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出撃準備

ダイバーノアのブリッジでオペレーターを務めるリーナ。


リーナ:こちらオペレーターのリーナ・レーゲンシルムです。防衛部隊に通達します。我が艦ダイバー・ノアは民間人の収容後、海底へと発進いたします。しかし民間人の避難がまだ済んでおりません。収容率は90%を超えました。あとしばらくの間、時間が必要となります。問題は反乱組織のタイタニストです。本日、彼等はダイバー・ノアを攻撃目標とする犯行声明を出しました。各地のレーダーより、敵機が確認されています。まもなく彼らの襲撃部隊が現れます。防衛部隊は出撃準備をしてください。


リーナの元に通信が送られてくる。通信相手はマッキナ。


マッキナ:こちらアルバトロス2。出撃準備はオーケーだ。

リーナ:では、そのまま待機をお願いします。敵機確認次第、迎撃の為、発進となります。

マッキナ:敵さんの部隊の情報は分かったかい?

リーナ:まだ全ての機体種別は判明していませんが、数はおおよそ10機。

マッキナ:10機か。一応、こちらの方が数は多い訳だ。

リーナ:数は気休めにしかなりません。こちらのH・S・B搭載のグラディエイトは5機だけです。反対に相手は全てH・S・B搭載機だと思われます。

マッキナ:他の国や国連の援護は来ないのか?

リーナ:期待できません。連日のタイタニストの襲撃で、ほぼ機能不全に陥っています。

マッキナ:守る方が不利なのは分かるが、こうも明暗が分かれるとはね。

リーナ:軍から離反者が多く出たせいもあります。自分も自分の家族も助からないのに、誰かを守れと言われても、心情的に難しいから仕方ないでしょう。

マッキナ:せめて自分と家族の命くらいは保証してくれなきゃな。やる気になれなくて仕方ないさ。だからと言ってタイタニスト側に付くのは違うと思うけどな。

リーナ:時間を稼ぐのも重要ですが、相手の戦力を削るのも重要です。ここで戦力を削っておかなければ、また次の避難施設が狙われることになります。少しでも、相手の戦力を削らなければなりません。

マッキナ:こっちの名称は一応、防衛部隊なんだがな。

リーナ:ついでです。次の目標も防衛する気でいてください。

マッキナ:かぁー、厳しいねぇ。まぁ、良いさ。防戦一方じゃつまらないからな。多少なりとも打撃は与えるぜ。心が躍って来るねぇ。

リーナ:マッキナ少尉、もしかして楽しんでますか?

マッキナ:まさか。20万人の命を抱えてるんだ。それじゃ不謹慎だろ?

リーナ:では、そう聞こえる言動は慎んでください。

マッキナ:分かってるって。気を付けるさ。ところで、コイツが海底に出発したら、さすがに時間は空くよな。デートでもしてくんない?食堂で一緒に、食事をするのも悪くないんだが、もう少しマシなモノを食べたい。

リーナ:マッキナ少尉。この回線を私用で使うのは控えてください。

マッキナ:良いじゃないか。どうせ聞こえてるのは、俺達防衛部隊だけだ。

リーナ:その神経を疑います。私の父にも聞こえてるのに、よくそんなことを言えますね。

マッキナ:これだけの大役を任された後なんだ。隊長だって許してくれると思ってね。だから、帰ってきたらデートしようぜ。

リーナ:マッキナ少尉。言っておきますが、こういった場で何かしらの約束を交わすことはフラグにしか聞こえませんよ。

マッキナ:フラグに負けないのが俺だ。帰って元気な姿をみせるさ。

リーナ:それもフラグです。

マッキナ:それで返事は?

リーナ:デートですか……私と過ごしても楽しくないと思いますよ。人間味の薄い冷たい人間ですから。

マッキナ:そういうところは隊長に似なくて良いんだぜ。

リーナ:似るつもりはなかったんですけどね。

マッキナ:まっ、それも含めて好意を持ってるってことだ。

リーナ:……分かりました。仕方ありませんね。承諾します。ですが無事に帰ってきてくださいね。私は嘘をつく人が嫌いですから。

マッキナ:オッケー、俄然やる気が出てきたぜ。

アストラ:俺の人間味が少ないところに好意を持ってくれてたとはな。嬉しい言葉だ。

マッキナ:隊長には言ってませんよ。だって人間味が薄いどころか、もう機械じゃないですか。改造人間は趣味じゃないんで。

アストラ:改造人間は止めろ。ブーステッドと呼んでくれ。

マッキナ:ラベルを張り替えたところで、中身は変わりませんって、隊長。

アストラ:アルバトロス1だ。こちらもアウタミラに乗り込んだ。

リーナ:今日は戦闘時のオペレーターも務めさせていただきます。宜しく、アストラ。

アストラ:それはお前の役目じゃないだろ。

リーナ:人手が足りてないので志願しました。それとも私では不服ですか?

アストラ:そういう訳じゃない……が、お前の声を聞いてるとノイズが多くなる。

リーナ:それを克服する為に、脳まで強化したのでしょう?任務遂行に専念してください。目的はダイバー・ノアが出航するまでの安全を確保することです。

アストラ:殲滅するか、時間を稼げば良いだけだ。難しい作戦目標があるより、分かりやすくて良い。

マッキナ:手足の機械の調子はどうですか?いざ戦闘中に不具合が出ましたじゃ、笑えませんよ。中身も外も年季が入ってるんですからね。

アストラ:調整は済ませてきた。問題はないよ。


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