魔族との戦闘
続きです
スキル転移で王都ザニーグに着いたアキラ。もう既に魔族が襲撃しているようだ。
「ステータス表示!」
すぐにエミリーの居場所を特定する。さっきから電話がずっと鳴っているので危険な状況が続いている。エミリーの場所が分かったが近くに魔族がいた。
「やばい!早く助けに行かないと!」
すぐに行かないとエミリーが危ない。アキラはスキル疾走を使い全速力でエミリーの下へ駆けつけた。
「こちらへ来てもらおうか。」
見える距離までいくとエミリーが魔族に連れて行かれそうになっていた。
「きゃあー!アキラ君!」
スピードを加速させて助けにいく。
「エミリー!大丈夫か!」
エミリーを連れていこうとしていた手を払いのけた。アキラを見た瞬間安心したのかそれまで我慢していた涙が溢れ出し抱きついた。
「アキラ君!怖かったよ!」
余程怖かったかなかなかアキラから離れようとしない。
「ごめんな。怖い思いをさせて。俺が来たからもう大丈夫だ。」
エミリーに言葉を掛けていると魔族が驚いたような声を出した。
「お前は!何故ここにいる⁉︎今はアンドグラムにいるはずでは⁉︎、」
アキラがここにいるのが信じられないようだ。そりゃそうだろう。本当だったらここからかなり離れたところにあるアンドグラムにいるはずだから。もしその街から来るとしても何日もかかるだろう。
「おい。アズキエルはどうした。お前の足止めをしていたはずだが?」
一瞬名前を聞いて誰だか分からなかった。足止めと聞いてさっきまで戦っていた魔族だと分かった。まだ仲間には伝えていないらしい。
「あいつは俺に勝てないと分かったら逃げたよ。」
まあ逃げたのは事実だからそういうしかない。それを聞いた魔族は、
「はっはっは!逃げたのかあいつ。情けない奴だな。」
突然笑い出した。アキラが強くてアズキエルは逃げ出したのに随分と余裕そうだ。
「何がおかしい?」
聞くと
「アズキエルは逃げ出すし他の奴らもお前のことを警戒しているが俺はお前がそんなに強いとは思わない。」
どうやらこの魔族はアキラのことを強いとは思っていないようだ。恐らく魔族が人間なんかにやられるはずがないとでも思っているんだろう。確かに少し前までのアキラであれば今目の前にいる魔族にだって勝てはしないだろう。だが、ダンジョンで何ヶ月もレベル上げをしていたアキラであれば最早敵ではない。
「じゃあやってみるか?そう簡単にお前にはやられはしないけどな。」
「いいだろう。お前の強さを確かめてやる。」
魔族との戦闘が始まった。アキラは剣で襲いかかる。魔族は防御もせずに剣を体で受けた。体が硬いのでダメージを与えられない。
「なんだ。やはりこんなものか人間は!」
魔族は余裕そうにしていた。アキラの攻撃が全くダメージを与えられないので当然かもしれない。だが、アキラにはスキル武器生成があるので警戒はしておいたほうがいいのだがそのことは知られていないらしい。魔族のほうもスキル格闘術があるので拳で攻撃をしてきた。ものすごいスピードで繰り出してくるがアキラはそれを次々にかわしていく。常人であれば避けられないほどの攻撃なのだがアキラからしたら遅いくらいなので簡単に避けられる。
「チッ!ちょこまかと避けやがって!」
全然攻撃が当たらないので段々とイライラが募ってくる魔族。
「お前の攻撃はこんなものか?」
攻撃を避けながら挑発をするアキラ。
「なんだとー!舐めやがって!」
魔族は周りが見えなくなるぐらい怒っていて冷静さを欠いていたので攻撃も単調になっていった。剣だと攻撃が通らないのでスキル物理攻撃力増加、スキル格闘術を使い拳で攻撃していく。魔族の体に強烈な一撃を与えた。
「ぐはっ!」
やはり魔族には拳のほうがダメージを与えやすいらしい。お腹を押さえながら跪き悶える魔族。なかなか立ち上がれずに苦しそうにしていた。
「はぁはぁはぁ。くそっ!まさかここまで強いなんて。」
魔族は自分が思っていたより遥かに強いので驚愕していた。
「人間なんかが魔族に勝てるわけがないと思っていた。他の奴らもなんでこんな奴を警戒しているのかと思っていたがここまでとは。化け物だな。」
アキラは連続で攻撃していき徐々に魔族を追い詰める。魔族も反撃をしようとするが明らかに動きが鈍っているしパワーもないので簡単に受け止められる。相当なダメージを受けているようだった。
「確かにお前は強いが俺は魔族の中では下の方の実力だ。俺より強い魔族は大勢いる。そんな奴ら相手にお前は勝てるかな?」
この魔族でも相当強いと思っていたが更に上がいるらしい。
「それでも俺は皆を守るためにお前ら魔族を倒す。」
アキラは最後に強烈な一撃を叩き込んだ。その攻撃に耐えきれず倒れてしまった。アキラの勝ちだ。
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