最後の戦い
続きです。
「行くぞ!ヒカル!」
「ああ!アキラ!」
上級魔族との戦闘が始まった。2人で攻撃を仕掛けた。凄いスピードで攻撃するが魔族はそれを全て避け反撃までしてきた。それをなんとか防御するアキラとヒカル。今度は魔族から攻撃をしてきた。2人を相手に一糸乱れぬ攻撃を繰り広げる。アキラとヒカルは何とか魔族の攻撃についていけている。こっちは2人なのに魔族と互角の戦いだ。今度は左右から攻撃を仕掛けた。2人で連携を取り緩急をつけた攻撃をする。タイミングをずらされた攻撃に驚いていた。あと少しで当たりそうだったが既の所で避けられた。
「今のは危なかった。なかなかやるな人間。まさか2人もこんなに強い人間がいるなんて思っていなかった。こいつらじゃ勝てないわけだ。」
2人の強さを認める魔族。ヒカルも上級魔族を相手に何とか戦えている。
「そろそろ本気でいくとするか。スキル魔族流肉体強化!」
禍々しい姿に変わる魔族。やはりこのスキルを使えるようだ。中級魔族のときとは桁違いにステータスが上がっている。こちらも更にスキルの重ね掛けをする。これ以上の重ね掛けは正直言って長くは持たない。ヒカルにもスキルの重ね掛けをする。やはりかなりきついようだ。
「こちらも行くぞ!」
「おお!」
こちらから攻撃を始めた。2人でスピードを出しながら至る所から攻撃を仕掛けた。魔族のスピードはそれほど変わってないので2人の攻撃は当たっているのだが体が硬すぎてダメージを与えることが出来ない。今度は魔族が攻撃をしてきた。一撃一撃がものすごい威力で1発でも当たればただでは済まない。ただスピードはそれほど速いわけではないので気をつけていれば当たることはない。このままでは中々決着がつかずにアキラ達の時間切れとなってしまう。それではいけないと思ったアキラはあの技を使うことにする。それを使うためには一定時間集中する必要がある。
「ヒカル。1つだけ勝てる方法がある。」
「本当か⁉︎一体どんな方法が?」
ヒカルはそんな策があるのかと思っていると
「ただそれをするためには集中する必要があるからその間はヒカルに1人で戦ってもらうようになる。大丈夫か?」
この魔族を相手に1人で戦うのはかなり厳しいがこれしか方法がない。
「分かった。なんとかやってみるよ。」
ヒカルが1人で戦っている間、魔族のステータスを見る。やはりスキルがぼやけている感じがする。このままではスキルを消すことが出来ないので集中する。ヒカルも1人でなんとか頑張っている。その間がチャンスだ。集中して見ているとぼやけているのが段々とはっきり見えるようになってきた。
「今だ!」
一瞬だけはっきり見えるときがあったのでそれを見逃さずに魔族のスキルを消すことに成功した。戦いながらでは絶対に出来なかっただろう。ヒカルがいてくれて良かった。ヒカルはあと少しのところでやられそうになっていた。ぎりぎりのところだったようだ。スキルを消された魔族は徐々に元の姿に戻っていった。
「何⁉︎なんだ突然⁉︎何で元の姿に⁉︎」
元の姿に戻った魔族は驚愕していた。
「一体何をしたんだ?アキラ。」
ヒカルも驚いていた。
「俺のスキルには一時的に相手のスキルを消去できるスキルを持っているんだ。それでスキルがなくなった魔族は元の姿に戻ったんだろう。」
自分のスキルを説明するアキラ。
「そんなスキルを持っていたのか。」
そんな相手のスキルを消すことができるなんて驚きを隠し通せないヒカル。この世界ではスキルがなかったら基本的に何も出来ないからだ。
「今がチャンスだ。行くぞ!」
アキラが言って攻撃を始めた。目にも留まらぬ速さで怒涛の攻撃をするアキラとヒカル。スキルを使えない魔族は速さについていくことも出来ずやられ放題だ。
「くそ!こんなことが!」
「これでとどめだ!」
2人でとどめの一撃を決める。魔族は無惨にも斬り裂かれてその場に倒れ込んだ。アキラとヒカル、2人がいたからこそ勝つことが出来た。
「はぁはぁはぁ!勝ったなヒカル!
「ああ!アキラ!」
だがまだ周りには大勢の魔族が残っている上級魔族との戦いでほとんど力を使い果たした2人にはもう戦う力のなど残っていなかった。
「どうするアキラ。俺はもう戦えないぞ。」
そう言うヒカルにアキラはスキル超回復を発動させた。
「何だ。急に力が。それに傷も治ってる。」
「これでまだ戦えるだろ。」
アキラも超再生を使って回復した。アキラには回復スキルがあるからまだまだ戦える。2人で残った魔族を一掃して王都に襲撃してきた魔族を全員倒すことに成功した。アキラとヒカルの勝利だ。
第1章 完
読んでいただきありがとうございました。
今回でとりあえず第1章完結ということになります。皆さんのおかげでここまで書くことができました。本当にありがとうございました。
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少しの間休んでから第2章を始めたいと思います。その時はよろしくお願いします。