戦力
続きです。
アキラはこの調子で転移門で移動していき待機している魔族たちを倒していくことにする。すると他の魔族は仲間がやられていることに気づいたのか全員集まろうとしている。転移門を完全に閉じてアキラが来れないようにしていた。流石に他人が閉じた転移門はアキラでさえも開けることは出来なかった。仕方がないので元の場所に戻り最後の転移門も閉じることにした。これで当分の間はグラスターに来ることはできないだろう。さっきのリーダーの魔族の情報によればグラスターに来る方法はこの転移門だけらしい。流石にこの数をアキラ1人で相手するのはなかなかきつい。取り敢えずこのことをギルド長のセオリスに報告することにする。ギルドにいくとホレスが椅子に座っていた。
「どうかしたのか?アキラ。」
アキラは周りに聞かれないようにホレスに話した。
「あぁ。魔族を見つけたから至急ホレスとセオリスに話すことがあるんだ。」
話しを聞いたホレスは
「分かった。俺が話しを通しておくよ。」
と言って受付嬢に事情を話してくれた。そして今ギルド長室で2人といる。アキラは今日分かったことを2人に伝えた。
「何⁉︎そんな数の魔族が一斉にグラスターに攻め込んでくるのか⁉︎」
流石のセオリスも驚いていた。何でも分かっていそうなセオリスでも予想していなかったようだ。
「その通りだ。奴らは転移門を設置していつでも攻め込める準備をしていたようだ。早くても明日にはグラスターに攻めて来ると考えた方がいい。」
そう伝えるとセオリスが
「分かった。じゃあこちらの方で出来るだけ戦力を準備しておく。」
と言ってくれた。仕事が早くて助かる。
「俺の方でも人手を集めておく。」
「俺はどうしたらいい?」
ホレスが聞くので答えた。
「ホレスは魔族と戦うときまで英気を養っておいてくれ。」
「おう。分かった。」
アキラは早速動き出した。まずはアンドグラムのリリアーナの所まで転移した。
「そりゃ!」
アキラは剣を振っているリリアーナの目の前に転移してしまった。
「うおっ!」
危ない所だったが間一髪の所で剣を受け止めた。リリアーナも驚いた様子だった。
「うわっ!びっくりした。アキラ!いきなり目の前に現れたらびっくりするだろう。」
怒られてしまった。
「いやー、悪い悪い。次からはもう少し離れた所に移動するよ。」
アキラは素直に謝った。するとリリアーナが聞いてきた。
「で、どうしたんだ。何か急な用事でもあるんじゃないのか。」
それに対してアキラは答えた。
「そうなんだ。俺は今グラスターにいるんだけど困った事というかやばいことになっているんだ。」
「その困ったことは何なんだ?」
「近いうちに早かったら明日にでも魔族が襲撃してくるようなんだ。」
それを聞いたリリアーナは驚いた様子を見せた。
「それは本当なのか?一体どれくらいの数なんだ?」
リリアーナはそう聞いてきたのでアキラは正直に答える。
「俺が確認した限りでは大体数は数百体以上だ。」
それを聞いたリリアーナは絶望的な表情をしていた。
「何⁉︎あんな化け物じみた奴らが数百体で襲ってくるのか⁉︎」
そりゃそういう反応にもなるだろう。アキラのお陰でリリアーナも強くなったとはいえ以前対峙したときは全く動けなかったのだから。
「あぁ、そうなんだ。だから今人手を集めているんだ。リリアーナも協力してくれないだろうか。」
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