表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/47

ゴブリンとの戦闘

続きです

 翌朝、ギルドにて初めて魔物の依頼を受けることになった。今までは薬草採取の依頼をしながらスライムを倒していたぐらいだからようやくまともな戦闘をすることになりそうだ。

 「魔物はゴブリン5体ですね。ゴブリンとは1体ずつと戦うようにしてください。ゴブリンは連携に優れているので大勢とやりあうのは分が悪いですから。」

 ゴブリンは1対1だとたいして強くはないが、集団戦における戦いではとても息のあった連携をして非常に面倒な魔物である。その実力は上位ランクの冒険者にも匹敵するほどだ。

 「分かりました。気を付けて行ってきます。」

 「はい。頑張ってください。」

 ギルドをあとにしアキラはゴブリン討伐へ森に出かけて行った。


 森に来たアキラは早速スキルを発動させゴブリンの位置を把握した。すると近くに1体いたのでスキル疾走を使い不意打ちで頭を切り落とした。

 「よし。討伐完了。」

 この調子で一気に倒し、あとは最後の1体だけとなった。最後のゴブリンを探していたら複数の反応と重なるように人間の反応があった。その人間はアキラが泊まっている宿屋の看板娘のエミリーだった。そういえばアキラが起きたときにはいなくて森に出かけたと言っていた。どうやらゴブリンに捕まったようだ。アキラはやばいと思いすぐに助けに向かった。ゴブリンは4体いてエミリーはそのうちの1体に担がれて気を失っていた。だがどうもおかしい。近づいて気がついたのだがゴブリンは洗脳されているようだった。目が虚ろになっていて命令を忠実にこなしているように見えた。しかも、どのゴブリンも強力なスキルの疾走と攻撃力大を持っていた。一般的なゴブリンでは、こんなスキルは持っていない。何かがおかしい。その時、ゴブリンの1体がこちらに気づいた。

 「なぜ気づかれた⁉︎」

 アキラは気配を消し一定の距離を保ちながら追跡をしていた。バレる距離にはいないはずなのだが。ゴブリンはエミリーを担いでいる1体を逃がし3体で襲いかかってきた。

 「仕方ない正面から迎え撃つしかない。スキル疾走。」

 アキラはスキルを使い一気に倒しにかかった。するとゴブリンもスキルを使い巧みな連携で攻撃をしてきた。速さは同じで相手は3体、徐々に追い詰められていくアキラ。

「こうなったら疾走と攻撃力大、削除。」

 アキラはゴブリン3体のスキルを一時的に消した。スピードを落としたゴブリンたちに対してアキラはそのままのスピードで向かいバラバラに切り刻んだ。すぐにもう1体のゴブリンを追いかけた。もうすぐというところで洞窟に入っていった。

 「こんなところに巣ができていたのか。」

 すぐに入ろうと思ったがあることに気づいて入るのをやめた。

 「なんだこれ。」

 なんとその巣穴の中に100体を優に超えるゴブリンがいた。どのゴブリンも洗脳をされていて強力なスキル持ちだった。さすがにこれだけのゴブリンを相手にするのは無理そうだ。急いで冒険者ギルドに応援を呼びに行った。

 「大変だ!みんな!はぁはぁはぁ!」

 息を切らしながらみんなに呼びかけた。

 「どうしたんだアキラ。」

 そう声をかけてきたのはこのギルドの中でもかなりの実力者のブライドだ。

 「この近くの森に100体を超えるゴブリンが巣をつくっていた。」

 と言うとブライドは驚いたように

 「何?そんな数のゴブリンがいるのか⁉︎」

 「ああ。だがそれだけじゃない。ついさっき女性がゴブリンに連れて行かれた。」

 「本当か⁉︎すぐにギルド長に連絡しよう。エリザ!」

「はい。今すぐ連絡します!」

 とエリザがすぐにギルド長に連絡して冒険者ギルドに所属している30人が会議室に集まった。

 「報告を受けたがこのことは本当か?アキラ。」

とギルド長がアキラに聞いた。

 「本当だ。巣の中には100体のゴブリンがいて女性が1人捕まっている。」

 するとギルド長は

 「どうやって分かった?お前の実力は認めるが、スキルがないんだから中の様子までは分からないだろう。巣の中に入って調べたわけでもないんだろう?」

 痛いところを衝いてきた。中の様子が分かったのは、ステータス表示で見たからだがそんなことを今この場では言うわけにはいかないアキラは頭を抱えて、

 「それが分かった理由は今は言えない。だが言っていることは本当だ。」

 「別に疑っているわけじゃない。疑問に思っただけだ。」

 何とかやり過ごせた。だが大分怪しんではいた。このことが終わればギルド長には話しておいたほうがいいとアキラは思った。

 「ゴブリンは普通のゴブリンより数段強く強力なスキルも持っているようだった。」

するとブライドが、

 「何か最近弱いはずの魔物がやたら強くなっているんだがそれと関係あるか?」

 と言うと他の冒険者もそれに理解を示していた。やはり森全体で異常なことが起きているらしい。

 「俺が見たゴブリンは、目が虚ろになっていて誰かに洗脳されているようだった。もしかしたら洗脳しているやつが魔物を強くしているのかもしれない。」

 一体誰がこんなことをしているのかは知らないが、今回の件で尻尾を掴めるかもしれない。ギルド長が

 「まずは女性の救出を第一に考え、そして裏で糸を引くものを見つけ出せ。」

 作戦を練り終わったらすぐにゴブリンの巣がある森へと向かった。

 「無事でいてくれエミリーすぐに助けてやるから。」

 エミリー救出作戦が今、始まろうとしていた。

 

読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ