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25年前

調整室にて横になり、体のメンテナンスを受けるアストラ。

彼の脳は余計なノイズを生じさせないように調整されているが、滅多に見ない夢を再び見ていた。

夢の中の記憶。過去の記憶が蘇る。

今から20年前。傭兵部隊に所属していた頃。

仲間のマクシムスとカルカリーナと共に、シュミレーターで模擬戦を行っている。


アストラ:遅いぜ、マクシムス。

マクシムス:デタラメにスピードを出せば良いという訳ではないよ、アストラ。

アストラ:早さこそが、戦いの決め手なんだよ!狙いはつけた。後は撃つだけだぜ。

マクシムス:いい加減に理解しろ。新型の機体性能が発揮できるのは早くもなく、遅くもなくだ。


アストラの人型機体、グラディエイトがマクシムスの機体に向けてライフル弾を放つ。


マクシムスは機体を急減速させると、バリアを展開し攻撃を防ぐ。


アストラ:また、そのバリアかよ。めんどくせー。

マクシムス:搭載されている機能は有効に使わんとな。いい加減に貴様も慣れろ。

マクシムスがライフルを撃ち、高速で飛ぶアストラのグラディエイトに直撃させ撃墜する。

アストラ:だぁー――、また負けた!。

カルカリーナ:10連敗か。無様だな、アストラ。

アストラ:この機体じゃなきゃ、俺だってこんなに負けてねーぞ。

カルカリーナ:いい加減に覚えろ。H・S・ハイパー・ソニック・バリアはマッハ1以下の速度でしか展開できん。

アストラ:そいつだよ。メンドクサイ仕様だよな、本当に。

カルカリーナ:それを私に言われても困るな。時代の流れだ、私達は付いていくしかない。恨むなら、発見した科学者を恨め。

マクシムス:この防御ユニットで、ただ速いだけの飛行ユニットの存在価値が揺らいだ。誘導弾の性能も上がったことで、回避が困難になってきたからな。かわせないのなら、防ぐしかない。

カルカリーナ:この機体が主流になれば間違いなく、戦争は一変するな。H・S・Bを搭載するには機体を大型化しなきゃならん。まさか小型化していた時代とは逆行するとはな」

マクシムス:速すぎれば防御力が格段に落ちる。だからと言って足が遅すぎれば、高威力の砲撃の餌食になる。速すぎず、遅すぎず……それが最適解だ。

カルカリーナ:そろそろ慣れて見せろアストラ。もう少ししたら私は第一戦から身を退くつもりでいる。二人に頑張って貰わなければ、この企業の屋台骨が揺らいでしまうからな。

アストラ:なんだよ、引退するつもりか?戦闘狂のカルカリーナがか?

カルカリーナ:引退ではないさ。ただの出産、育児休暇だ。

マクシムス:お前に、そんな相手が居たのか。意外だな。

カルカリーナ:あぁ、私にもそんな相手くらいいるさ。子供の父親となるのは、お前達二人のどちらかだ。


突然の告白に噴き出すアストラ。


アストラ:急に何言いだすんだよ!?

カルカリーナ:私は強い者が好きだ。子供にも強く育って欲しいと願っている。なら傭兵として1、2を争うパイロットの二人なら、相手として申し分ないと思ってな。そう帰結した。

マクシムス:なら、俺を選べ。人間としてなら純粋に俺の方が上だ。

カルカリーナ:人の体を捨ててそれでも強さを求めるアストラも捨てがたくてな。

マクシムス:だとしても俺の方が強い。

カルカリーナ:なら、証明して見せろ。ここぞと言う時に負けるのでは頼りにならん。

アストラ:勝手に話を進めないで欲しいんだが……。

カルカリーナ:私に女性としての魅力がないことは重々承知している。だが、それを踏まえたうえで話しをしている。

アストラ:そんなことは誰も言ってねぇよ……。

カルカリーナ:次の模擬戦の結果に委ねよう。良い戦いをしてくれ。私を賭けて戦うんだ。競ってくれた方が気分も盛り上がる。


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