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こんな奴がいたのか

続きです

 ゴブリンの巣があるところまできた。洞窟の周りを20人で囲み残りの10人で巣の中に入ることになった。他にも出入り口があるかもしれない。ゴブリンを逃がさない為だ。もし、やばそうだったら近くにいる人から巣の中に入るようになっている。

 入り口のところには門番が2体いた。

 「ここは俺の出番だな。」

と言うとスキルを発動させゴブリン2体を眠らせた。男はソンノといって対象者を眠らせることができる強力なスキル持ちだ。これで他の仲間に知らされずにすむ。もし倒し損ねて仲間を呼ばれたら面倒なことになっていた。門番をあっさり倒し中に入る。

 「ここからが本番だ。皆んな気を引き締めていくぞ。」

 アキラはスキルを使いゴブリンたちの位置を把握していた。すると、大体が奥の方に固まっていることに気づいた。奥に進んでいくとちょうど宴会中らしかった。これだと奇襲をかけやすい。エミリーは縄に縛られて牢屋みたいな場所に入れられていた。

 「ソンノ。ゴブリン何体ぐらい眠らされる?」

流石にこの数を全員眠らせるのは無理だろうと思っていると

 「この数だと精々10体ぐらいだな。」

それでも十分ありがたい。入り口はアキラたちが入ってきたとこらだけだと気づき1人に応援を呼ぶように伝えた。作戦に参加している冒険者30人が集まった。

 「よし。奴らは油断している。奇襲をかけて一気に制圧する。いくぞ。」

 ゴブリンとの戦いが始まった。まずはソンノがゴブリンを眠らせてこれで数は90体になった。アキラは疾走を使い一気に倒していく。順調に倒しているとゴブリンたちも状況を把握してきたようで連携を使いだしてきた。こちらも何人かで集まって対応した。ブライドでも苦戦を強いられていて他の皆も徐々にに追い詰められていく。このままだとやられると思ったアキラは一旦距離をとりゴブリン全員が見える場所まで下がった。意識を集中させてゴブリンたち全員のステータスを表示した。

 「流石にこの数を一気に見るのは骨が折れる。」

 そしてゴブリンたちのスキルを見て

 「ゴブリンのスキル全削除!」

 ゴブリンの残り人数80体のスキルを何とか消すことに成功した。この人数のスキルを一気に消したのは初めてだ。アキラにかなりの疲労感が襲ってきた。これではすぐに戦闘には参加できない。だが、

 「ブライド!ゴブリンたちのスキルを消した。これで少しは弱まったはずだ。」

 ブライドに呼びかけた。

 「一体どうやって?いや余計な詮索は不要だな。分かった!皆、一気に畳みかけるぞ!」

 少し疑問に思ったブライドだが、すぐにゴブリンに集中した。スキルが使えなくなったゴブリンは徐々にその数を減らしていき最後の一体を倒しゴブリンたちは、全滅した。回復したアキラは囚われているエミリーを助けようとした時だった。何者かに剣で切りつけられた。間一髪のところで攻撃を回避した。

 「誰だ⁉︎」

 奥からでてきたのは筋肉ムキムキで3メートルまで巨大化したゴブリンだった。

 「何だあれは?」

 いやゴブリンだということは分かる。分かるがあまりにも違いすぎる。スキルを見てみると???と書かれていた。

 「何⁉︎こんなのは初めてだ。」

 スキルが見えなければ消すことはできない。あのゴブリンと真正面から戦わなければならないようだ。

 「ブライド。エミリーを連れて外に出ていろ。あいつは俺が倒す。」

 「なに?あんなやつにどうやって1人で勝つつもりだ?さっきのゴブリンとは訳が違うぞ。」

 そりゃそうだ。見ただけでレベルが違う。おまけにスキルが見えないから消すこともできない。だが、この世界に来てからアキラは相当努力をしてきた。そう簡単にやられたりはしない。

 「だったら他の皆に勝てると思うか?」

勝てるわけがない。

「だったら俺が一緒に」

 ブライドが言い終える前に

 「お前が責任を持って皆を連れて逃げてくれ。絶対に勝って帰るから。

 「分かった。絶対に勝って帰ってこい。」

 ブライドがエミリー、他の冒険者を連れて洞窟を出た。アキラとゴブリンの1対1の勝負が始まった。アキラは疾走を使いゴブリンに攻撃をしようとしたがゴブリンも疾走を使い攻撃を仕掛けてきた。2つの剣がぶつかり合い火花を散らした。

 「お、重い。」

 ゴブリンの剣は鉛のように重かった。パワーが全然違う。

 「だったらこれならどうだ。」

 パワーがダメならスピードだ。アキラは疾走を使いゴブリンを翻弄しようとした。だが、ゴブリンも疾走を使いスピードは全く同じ、いやゴブリンのほうが速い。背後を取られて斬りつけられる。

 「うあ!くそ!どうしたらいい。」

 パワーもスピードも相手が上このままでは勝ち目がない。どうしたらいいかアキラは考えた。少し冷静になってみる。

 「そうだ。能力値。よし見える。」

 能力値は見えるようだ。アキラよりも大分上だ。その能力値を切り取って自分に上乗せした。これで能力値は同じになった。冷静になってみて思い出した。ステータスを見たら相手の動きが分かる。これならいけるかもしれない。剣がぶつかり合い火花を散らしながら戦い続けた。だが、まだ押されている。

 「だったらこれならどうだ。」

 アキラは今まで倒したゴブリンから手に入れた30個分の疾走を同時に使用した。

 「くぅ!」

 この数のスキル使用に体が耐えられないアキラ。持って精々1分程だろう。

 1分で勝負を決めなければならない。

 「1分あればお釣りがくる。いくぞ!」

 動いたアキラ。ものすごいスピードを出しながらゴブリンに無数の斬撃を繰り出す。ゴブリンも攻撃をするが、アキラはそれを避けて四方八方から次々に攻撃をする。パワー勝負には持ち込ませず、スピード勝負で一気に勝負を決めにいく。アキラのスピードに全く反応が出来ずに段々と追い詰められているゴブリン。

 「今だ!」

 だんだん弱っていくゴブリンが一瞬隙を見せた。アキラはそれを見逃さず首を落とし胴体の方も切り刻んでバラバラにした。

「よし。勝った。」

 ゴブリンとの死闘はアキラに軍配が上がった。


 

 

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