前編
☆☆☆ポロ伯爵館
「そんなに文句があるのなら、エリザベート、追放するぞ」
「そ、そんなー!」
アワワワワ~
「理由・・・」
「理由は言うまでもないだろう。お前たちは金に汚い。金!金!金!だ」
「しかし・・・領内の浄化の仕事は」
「こちらには、コンドル蹴撃団に、音響魔道グループがいる。
お前たちがいなくても充分にやっていける。
王都で鳴かず飛ばずのお前たちを拾ってやった恩を忘れるな!
文句を言ったから、更に、魔物の買取り料金を下げる!」
「ヒィ、でも、私たちがいなければ、この領は持ちませんわ。もう少し、譲歩をお願いしますわ」
「知るか、文句があるのなら、聖女ハウスを早急に引き払え。分ったな」
グスン、私はエリザベート、聖女でございます。
今日まで、ポロ伯爵本拠地の聖女団の団長です。でした。・・・
この領地は魔物のスタンピードが発生する場所で、瘴気も沸く辺境の地でございます。
私が、王都から派遣されて・・活躍が認められたと思っていたのに、ヒドイですわ。
聖女クランのハウスは、領主の持ち物ですわ。
そこを間借りしている形ですわ。
しかし、音響魔導師グループが来たら、荷物をどかせとか無理難題を言います。私たちの費用ですわ。
訓練場は、石畳で、とても固いから、柔らかい土を変えて下さいと言っても変えてくれないですわ。
聖女グッズを作っても、中抜きされて、収益ゼロ。
聖女ハウスに広告があるのですが、それも、全て、ポロ伯爵の懐に入るのですわ。
グスン、グスン、
グスン、グスン、
この時は、堪忍袋の緒が切れて、啖呵を切ってしましましたわ。
「やってられませんわ!こちらから追放されますわ!」
「ほお、なら、とっとと、出て行け!」
・・・・・
「伯爵、よろしかったのですか?エリザベートさんたちがいなければ・・」
「これから、王都のもっと、実力のある聖女たちを迎えるのだ。エリザベートでは力不足だ」
「しかし、魔物は彼女たちが主力で抑えていましたが・・」
「大丈夫だ。冒険者グループ、コンドル蹴撃団か、音響魔導師グループに稼がせればいいだろう」
☆コンドル蹴撃団
「何?年間、これだけしか。討伐に来てくれないだと!君たちは、ボロ伯爵領がホームじゃないのか?」
「いえ・・・違いますが・・それに、私たちは広い草原での中規模の魔物を得意としています」
「そうか。分った」
チィ、次は、音響魔導師グループを頼るしかない!
☆音響魔導師グループ「魔導師45」
「「「ああああ~~~~~~あああ~~~~」」」
「ほお、相変わらず素晴らしい音響魔法だ。朗報だ。聖女団をクビにした。年間もっと来てもいいぞ」
「え~私たちは、王国全国を回らなければいけません・・・」
「そうか・・・」
ここもダメか。まあ、いい。聖女学校の生徒にやらせよう。
☆
「はあ、はあ、はあ、魔物の討伐終わりました」
「な、何だと!エリザベートたちの10分の1も討伐していないではないか?!」
「「「ヒィ、グスン」」」
「もう、いや」
「伯爵、まだ、学生ですよ。プロ聖女ではないです」
「そうか」
チィ、なら、本筋の計画を実行に移すぞ!
王都の人気聖女団をこの地に呼ぶのだ!
最後までお読み頂き有難うございました。