冒険者ギルド
続きです。
そんな話をしていたら冒険者ギルドに着いた。
「さぁ、ここが冒険者ギルドだ。」
と言って男がギルドの中に入っていった。アキラも後に続けて入る。男が受付まで歩いて行き声を掛けた。
「S級冒険者のホレスだ。S級冒険者のアキラを連れてきた。至急ギルド長に繋いでくれるか。」
受付嬢にそう言うと
「はい。分かりました。」
とギルド長を呼びにいった。数分するとさっきの受付嬢がギルド長を連れてきた。またいつものおじさんのギルド長だと思っていたら姿を現したのは若い人だった。30代ぐらいだろうか。
「私がグラスター冒険者ギルドのギルド長セオリスだ。取り敢えずギルド長室に来てくれ。」
と言ってギルド長室に招かれた。あまりにも若すぎるので違うかもしれないと思ったが本当にギルド長だった。
「よく来たな。改めて私がギルド長のセオリスだ。ギルド長にしてはあまりに若いからびっくりしたんじゃないか?」
心を読んでいるかのように言ってきた。確かに思っていたことだ。
「最初見たときは本当にギルド長なのかと思った。」
と正直に言う。
「ははは!そうだろう。よく言われるんだよ。」
ギルド長は笑いながら答えた。やはりよく言われるらしい。アキラでもそう思うのだから。一頻り笑った後本題に入った。
「アンドグラム冒険者ギルドのギルド長からアキラが来ることは聞いていたんだ。ホレスにはアキラが来た時の案内を任せていた。だけどその連絡がきたのは2日ぐらい前の話なんだけどアンドグラムからグラスターまで馬車で来たとして2週間から3週間ぐらいは掛かるんだけど一体どうやって来たのかな?」
事前にギルド長が連絡していたようだ。だがあまりに早すぎるので驚いているようだ。ついさっきホレスにもそのことを言われたばかりである。誤魔化しも利きそうにないので正直に話すことにする。
「知っていると思うが俺のステータスは魔族を倒せるぐらいには強い。そのステータスと疾走というスキルを使うことによってここまで早く来ることが出来たんだ。」
そう言うとセオリスはうんうんと頷きながら聞いていて納得したような表情をしていた。
「なるほどね。嘘はついていないみたいだね。そこまで強いのには驚いたよ。で、君が来たってことはグラスターに魔族がいるっていう考えでいいんだよね?」
話が早くて助かる。
「あぁ。まずいると見て間違いないだろう。それを調査しに来た。」
「頼むよ。魔族をこの街から排除してくれ。それはそうと君が強いのは見ただけで分かるがどれくらい強いのか知りたくてね。ホレスと戦ってみてはくれないだろうか。
アキラはまたかと思った。なんだか新しい街に行くたびに戦いを挑まれているような気がする。これで戦わないと言うわけにもいかなかったアキラはそれを承諾し訓練場に赴いた。
訓練場でアキラとホレスは向かい合っていた。
「勝負はどっちかが負けを認めるか戦闘不能になるまで続けることにする。」
とセオリスが言った。するとホレスが
「アキラの噂を聞いてからお前とは戦いたいと思っていた。初めて会った時こいつはかなり強いと感じてもっと戦いたくなった。」
と言った。やはり冒険者なのかアキラが強いと知っていて尚、戦いたいようだ。
「それでは初め。」
アキラとホレスの戦いが始まった。
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