これからのことについて
続きです。
魔族の他にも驚異となる、人間を脅かすものがいるのだろうか。
「もしかしたらこの国か或いは他の国にまた魔族が襲ってくるかもしれない。その時は十分に注意してほしい。そして本当に魔族が襲ってくるようなことがあれば遠慮なく倒してほしい。私の方でもできる限り手助けをしたいと思う。」
ベイルがそう言い会談は終わった。
魔王との会談は終わり魔王たちは帰っていった。これからどうするかリンシア女王、ギルド長、ヒカル、そしてアキラが話し合った。本当はアキラはこういう話し合いというのはしたくないのだがそうもいっていられない。魔王とは反対勢力の魔族、それに未だ正体の分からない謎の敵もいる。まだまだ分からないことだらけだがそれでもなんとかしていくしかない。
「これからのことですが魔王がいうにはここアンベッカム王国だけでなくほかの国も魔族あるいはほかの何かに襲われる可能性があるといってもいいでしょう。ヒカルさんにはこれからもこの国を守っていただきたいと思っているのですがよろしいでしょうか。」
とヒカルに国を守るように言ってきた。一度魔族が攻めに来ているとはいえもう来ないとは言い切れないので念には念を入れておきたいのだろう。ヒカルは
「はい。了解しました。国を守れるように全力を尽くします。」
と言い了承した。
「アンベッカム王国以外に魔族に襲われたという情報は入ってきてないので他の国はまだ大丈夫だと思います。ですがもしかしたら潜伏していたり、洗脳していたりしている可能性はあるかもしれません。ギルド長には冒険者の皆さんと共にそういう国などがあるかどうかを調査してほしいと思います。私のほうから他の国には連絡しておきます。」
と今度はギルド長にそう伝えると
「了解しました。私の方で調査しておきます。」
と言い了承した。
「見つけ次第冒険者、騎士団、ヒカルさんで何とか対処をする様にしましょう。
と大体話しがまとまった。アキラは何もしなくていいのかと思っていた。確かに勇者になることは拒否した。リンシア女王だってアキラに何か言うことはしづらいだろう。魔族を何とかしなければアキラがこの国で知り合った多くの人が死ぬかもしれない。エミリーに宿屋の皆、冒険者のみんなだって魔族に殺されるかもしれない。冒険者、騎士団では魔族に対抗できないだろうしヒカルだって上位の魔族と戦うのは厳しいだろう。魔族に対抗するにはどうしてもアキラの力が必要不可欠だ。3人ともそれが分かっているにも関わらずアキラには何も言えないでいた。それだったらアキラから言うしかない。
「3人とも俺に気を遣わなくていいぞ。俺の力が必要なぐらい俺にだって分かる。」
アキラがそう言うとギルド長が
「いやしかしお前は。」
と言い、リンシア女王も
「アキラさんには今まで酷いことをしてきましたのに。」
とそこで言葉を止めた。2人ともやはりあのことを気にしているようだ。悪いのはあの前国王で2人は何も悪いことをしていないのに。
「2人とも別にいいよ。まぁ、たしかに勇者になるのは拒否したが何もしないとは言ってないだろう。」
アキラがそう言うとヒカルがアキラの目を見て聞いてきた。
「アキラ。本当にいいんだな。力を貸してもらっても。」
アキラは
「当然だろう。俺だってこの世界に来て大切な人ができたんだ。いくらでも力を貸すさ。」
と言った。エミリーを守るためなら何だってする。
「ただ条件がある。」
とアキラが言った。女王が
「その条件とは?」
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