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短編大作選

せんせいとせいと

掲載日:2022/01/16

ぼくは、やきゅう部の2ねんせい。


ひとりの女性に、一目ぼれしてしまった。


同じクラスのせいと、ではない。


ありふれているが、担任のせんせいに。


まだ、あって10日しかたってない。


でも、すきなものはすきなのだ。


あの、ばつぐんのスタイル。


あの、やさしい空気感。


さいこうとしか、言いようがない。


せんせいとせいとは、恋愛してもいい。


そう思う。


だから、ぼくは決めている。


いつか、せんせいに告白すると。






今は、セミが鳴くきせつだ。


2ねん1くみの担任である、じゅんこはいつも、じぶんで弁当をつくる。


それをひる休みに、同僚のあやかと、話をしながら食べている。


「じゅんこって、モテるでしょ?」


「そんなことないよ。あやかの方がモテるわよ」


せんせいの、ほめ合いがはじまった。


「だって、じゅんこ可愛いもん」


「いやいや、あやかには負けるよ」


二人の話は、とまらない。


一秒たりとも、静寂はない。


するとあやかが、定番のしつもんを投げ掛けた。


「じゅんこって、彼氏いるの?」


「いるよ」


あやかは、とてもおどろいた様子だった。


「このがっこうに、いる人なの?」


あやかは、おそるおそる聞く。


「そうよ」


「えっ、うそ」


あやかの驚きが、とまらない。


口を閉じることも、できないくらいに。


「だれだと思う?」


「けんとうもつかないよ」


すこし間をあけて、じゅんこは、口を開いた。


「実はわたし、せいとと付き合ってるの」


「・・・・・・」


あやかは、驚きすぎて、ことばが出なかった。


しばらく、沈黙がつづいた。


そして、じゅんこはゆっくり、口をひらいた。


「彼、やきゅう部で、ものすごくがんばってるのよ。だから、好きになったの」


「そうなんだね・・・・・・」


このあと、二人の会話がなくなった。


言うまでもなく。






付き合ってから、一年後の七月。


板橋純子は、結婚することとなった。


だが、同僚の橘綾香は、素直に喜べなかった。


なぜなら、綾香も、その男性のことが好きだったからだ。


綾香は、その男性のことをずっと片想いしていた。


仕事を始めて、すぐの段階から。


会った瞬間に、恋が降ってきた。


純子から、その男性と付き合っていると聞いた時、綾香は驚いた。


何であんな女と、男性が付き合っているんだろう。


そう、綾香は思ったりした。


ずっと、その男性を奪ってやると思っていた。


なのに、奪うことは、叶わなかった。


ちなみに、その男性というのは、同僚で野球部顧問の、増田聖人である。






ぼくは、告白せずに失恋した。


すきな人が、結婚というものをしたのだ。


他にパートナーがいるなら、仕方がないことだ。


あいてのせんせいは、よくしらない。


でも、かなりのイケメンというウワサがある。


イケメンのせんせいに、せいとがかなうわけがない。


恋はおわった。


ぼくの恋は、エンディングをむかえた。

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