2人での戦い
続きです。
アキラを助けてくれたのは知っている人物だった。
「お、お前は!」
なんと異世界召喚された時に一緒に召喚されていたヒカルだった。アキラはすぐに城を追い出されたのでろくに話はできていないが勇者として召喚されていたのでステータスが異様に高い男だった。だがヒカルは国王の護衛として国から逃げたと聞いていたのだがどうしてここにいるのだろうと思っていたら
「国王から聞いたんだが実は勇者召喚は魔族と戦うためにしたのではなくて国王を守るためだけに勇者を召喚したらしい。」
衝撃的な事実だった。そんなことのために勝手な都合でアキラ達をこの世界に呼んで、使えないと思ったら簡単に見捨てられたアキラは怒りを覚えた。
「そんな理由で俺は呼ばれたのかと怒ったんだ。国王のことはどうでもいいがこの国の人たちのために戦いたいと思った。国王たちを逃げれないように捕まえてからすぐに戻ってきたんだ。」
ヒカルもアキラと同じ気持ちだったようだ。国王のためなんかではなくてこの国の人たちのために戦いと思っていたようだ。
「それで戻ってきたら冒険者が戦っていて危ないところだったから急いで助けに向かった。そしたらその冒険者がアキラだっから驚いたよ。すぐには気づかなかった。」
ヒカルに助けてもらわなかったら本当に危なかった。ステータスを見てみると純粋な強さだったらダンジョンでかなり強くなったと思っていたアキラと同じぐらいかそれ以上だった。スキルはアキラの方が多いのでスキルを上手く使えばアキラの方が強いかもしれないがそれでもヒカルはかなり強い。
「俺もこの世界で生きていかなければいけないからレベルを上げて強くなるように努力したんだよ。それでこの国の人にはお世話になったから何か恩返しをしたくて魔族と戦っていたんだ。」
ヒカルがいれば魔族にも勝てるかもしれない。アキラと一緒に戦ってほしいと言った。すると
「ああ。俺もそのつもりだ。ぜひ協力させてくれ。」
と言ってくれた。ヒカルがいれば百人力だ。そこでアキラは一つ気になっていたことを聞いてみた。
「仲間が人質になっていた時に突然魔族の首が落ちて倒れたんだがあれもお前が?」
するとヒカルは
「ああ。遠くから千里眼で見ていたんだがアキラがやばそうだったからな。斬撃をとばしたんだ。上手く首に当たって良かったよ。」
そんなことも出来るのかと驚愕するアキラ。確かにヒカルには千里眼という名前のスキルがあるが攻撃にも使えるとは思わなかった。
「あのときもヒカルが助けてくれていたんだな。ありがとうヒカル。」
アキラはお礼を言った。
「いいんだよ別に。それに俺はアキラが追い出された時何も出来なかったからな。これぐらい当然だ。」
どうやらヒカルはあの時のことを後悔していたらしい。
「でもあのときはまだこっちに来たばっかりで何も分からなかったししょうがないだろ。ヒカルは悪くないぞ。」
「ありがとう。アキラ。でもやっぱりそれとは別で俺はアキラの力になりたいんだ。」
「分かった。頼りにしてるぞ。ヒカル。」
アキラとヒカルは2人で魔族と戦うことになった。まず国民が捕まっている場所を特定しそこに向かった。近くにいくと捕まっている人たちの周りに大勢の魔族がいた。
「この数だけどいけるな。ヒカル。」
ヒカルに聞くと
「ああ。もちろんだ。アキラ。」
大勢の魔族にたった2人で挑むことになった。アキラは少しでもと思いステータス上昇のスキルをかけた。
「これは?」
聞いてきたヒカルに
「ステータス上昇のスキルをかけた。これでステータスがぐんと上がったはずだ。」
「ありがとう。アキラ。」
「よし。じゃあ行くぞ!」
戦闘が始まった。突然現れた2人に戸惑いを見せる魔族だったがすぐに冷静になり戦い始めた。アキラは最初から全力でいくことにした。
「武器生成ルインソード!武器強化。肉体強化。ステータス上昇。」
自身のステータスを上げるスキルを全て使うだけでなく重ね掛けをした。レベルが上がったので体への負担もなく使用することができる。大体1撃や2撃くらいで魔族を倒すことができた。ヒカルも多数の魔族を相手に全く引けを取っていない。2人でどんどん倒し一気に数を減らしていた。
「お前ら一体何をしてるんだ!相手はたった2人なのに情けないぞ!」
仲間の戦いに憤りを感じたのか大声で叫んだ。
「こいつらは俺がやる。お前らは離れてろ。」
その魔族は今まで戦った魔族とはレベルが明らかに違っていた。恐らくは上級魔族だろう。だがアキラとヒカルの2人であればどんな奴にも負けないという自信があった。
「行くぞ!ヒカル!」
「ああ!アキラ!」
2人で上級魔族に挑んでいった。
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