

 ただヒトミが未成年だから示談で済ませたいと告げてきた。

 俺は納得いかず弁護士に文句をぶつける。

 すると弁護士は納得がいかなければ被害届を提出して争うと言い、この件はすでに警察に相談済みだと続けた。

 すでに警察沙汰になっていたことに俺は唖然とした。

 さらに弁護士の話は続く。このことでヒトミに付きまとえばストーカー規制法、関係を求めたら強要罪や脅迫罪にも問われると言われる。

 俺はもうなにも言えなくなっていた。


 弁護士の要求は慰謝料と今後はヒトミに接触しないということだった。それで俺の転校と転居が求められた。

 そして弁護士が帰ったあと父親には怒鳴られ母親には泣かれた。


 次の日から学校は休んだ。家ではゲームをして過ごした。

 あれほどゲーム三昧の生活を望んでいたのに今は全然楽しくない。


 しばらくしたら父方の祖母の家に移り転校もすることが決まった。

 そして家を出る日、駅には両親や仲間の見送りはなかった。




おしまい




最後までお読みいただいてありがとうございます



みなさん納得していただけたでしょうか。

というか納得してください。

都合のいい展開だってわかってますから。



はじめはユウマの物語はなかったんです。復讐者からは見えないから。

でもそれだと読み手がモヤモヤするかなって追加しました。

書き手の私は設定上知ってたのですっきりしてましたけど。



ヒトミ?

二股するような奴はひきこもって後悔していればいいんです。



そしてハーレムは許してもネトラレは許さん!

ネトラレは抹殺してやる!!


どの口がって言われると思うけどポップでラブリーな作品(死語)が好きなんだよー。




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― 新着の感想 ―
ハーレムは許してもネトラレは許さん のコメントすごく共感しました。 個人的にはですが、ハーレムとか二股と浮気は似て非なるものだと考えているので、こういう話を友達などと話すときに、 自分は 二股、三股…
[良い点] シタ側の堕ちていく所を描かれているのが最高でした! [気になる点] 強いていうなら交際相手の父親の勤務先をどうやって知ったのかな?くらい [一言] シタ側の堕ちていく様を描かれているのと、…
[気になる点] モヤモヤ!!どうにかしてください。
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