強さ
続きです。
「それで今は何をしていたんだ?」
と聞いてきた。アキラは答えた。
「あぁ。実はな。
と何をしているのかを話した。
「何。まだこの街に魔族がいるかもしれないのか。」
リリアーナは驚いた。自分の住んでいる街に魔族がいるかもしれないと聞かされたら当然の反応だろう。
「まぁ。いない可能性もあるが一応調べにきただけだ。あまり気にしなくてもいいぞ。」
とリリアーナに言うが
「いやけど、いる可能性があるのなら警戒しておいた方がいいだろう。私も一緒に調査手伝うよ。」
と言ってくれた。確かにリリアーナぐらい強ければ助かるが何か他に予定があるのではと思ってしまう。本当にいいのだろうか。そう聞くと
「いや、いいんだ。別に急ぎの用事でもないし。それかもしかしたらダメか。手伝うの。」
と言うのでアキラは首を横に振り
「手伝ってくれるのなら助かるよ。ありがとう。」
と素直にお礼を言い2人で調査を始めた。
「それで一体どこから探すんだ?2人で手分けしてしらみ潰しに探すか?」
と言うので
「いや、2人で一緒に探そう。俺のスキルには探知というものがある。魔族の魔力反応は以前見てるからそれと同じ反応があれば分かる。」
攻めてきた魔族の魔力反応は確認済みなので大体分かるだろう。アキラがそう言うとリリアーナが
「そんな便利なスキルがあるなら魔族がどこにいるかなんてすぐに分かるんじゃないのか。」
と聞いてきた。普通はそう思うだろう。だがこのスキルには欠点がある。
「あぁ。実はなこのスキルの有効範囲がそんなに広くないんだ。それに反応があっても詳しいところまでは分からないんだ。だから反応があったらその周りを2人で探してほしい。」
アキラは探知よりも強力な強制探知というスキルを持っている。探知よりも範囲が広く、位置はほぼ完璧に分かるスキルである。こっちを使った方がいいのだがもし使ってしまうとその範囲に魔族がいた場合アキラのことがばれてしまう恐れがあるため出来れば使いたくはない。
「分かった。その時は一緒に探すよ。」
リリアーナはそう言ってくれた。2人で街を順番に回り反応がないか調べていく。さほど変わった反応はなさそうだ。だが気になる反応がちらほらあるがアキラは問題はないだろうと思い気にしないでいた。最後に第3のダンジョンに来た。後はここしか残っていないしここに魔族がいたので可能性は十分にある。
「よし。入るか。」
「ええ。分かった。でも私は途中までしか戦えないぞ。」
リリアーナはそう言うのでアキラは心配しないように言った。
「大丈夫だ。魔物は俺が倒すから」
2人でダンジョンに入った。以前入ったときから更に強くなっているアキラからすればここにいる魔物など最早敵ではなかったのか次々に倒したいきあっという間にボス部屋の前まで来ていた。そのアキラの強さにリリアーナはかなり驚いていた。
「アキラ。こんなに強いのか。レベルが違いすぎる。」
アキラは異世界人なのでこの世界の人よりかは強くなる傾向がある。リリアーナも自分よりも強い人と会うのは殆どないだろう。ここまで自分と強さが違いすぎる人と会うのは初めてのはずだ。
「かなり苦労したけどな。」
アキラも最初は相当弱かった。この世界の人たちよりも。それでもスキルに恵まれて自分なりに研究してここまでの強さを手に入れることが出来た。お陰で自分の大切な人を守ることが出来たので良かったと思っている。
「後はボスだけだ。いくぞ。」
アキラはそう言うと扉を開けてリリアーナと共に中に入った。そこで待ち受けていたのは。
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