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さらに強くなる

続きです

 ローズと一緒に街まで戻ってきた。

 「大丈夫?アキラ。もうすぐ冒険者ギルドだからね。」

 声を掛けてくれるローズ。ローズがいなかったらあそこで死んでいてもおかしくない。

 ギルドに着いてすぐにアキラをベッドに運んでくれて治癒師によるアキラの治療を始めた。アキラの状態が思ったよりも悪く治療にはかなりの時間がかかった。

 「とりあえずこれで安心かな。けど、数日はベットの上で安静にしておいてください。」

 治療が終わりローズたち皆がアキラに集まってきた。どうやらずっと待っていたらしい。

 「本当に、無事で良かったわ。アキラ。」

 ローズはかなり心配してくれていたようだ。

 「ローズ。ここまで運んでくれてありがとう。」

 あと少し治療が遅ければ危なかったかもしれないと言われていたアキラ。ローズには感謝しても仕切れない。するとブライドが、

 「それにしてもアキラがここまでやられるなんて一体誰にやられたんだ?」

 と聞いてきた。そりゃそうだろうな。ギルドの中でも上位の冒険者であるアキラがここまでぼろぼろにやられているのだから疑問に思うのも当然だ。

 「あぁ。それはな、」

 とアキラが話そうとした時

 「待て。」

 突然、声をかけられた。ギルド長だ。

 「その話、俺も聞く。悪いがブライドとローズ以外は席を外してもらえないか。」

 もしかしたらギルド長は何か気づいているのかもしれない。

 「えー!なんでだよギルド長。俺も聞きたいんだけど。」

 ある冒険者の男が言う。

 「いいから席を外してくれ。」

 さっきよりも語気を強めに言う。すると

 「分かったよ。」

 と言って出ていった。他の人たちもぞろぞろと出ていく。

 「で、何があったのか聞かせてくれるか。」

 アキラは何があったのか話しはじめた。オークの集落ができていたこと。そこにはオークジェネラルとオークキングがいたこと事細かに。魔族がいたことは伏せていたが。

 「なるほどまさか森にオークの集落ができていたとは気づかなかった。オークキングがいたことも。」

 さすがにギルド長でも気づかなかったらしい。

 「やはり森に何か異常なことがあるようだな。」

次にブライドが

 「でもよくオークキングに勝ったな。災害級だぞ。」

 普通に考えたら災害級なんて勝てるわけがない。疑問に思うのも当然だ。

 「まあ、全てのスキルを使ってなんとかな。それでもかなりギリギリだった。」

 本当にかなり危なかった。正直運が良かったというのもあるがアキラ自身もかなり強くなっているということだ。今後は魔族とも戦うということになれば今のレベルでは到底敵うはずがない。アキラはレベルを上げてスキルももっと手に入れたいがもうここら辺にいる魔物では相手にならない。そこでアキラは

 「ギルド長。俺はもっと強くなりたい。」

 するとギルド長が

 「いやお前はもう十分に強いだろう。オークキングを1人で倒してしまうぐらいに。」

 「それじゃ駄目なんだ。オークキング相手にこんなギリギリの戦いをしているようでは。頼む!ギルド長!」

 アキラからの必死なお願いに少し考える素振りをするギルド長。やがて

 「分かったよ。ここ王都から大分離れることになるが、ダンジョンの街アンドグラムというところがある。」

 やはりこの世界にもダンジョンがあるのか。

 「アンドグラムはこの国で一番難易度の高いダンジョンがあると言われている。そこのダンジョンであればいいレベルアップになるだろう。」

 ここに来てからダンジョンを見てないから行ってみたいと思うアキラ。

 「正直、お前ほどの男を手放すのは惜しいがアキラが行きたいと言うのであれば止めはしない。」

 確かにアキラもここにいるのは居心地がいいので出来ればずっといたいという思いがある。だが、これからはもっと上にいかなければならない。魔族を倒すためには必要なことだ。

 「ギルド長がそう言ってくれるのはありがたいが、それでも俺はそこに行こうと思う。」

 「分かった。行って今よりも強くなってこい。」

 「おう。」

 ダンジョンの街アンドグラムに行く決意するアキラだった。


 数日かけてようやく動けるようになったアキラは出発を翌日に控えていた。既にエミリーにはこの街を出ることを伝えていた。

 「もう明日なんだね旅立つの。」

 と少し寂しそうな顔をしているエミリー。そりゃアキラがこの世界に来てから毎日会っていたのだから。

 「ああ。そうだな。けどもう会えなくなるわけじゃないから。用が済んだらまた帰ってくるよ。」

 そういうアキラだが本当はいつ帰れるのか分からない。エミリーもそれが分かっているから寂しいのだろう。

 「もしエミリーに危険が及んだらすぐに助けにくるから。」

 と言ってエミリーにあるものを渡す。

 「これはなに?」

 現実世界では誰もが使っている携帯電話だった。アキラが渡したものは鳴らすことしかできないが。実は武器屋の店主に知識を教えて作ってもらった。誰にも教えないでくれと念をおして。

 「このボタンを押したら俺が持っている電話がなる。もし危険なことがあったら鳴らしてくれ。すぐに駆けつける。」

 「ありがとうアキラ君。」

 

 翌日の朝、アキラがアンドグラムに行く日だ。これからさらに強くなって誰にも負けないぐらい強くなる決意をするアキラ。いよいよ出発だ。





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