捨てた者と捨てられた者
リーナ:妄言をありがとうございます。ですが、アナタ達の目的は達成されることはないでしょう。アストラ達が阻止してくれます。
リーナ:久しいな、リーナか。
リーナ:アナタに名前を呼ばれると虫唾が走ります。
マクシムス:どうせ親子関係を断ち切った中だ。その反応が正常だ。
リーナ:捨てたのはアナタです。
マクシムス:そうだな。お前は捨てられただけだ。私にはとっては邪魔な存在だったからな。
アストラ:そこがお前との違いだ。俺に取ってリーナこそが生きがいだ。
アストラ:人間の体を捨ててもなお、俺を愛してくれた存在だったからな。
アストラ:だからこそ、その気持ちに報いたかった。心だけは手放す気になれなかった!!
マクシムス:それが貴様の敗因だ。甘さが人間を殺すのだと覚えておけ!!
マッキナ:後ろがガラ空きだぜ!!
マッキナの機体が、マクシムスの機体の後ろから接近し、ライフルを放つ。
マクシムスは機体を急減速し、ライフル弾をバリアで弾く。
マクシムス:他の者と同じ程度に扱ってもらうのは心外だな……これでも前戦争の英雄だ。年季が違う。
マッキナ:もうロートルってことだろ?大人しく引退してほしいもんだ。
マクシムス:まだ世代交代には早くてな。こうも若い奴らが貧弱なのでは、後を託すこともできん。
メテクトリ:彼の意志は、我々タイタニストが継ぐだろう。人類はより強く、最適に。さらに高みへと昇った存在にならなければならない。それが、何十億の人間が死ぬことになったとしてもな。
マッキナ:そんなイカれた思想にゃついていけねーぜ。
メテクトリ:人が誰を助けるか選ぶよりは、遺伝子と環境によって助かる存在が選ばれることの方が自然だよ。けっして地位や役割なんて後天的に与えられたモノによって、生き残るべき存在が選ばれるべきではないのだ。
マッキナがライフル弾を連射するのを避けながら、マクシムスが近づいて来る。
マッキナ:ちっ……ライフル弾を軽くかいくぐってきやがる。
リーナ:マッキナ少尉、残弾が残りわずかです。一度撤退をお勧めします。
マッキナ:だからって隊長だけに任せておけないぜ。
マクシムス:武器もないのに戦場に残るか。案山子としての役目にしかならんぞ、貴様?
メテクトリ:私が居ることを忘れもらっては困るな。
オーダー・スケイトが海面に浮上して、誘導ミサイルをマッキナの機体に向けて放つ。
マッキナ:下からもかよ。これは結構、ピンチかもな……
機体を減速し、誘導ミサイルをバリアで防ぐが、その隙にマクシムスの機体が接近してくる。
マクシムス:隙だらけだな、俺の前で足を止めるなど!!
背部キャノン砲をマッキナ機に向けて発射するマクシムス。
その砲撃の直撃をかわすが、右腕をかすめたせいで損傷を受けるマッキナ機。
マクシムス:直撃は避けたか。やはり腕が立つな。それだけのパイロットが死ぬことになるのは残念だ。俺と戦うことになったことが貴様の不運だ!!その運命を呪うんだな。