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黒幕

続きです

 そこには魔族が立っていた。以前オークキングを倒したときに上空にいた魔族と同じである。

 「ゴブリンやオーク、森の異常な活性化の犯人はお前だな。」

 ゴブリンのときもオークのときもこの魔族を見かけていた。さっきオークキングが急に強くなったのもおそらくこの魔族の仕業だろう。

 「よく気づいたな。まさか気付かれているとは思わなかった。やはり油断ならない人間だ。」

 魔族のほうでもアキラのことをマークしていたらしい。やる事なす事アキラに潰されているのだから当然だろう。このダンジョンでも何か良からぬ事を考えていたに違いない。

 「このダンジョンで何をしていた!」

 アキラが聞くと魔族は

 「ここのダンジョンにはレベルの高い魔物が多い。その魔物を俺たち魔族がさらに強力にしてこちらの戦力にしようと考えていた。」

 アキラがさっき倒したオークキング並みの魔物が襲ってきたらこの国は終わりだろう。この世界に召喚されたときに魔族とは休戦中だと国王が言っていたが魔族たちは密かに国中に散らばり攻撃の機会をうかがっていたらしい。人間の技術力は魅力的だそうでなるべく被害を抑えたいようだ。おかしいとは思っていた。魔族が本気を出せばこの国など一瞬にして制圧されるだろう。国王はそんなことには少しも気が付いてはいなかったようだ。

 「お前がいたらこちらの計画に支障が出そうだからな。ここで倒させてもらう。」

 魔族の実力はさっきアキラが倒したオークキングをはるかに上回る。互角の戦いをしていたから勝てると思っているのだろう。だがアキラはオークキングを倒したときにレベルがものすごい上がっているからこの魔族にも勝てるぐらいの実力になっていた。

 「お前の計画はここで俺が止めてやる。」

 戦闘が始まった。スピードを上げてアキラから攻撃を仕掛けた。魔族の方は剣で攻撃を受け止めた。すぐさま間髪入れずに攻撃。魔族は防御出来なくなり攻撃が当たり始めた。だが魔族の皮膚は相当硬いためダメージはなかなか与えられない。

 「くっ!ここまで強いのか。だがダメージを与えられなかったら意味がないだろう。」

 魔族の言う通りだ。そこでアキラはあのスキルを使うことにする。

 「スキル武器生成。いでよルインソード。」

 ルインソードで真正面から攻撃を与える。魔族は剣で受け止めたが剣は折れてしまって体に傷ができ大きなダメージを与えられた。

 「何だこの威力は⁉︎これがさっきのあの剣か!」

 ものすごい威力に魔族は驚いていた。さっきまで傷一つつけられなかったのに一瞬でここまでの深手を負うとは思わなかったのだろう。

 「くくくくく!まさかここまでやるとは思わなかったぞ。お前には勝てそうにない。」

 不敵な笑みを浮かべながら言った。今アキラに負けそうになっているのに随分と余裕そうだ。

 「だがこんなところで俺の相手をしていていいのか?」

 何かを企んでいそうな顔だ。

 「どういう意味だ。」

 何を言いたいのか分からずに聞くアキラ。

 「俺はお前がこの街のダンジョンに来ると分かってからここでずっと待っていた。お前を足止めするためにな。」

 どうやらアキラがここに来るのが分かっていたらしい。確かにこのボス部屋に来るのは時間がかかった。もしかしたらこの魔族が魔物を強くしていたのかもしれない。

 「どうして俺の足止めを?」

 アキラの足止めをして一体何をする気なのだろう。

 「ピリリリリ!ピリリリリ!」

 すると突然電話が鳴った。電話が鳴るということはエミリーに危険が迫っているのだろう。もしかしたら魔族が言っていたことはこのことかもしれないとアキラは思った。

 「ま、まさか⁉︎」

 アキラが驚いたような声を出した。すると魔族が不敵な笑みを浮かべ、

 「ようやく気づいたか。そうだ今、王都ザニーグを襲撃している。俺の役目はお前を王都に来させない事だ。」

 魔族はアキラがいない隙を見計らって王都を襲撃しているようだ。ブライドたちが頑張ってくれるだろうが流石に魔族には敵わない。早くアキラが助けにいかなければ。

 「今から王都に行っても数週間はかかる。もう間に合わない。残念だったな。」

 この魔族の言う通りだ。普通に王都に行けば数週間はかかる。今のアキラの実力であればもう少し早く着けるだろうがそれでも数日はかかる。どうしたって間に合わない。だがアキラにはある考えがあった。

 「確かに今から向かっても間に合わない。普通に行けばな。」

 「何か考えでもあるのか。諦めろ。どうしたって間に合わない。」

 アキラは前にオークキングから奪っていたスキル転移を持っていた。以前オークキングが突然現れたのがこのスキルだ。一度行ったことのある場所ならば一瞬で移動が可能である。これでみんなを助けられる。考えに至ったのか魔族が

 「まさかお前俺たち魔族と同じスキル転移を持っているのか。」

 「今頃気づいたか。俺は今から助けに行く。」

 「仲間に報告せねば。じゃあな人間。」

 魔族が逃げようとしたので

 「待て!」

 と言って止めようと思ったが少しのところで逃げられた。アキラも転移ですぐに王都に行く。

 「何とか持ち堪えてくれ。みんな。」

 アキラは魔族と戦うために王都へと向かう。

 


読んでいただきありがとうございます。

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