それぞれの思想
リーナ:マッキナ少尉、一機接近してきます。
マッキナの機体に向かって接近してきたハルパー・ストライクが射撃をしてくる。しかしマッキナは簡単にそれを避けてみせる。
マッキナ:分かってるよ。……おいおい、デタラメに撃ちすぎじゃないか?中身は素人かよ。
メテクトリ:困ったことに、新兵が多くてね。我々の理念に賛同する者が未だ少ないことは残念な話だ。
リーナ:敵の射線は定まっていませんが、バリアは完全な状態で展開中です。遠距離攻撃ではシールドに防がれます。なんとか接近して相手を行動不能にしてください。
マッキナ:簡単に言ってくれるね。それとも信頼してくれてる証しかな?ま、この後にデートの楽しみがあるんだ。多少無理してでも、仕事は完遂して見せるさ。
敵のハルパー・ストライクが、マッキナの機体を追いかけながら、ライフル弾を撃ち続ける。
しかし、マッキナは最小限の動きでそれをかわし続ける。
マッキナがスピードを上げる。それに追いつこうと敵機もスピードを上げて後を追う。
マッキナ:釣られてスピードを上げたな。マッハ1をゆうに超えたぜ。残念だがH・S・Bは展開不能な速度だ。銃を撃つ時は心を落ち着けて正確に狙い撃て、じゃなきゃ当たらねーよ。
マッキナの撃ったライフル弾が敵機に直撃し、撃破する。
マッキナ:……講義終了。もう次は無いから実践はお預けだな。
リーナ:アルバトロス2、敵機撃墜。アルバトロス4、アルバトロス5も続けて敵機撃墜しました。
マクシムス:思想のない雇われ兵は本当に役に立たないな。もう少し役に立つと思ったが……
リーナ:アルバトロス4回避を。狙われています。
マクシムス:逃がさんよ。
マクシムスの機体が接近し、ソニック・リッパーでアルバトロス4を撃墜する。
リーナ:アルバトロス4応答してください!!……アルバトロス4の反応消失しました……
マクシムス:弱いから死ぬ、それだけだ。だが、それが生き物の本来あるべき姿だ。
メテクトリ:そうだ。それから逃れる為にはどうすれば良いのか……簡単なことだ。生物として強くなればいい。私と同じように、遺伝子合成をしたミクシデントとして、人類は生まれ変わる時が訪れたのだ。
リーナ:ミクシデントへの適合率は10万分の1以下とも言われています。その確率に賭けろと言うのが、タイタニストの答えですか?
メテクトリ:そうだ。今まで生物は環境に適応して生き残って来た。そして、これからもそうあるべきだよ。この状況も、次なるステップへ行くための試練に過ぎない。だから神は人に世界に困難を与えるのだ。全ては神が望んでいるのさ。人間が新たな境地に至るのを。
アストラ;マクシムス、貴様も同意見か?
マクシムス:生物として強くなることを否定はしないよ、私はな。
アストラ:だが、お前はミクシデントではないだろ。純粋な人間のお前が、なぜタイタニストに手を貸している。戦い以外に全てを捨てたお前にも理念はあるのか?
マクシムス::勿論、あるさ。私には私の理念がな。タイタニストの理念とは違うが利用させてもらっている。使えない人間がどれだけ残っていても、それはクズの寄せ集めだ。もっと選民思想を掲げて優秀な人間だけ集めて避難すれば良かったのだよ。使えない者は見捨ててな。それが平等に命を助けましょうだと?それでは人間の英知の無駄遣いにしかならん。選ばれるべきは、人より優れた人間なのだよ。それももう叶わんからな。それなら平等に命を助けるという信念があるなら、また平等に人の命を奪う信念もあってもよいのではないかね?だから、私は平等に殺すことを決めた。