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戦闘2

続きです。


 アキラは重ね掛けまでして高めた攻撃を弾かれて驚いていた。

 「何!この攻撃が弾かれるなんて!」

 アキラはこの攻撃で決めるつもりでいた。しかし肉体強化を使ったホレスに阻まれた。そこからは一進一退の攻防が繰り広げられた。お互いがお互いの攻撃を完璧に防御している。決め手がない状態である。

 「まさか奥の手の肉体強化を使っても勝てないとは流石の強さだな。」

 それはこちらの台詞である。ここまでして勝てないとは。だがその攻防が長引くにつれてお互いの体力が落ちてきた。疲れてきたのである。アキラがホレスにむかって言う。

 「大分疲れてきたんじゃないか。降参してもいいんだぞ。」

 そう言われると今度はホレスがアキラに言う。

 「アキラの方が疲れているんじゃないか。お前が降参しろ。」

 お互い厳しい状態が続いていく。だがアキラにはあるスキルがある。

 「スキル全回復!」 

 そうこのスキルである。これでアキラの体力は全回復した。

 「うわっ!ずるいぞそのスキルを使うなんて。」

 ホレスはそう言うが使ったもの勝ちである。流石に体力の落ち切ったホレスが全回復したアキラに叶うはずもない。アキラは大剣を弾き飛ばしてホレスの首元に剣を突き立てた。

 「くっ!ここまでか。降参だ。俺の負けだよ。」

 「そこまで勝者はアキラ。」 

 セオリスがそう言い戦いはアキラの勝利で幕を閉じた。本当にギリギリの戦いだった。最初は正直楽に勝てるだろうと思っていた。いくら強くても異世界から来たアキラには叶うはずがないと。ここまでスキルの重ね掛けをしないと倒せない人間は初めてだ。するとホレスが

 「くそー!負けたか。途中勝てそうな場面もあったと思ったんだけどな。」

 と相当悔しがっていた。それと同時に嬉しそうでもあった。これ程までの強さであればここまで接戦を繰り広げたこともあまりないだろう。だからライバルと呼べる存在が出来たことが嬉しいのだろう。ずっと戦いを見ていたセオリスが拍手をしながら話しかけてきた。

 「いやー!素晴らしい戦いを見せてもらった。ホレスとここまで戦えるなんて噂には聞いていたがアキラはここまで強いんだな。」

 とアキラの戦いぶりを素直に褒め称えてきた。それに対してアキラは

 「いや。本当にギリギリの勝負だった。ホレスがここまで強いなんて驚いた。今回は運が良かっただけだ。」

 と言った。

 「そうだろう、そうだろう。なんせ私が戦闘のイロハを叩き込んだんだからな。」

 なんとセオリスがホレスの師匠だったようだ。スキルに恵まれてギルド長が師匠ならばそりゃ強くもなるだろう。ということはセオリスはホレスよりも強いのだろうか。そう考えただけでも嫌である。あまり考えないようにしよう。

 「それはそうと。」

 とセオリスが問う。

 「さっきの2人の戦いを見て思ったんだけどもちろん2人とも本気で死闘を繰り広げていたんだけどそれ以上に楽しんでいた。」

 セオリスもそう感じていたようだ。

 「それでもホレスはやっぱり大分きつそうにしていて、勿論アキラもきつそうにしてたんだけどアキラは少しだけ余裕があるようにも見えた。もしかしてまだ底を見せていないのではないかな。」

 バレているとは思わなかった。アキラは今回は本気でやったつもりだ。だがまだまだ使っていないスキルはあったしステータス表示の力も殆ど使ってはいなかった。そう簡単に見破られるわけがないのだが、その証拠に

 「えっ!まだアキラには上があるのかよ。」

 とほぼ互角の勝負を繰り広げたホレスは驚き、がっくりと項垂れていた。魔族を倒したアキラと互角以上の戦いをしたと思っていたらアキラにはまだまだ上があると知ったのだからそういう反応にもなるだろう。それにしてもセオリスは気づいていたのだから一体どれ程の強さなのだろうか。

 

 


 

 





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