オークの王
続きです
最悪の敵が現れてしまった。どこからともなく現れたそいつの名前はオークキング。オークの王である。オークキング1体で国の兵力を持ってしても倒せず滅ぼされる程だ。そんなやつがこんな森にいるなんて想定もしていなかった。
「ここは俺たちの縄張りだ。人間は出て行け。」
言うや否や攻撃をしてきた。強烈なパンチを次々に繰り出して来た。アキラはそれをギリギリのところで何とかかわしていく。こんなの一発でも食らったら終わりだ。オークキングのスキルにこんなものはない。これはオークキング自体の強さだと言うことだ。スキルを使わずともここまで強い。でかい図体をしているのに疾走を使っているアキラとスピードはさほど変わらない。
「くっ!ここまで強いのか。」
こんなやつにどうやって勝てばいいのかと考えていたところ、
「やるな。人間。これならどうだ。」
と言ってスキルを使ってきた。するとアキラは
「ん、何!動けない。」
一瞬身動きが出来なかった。その隙を見計らってオークキングが強烈なパンチを繰り出してきた。アキラは攻撃が当たるギリギリのときにスキル防御大を使い何とか致命傷は避けられた。
「これがスキル威圧か。こんなに強力だとは。」
致命傷は避けられたがかなりのダメージを負ってしまった。これはかなりやばい。さっきからスキルを消そうとしているが消すことが出来ない。オークキングが突然斧を出し
「一体どこからそんな武器を⁉︎」
その出した斧で攻撃をしてくるオークキング。それを何とか剣ではじいた。
「何!俺様の攻撃が人間ごときにはじかれるなんて。」
アキラに攻撃をはじかれ一瞬隙を見せる。
「今だ!」
その隙を見逃さずなんとかオークキングの能力値を自分に上乗せすることができた。これにアキラが持っている疾走と攻撃系のスキルを全て使う。
「く!長くは持たないけどこれでオークキングの弱点に攻撃できたら。」
アキラは全ての力を振り絞りスキルで見たオークキングの弱点に次々に攻撃を繰り出していき徐々にに押されるオークキング。
「まさか人間がこれほどとは。」
「これで最後だ!」
アキラ渾身の一撃が炸裂した。
「人間ごときにやられるなんて。ばかな。」
オークキングは倒れた。アキラも力を使い果たし倒れてしまった。だが、何とかオークキングに勝利した。
「アキラ!あの子は街に預けてきたわよ。」
アキラがオークキングを倒してから程なくしてローズが帰ってきた。よかった。あの女性は無事みたいだ。
「大丈夫⁉︎アキラ⁉︎」
ローズが心配して駆け寄ってきた。そりゃそうだろう。アキラはぼろぼろの状態で倒れているのだから。
「あぁ。何とか大丈夫だ。もう一切動けないけどな。」
アキラは全ての力を出し切ったせいで指一本動かすことが出来なかった。
「なら良かった。ていうかオークジェネラルだけじゃなくてオークキングまででてきたの⁉︎よく倒せたね。」
ローズはオークジェネラルとオークキングの残骸を見て驚いた。オークキングは災害級の魔物だ。それ1体で国を1つ滅ぼせるほどだ。そんな魔物をアキラが倒しているのだから驚くのも無理はない。
「とりあえずすぐに街に戻って手当してもらおう。肩貸すから。」
「ありがとう。ローズ。」
ローズに肩を貸してもらいながら街に戻った。その時また上空に反応があった。すぐに上空を見てその人物を見ることができた。あのときとは違いレベルが上がったからかそいつが何者か分かるようになっていた。
「またあの人間か。まさかオークキングまで倒してしまうとは。我々の計画に支障をきたすまえになんとかしなくては。」
驚くべきことにそいつは魔族だった。だがすぐに消えてしまった。魔族と言えば召喚された時に国王が言っていたこのアンベッカム王国と戦争を行なっている種族である。もしかしたら今までの森の異常なことは全て裏で手を引いていたのかもしれない。魔族の計画を2度も潰したアキラを奴らが放っておくわけがない。今後は魔族とも戦うかもしれない。オークキングにギリギリの戦いをしているようでは厳しい。今後はさらに強くならなくてはいけない。そう心に誓うアキラだった。
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