まさかの人物
続きです。
魔族との第2ラウンドが始まった。アキラはルインソードで1体に斬りかかりにいった。やばいと感じ取ったのかすかさず防御した。だがルインソードの切れ味は抜群なので切断までは出来なかったが傷をつけることは出来た。さっきまでは傷をつけることさえ出来なかったのに。
「何⁉︎この俺に傷をつけただと⁉︎」
魔族は驚いていた。そりゃそうだろう。さっきまでは魔族の動きにさえついていけなかったのに傷をつけられたのだから。
「次はこっちの番だ!」
今度は魔族が3体で攻撃を仕掛けてきた。さっきと同じで3体の連携攻撃がかなり厄介でなかなか対処するのが難しいがアキラは全ての攻撃をいなして完璧に防御していた。ルインソードを装備したことによってステータスが段違いに上がったアキラであれば難しいことではない。
「この攻撃まで防御するか⁉︎」
魔族のスピードに全くついていけていなかったのに今では追いついているどころか余裕すら感じる。
「お前の攻撃はこの程度なのか?」
アキラは魔族を挑発した。
「俺の動きについてこれるか。」
今度はアキラが攻撃をした。
さっきまでの動きとは段違いのスピードで魔族3体を相手に攻撃をしていく。アキラのスピードについていけずに次々に攻撃が当たっている。攻撃力も上がっているので徐々にダメージを与えている。
「アズキエルからその剣の情報を聞いてはいたがまさかここまで変わるとは思ってもいなかった。」
魔族もこの剣のことは知っていたらしいがこんなに強力だとは思わなかったようだ。アキラもこの剣がなかったら危なかった。アキラは一気に勝負を決めに行く。
「行くぞ!スキル肉体強化、スキル武器強化!」
パワーとスピードを上げて一気に決める。風魔法で3体を別々に吹き飛ばし1体1体を剣で斬り刻む。2体を一瞬で倒し後は最後の1体だけとなった。
「ま、待て!話せば分かる。そうだ!お前を仲間に入れてやる。お前ほどのヤツだったらかなりの戦力になる。」
仲間を2体を一瞬で倒されたので絶対に勝てないと悟ったのか命乞いをしてきてあまつさえ仲間になるように言ってきた。よほど殺されたくないようだ。だがアキラは街の皆を攫っただけではなくてエミリーを危険な目に遭わせた魔族を許すことはできない。
「勝手なことを言うな!俺の大事な人たちを危険な目に遭わせやがって!お前はここで俺が倒す!」
アキラがとどめを刺そうとした瞬間、不敵な笑みを浮かべていた。何だと思っていると
「今だ!殺れ!」
と叫んだかと思えば急に左右、後ろから3体の魔族がアキラに襲いかかってきた。
「何⁉︎」
突然襲ってきた魔族にアキラは驚いていた。念話で通信を取っていなかったしステータス表示でも周りには誰の反応もなかった。なので前回みたいに奇襲は受けないだろうと思っていた。魔族の方を見ると
「残念だったな。お前のスキルのことは対策済みだ。お前にバレないように仲間に連絡を取り周りに潜ませ機会をうかがっていた。お前を確実に倒すためにな!」
どうやらアキラのスキルを知られていてどうやったかは分からないがアキラに気付かれないようにしていたらしい。魔族側に鑑定士でもいるのかもしれない。急なことで焦っていたアキラはすぐには対応できず無防備で攻撃を受ける。
「やばい!殺られる!」
と思っていた時、急に人影が現れたかと思ったら襲ってきた魔族を次々に倒しそれに気づいたアキラも最後の1体を何とか倒した。助かった。まさかこうも簡単に魔族を倒せる奴がいるなんて思わなかった。そこでギルド長が人質に取られた時に突然倒された魔族がいたことを思い出した。もしかしたらその時に助けてくれた人かもしれないと思った。
「何だお前ら!俺たちを倒せるのが2人もいるなんて聞いてないぞ!」
魔族はびっくりしていた。完全にアキラの不意を突いていたのに突然現れた人間に倒されたのだから当然だろう。
「残念だったな?完全に不意を突かれてやばいと思ったがまさか俺と同じぐらいの実力を持っている人間がいるなんて思わなかった。今度こそとどめを刺してやる。」
「うわぁー!」
なんとか中級魔族を倒すことに成功した。まさか魔族がこんなスキルを持っているとは思わなかった。実はこの中級魔族にはスキルをうまく見ることが出来ずにいてスキルを消すことも出来なかった。こんな奴がいるんだったらこの先の戦いも厳しいものになるだろう。アキラは助けてくれた人にお礼を言った。
「ありがとう。助かったよ。あのまま攻撃を受けていたら危なかった。」
そこでその人の顔を見たら驚いた。
「お、お前は!」
何とそいつはアキラが知っている人物だった。
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