前哨戦
リーナ:敵、散開して襲ってきます。各機、H・S・Bを展開してください。マッハ1を超えないように。
マッキナ:悪いな、リーナ。俺は、俺のやり方でやらせてもらうぜ。
リーナ:スピードの出し過ぎです、マッキナ!!それではバリアが構築されません。
マッキナ:ゆっくり動けば、バリアが展開されて防御力は格段に上がる。だが狙い撃ちになるのを忘れてるぜ?
リーナ:その為のバリアです。バリアのない状態で被弾すれば、一撃で破壊されますよ。
マッキナ:俺にとっちゃ、バリアを張って狙い撃ちされるより、一発当たって瀕死になるかどうかの緊張感が好きなのさ。その方が、神経が研ぎ澄まされるからな。
リーナ:攻撃、来ます。死なないで下さいよ、マッキナ少尉。
マッキナ:言われなくても!!足を止めることの弊害だ。バリアを展開してたら射撃じゃ思うようにダメージは与えられないが、接近戦じゃそうはいかないぜ。だからこそ対H・S・B用の兵器ってもんがある。
敵のグラディエイトに近づき、近接攻撃兵器ソニック・リッパーで敵を撃墜するマッキナ。
リーナ:アルバトロス2、一機撃墜。
マクシムス:迷わず接近戦を挑むか。中々の腕だな、貴様。
マッキナ:そりゃ、この戦いの英雄になる男だからね、俺は。
マクシムス:口が達者なのは感心しないな。すぐに黙らせてやろう。死してなお、その口は開いていられるかね?
アストラ:お前の相手はこの俺だろ、マクシムス!!
アストラの機体がマクシムスの機体に接近し、狙いを定める。
アストラの機体が大型の背部キャノンをマクシムスに向けて放つ。
アストラ:背部キャノン砲発射。
マクシムス:誰も忘れてはいないさ、アストラ。
攻撃を完全に見切り、直撃スレスレで避けるマクシムス。
アストラ:ちっ、死角から撃ってこれか……
マクシムス:では、こちらも始めようか。背部キャノン砲発射!!
アストラ:そんな見えすいた攻撃が当たるとでも?
マクシムス:だが回避するしかないだろ?慌てたからと言ってマッハ1以上の動きで動くのは感心しないな。バリアの効果が消失したぞ。
マクシムスが右手のマシンガンを構え、アストラを狙い撃つ。アストラは機体を急減速させてH・S・Bを再展開する。
アストラ:造作もないよ。
マクシムス:はっ。さすがにこれくらいは切り抜けるか。腐っても俺と競いあった男だ。これくらいは防いで当然か……だが、初撃を避ける時には焦りがまだ見えたな。
アストラ:結果、当たらなかったんだ。変わりはないさ。
マクシムス:この先もうまくいくかな?
アストラ:やってみせるよ。
マクシムス:まだまだ覚悟が足りないのではないかね?どうせなら心臓も捨ててしまえば良かったのに。そうすれば、心を動かされずに済んだものを。
アストラ:人でいたかったのさ……俺の為に。そしてリーナの為に。
マクシマス:リーナか……アイツを捨てられなかったのが、お前の心の弱さだ。望み通り、人間として死んでいけ。目的を達することもなく無様にな!!
アストラ:悪いが、だからこそ負けられん。人の心を捨てたお前にだけには負けるわけにはいかないのさ。
アストラ:ミサイル全段発射!!
マクシムス:こちらのバリアは最大限に展開している。生半可な攻撃ではダメージを与えることはできんよ!!
アストラ:所詮、目くらましだ。足を止めれば切り結ぶ機会が生まれる。ソニック・リッパーなら、ダメージを与えられるはずだ。
マクシムス:そんな見え見えの攻撃を喰らうでも思っているのか!!