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やっぱり俺は異世界でも弱い。

初めて異世界小説に挑戦してみました。

 アキラは何をやってもダメダメだった。運動をしてもいつもアキラのいるチームは負けるし、勉強をしてもテストでは赤点ギリギリで授業で当てられても全然答えられない。おまけにクラスメイトからは笑われる。友達なんて出来た試しがない。今日も学校に行くのが憂鬱で仕方がない。アキラはそんなふうに思っていた。学校に行く準備をしていると突然自分の足元に魔法陣のようなものが出てきた。

 「え?なに!?」

とアキラは驚いた。そりゃそうだろう。突然魔法陣が出てきたんだから。アキラはその魔法陣の中に吸い込まれていった。

 「勇者の召喚に成功したぞ!」

開口1番こう言われた。周りには大勢の人がいて何だろうと考えがまとまる前に奥に座っているいかにも王様みたいな服装をしている人が

 「私は、アンベッカム王国の国王ニコラス・アンベッカムである。今、我が国は魔族と戦争を行っていて防戦一方が続いている。今は休戦中だがまたいつ始まってもおかしくない状況だ。そこで勇者様にこの国の窮地を救ってほしい。」

 まさかとは思ったがどうやら異世界召喚されたらしい。ここ数年で異世界が流行っていてアキラも漫画やアニメが大好きでよく異世界に行ってみたいと思ったものだ。けれど、実際に来るとなると話は別だ。だってアキラは運動は全く出来ないし魔族に対抗できるとは到底思えない。そんなことを思っていたら恐らく執事であろう人が国王に言った。

 「国王。召喚した勇者は1人のはずですがここには2人もいます。アキラ様とヒカル様どちらが本物の勇者様なのでしょうか?」

隣を見てみると同じ日本人の男がいた。顔も良くて体格もいいし、いかにも異世界に召喚される勇者のようだ。どう考えてもこっちが勇者だろう。アキラは巻き込まれたのかも知れない。

 「鑑定士がいたはずだ。呼んでこい。」

どうやら鑑定をしてどっちが勇者か判断するようだ。程なくして鑑定士がきてヒカルから鑑定を始めた。

 「レベル1でステータスの平均は1000を超えていてスキルは最大の3つまであります。これはすごい数値ですね!」

 「おー!!」と歓声が上がった。この世界では普通レベル1で平均100らしい。レベルが上がれば1000を超えることもあるがレベル1で1000というのは相当すごいことらしい。スキルは基本生まれたときから決まっていて数も最大が3つまででレベルが上がっても変わらないのだそうだ。あとスキルは1つか2つで3つまであるのは稀らしい。次にアキラの鑑定を始めた。

 「こ、これは⁉︎」と驚いた声を出した。何だろうと思っていると「どうした?」と国王、すると鑑定士が

 「ステータスが恐ろしく低いです。レベル1でステータスの平均が5でスキルは1つもありません。」

 想像以上に低かった。そりゃ低いとは思っていたがそれでも人並み程度はあると思っていた。それもスキルが1つもないなんて。巻き込まれたのはアキラで決まりだろう。

 「ステータスが5?低すぎるな。」

 「スキルが1つもないのか。」

なんだかざわざわしてきて嫌な予感がした。すると執事が「国王。これでどちらが勇者様か分かりました。どうなされますか?」

 国王は

 「ヒカル殿に関しては勇者として国に迎え入れよう。アキラ殿に関してはこの城から出て行ってもらう。以上だ。」

 やはりかとアキラは落胆した。使い物にならないアキラは切り捨てられたのだ。

 「アキラ様。申し訳ないがお引き取り願いますか。」

 もしこの城を出たら弱くてお金もないアキラは生きていけないと思いどうにかならないかと頼み込んだ。

 「でしたらここに1マンベルありますのでこれで生活してください数日でしたら生活できますので。」

 とお金を渡されて無理矢理、城を追い出された。これからどうやって生きていけばいいのかとアキラは途方に暮れた。


 城を追い出されたアキラはとりあえず冒険者ギルドを探し始めた。異世界で仕事といえば冒険者を思い付いたからだ。アキラでも出来る仕事がきっとあるはずだ、多分。しばらく歩いているとそれらしい建物が見えてきた。中に入ると屈強な冒険者が大勢いた。アキラは緊張しながら受付のところまでいくと、

 「いらっしゃいませ。エリザと申します。ここは王都ザニーグ冒険者ギルドです。冒険者登録ですか?」

 と言うのでアキラは

 「はい。冒険者になりに来ました。」

 「それではこちらに手を置いてください。」

 と言うとエリザは水晶のようなものを出してきた。何だろうと思っていると

 「こちらはステータスを確認する魔道具となっておりギルドカードにステータスを記入するためです。」

 この魔道具でステータスを確認できるようだ。アキラは人並み以下のステータスだから笑われるだろうか、もしかしたら冒険者にはなれないのだろうかと思いながらもその魔道具に手を置いた。すると魔道具の上にアキラのステータスが映し出された。それを見たエリザは

「名前はアキラさん。ステータスは、え!?平均が5?それにスキルが1つもないなんて信じられない!?」

 大きな声でアキラのステータスを言った。それを聞いたギルドにいた冒険者たちは

 「はっはっは!それで冒険者になろうとしているのか?やめちまえ。死ぬだけだぞ。」

と全員が笑って冒険者には向いてないと言われてしまった。それでやはり無理なのかと思い少し焦ったアキラはエリザに聞いた。

 「やっぱりこれだと冒険者は難しいんでしょうか?」

 するとエリザは、

 「このステータスだと難しいかも知れません。ですがアキラさんでも出来る仕事がありますから大丈夫ですよ。」

と言ってくれた。もし冒険者になれなかったらどうしようかと思った。

 「それではギルドのシステムについて説明致します。」

 それからギルドの説明を受けた。ランクはAランクからGランクまであって依頼は自分の1つ上のランクまで受けられるらしい。それからギルドカードは身分証みたいなものでこれがあればどこでも行けるらしい。

 「これがそのギルドカードです。説明は以上です。何か分からないところなどはなかったでしょうか?」

 「はい。大丈夫です。」

と言ってとりあえずこれで登録は完了した。アキラは晴れて冒険者になった訳だ。宿屋と武器屋の場所を聞いてギルドを後にした。その日はもう疲れたので宿屋でご飯を食べて就寝した。


 朝になったのでギルドに行く前に教えてもらった武器屋に寄ってみた。結構入り組んだ場所にあって教えて貰ってなかったら絶対に分からなかっただろう。

 「こんにちは。武器を買いに来たんですけど。」

 店に入ると40〜50歳ぐらいの男性がいて「いらっしゃい」と快く迎えてくれた。店には剣や斧などの武器から盾や鎧などの防具まで色んな物が置いてあった。

 「剣が欲しいんですけど。」

 と言うとアキラに合う武器を見繕ってくれた。

 「その身長と体格だったらこれぐらいの剣がいいだろう。」

 「ありがとうございます。いくらですか。」

 と聞いたところ

 「兄ちゃん、見たところ新人冒険者だろう?だったらあまり金持ってないんじゃないか。今回はタダでいいよ。」

 ありがとうございますと礼をいい店を出た。


 依頼を受けるためにギルドを訪れた。アキラでも出来る依頼をエリザに聞いてみた。

 「それでしたら薬草の採取がありますよ。数はいくらでもいいですから。」

 と教えてくれたのでその依頼を受けることにする。

 「魔物とは決して戦わないでください。」

 とアキラのことを心配してくれたエリザに

 「心配してくれてありがとうございます。行ってきます。」

と言い初めての依頼に向かうのだった。


 薬草は1本50ベルで買い取って貰えるらしい。実は昨晩のご飯と宿屋代で2000ベルを使っていた。1日だったら4000ベルは必要だから80本は採らないといけないから大変だ。森に入って薬草を採り始めた。薬草は至る所にあるので探すのには苦労しない。ただ量を採らないといけないので骨が折れる。ようやく半分の40本程採れたところで疲れてきて休憩することにした。休憩をしていると1匹のスライムが現れた。スライムと言ったら魔物の中でも最弱の部類、戦うなとは言われたがこれぐらいだったら勝てると思い剣を持ってスライムに近づいた。するとスライムの方から攻撃を仕掛けてきた。目にも止まらぬ速さで体当たりをしてきた。

 「痛えー!」

 速すぎて全然避けれなかった。こんなに速いとは思わなかった。また攻撃をしてこようとしてきたのでスライムが動く前に右に避けようとしたが避けきれない。

 「速すぎる。どうしようか。」

 これでは攻撃も当たらないだろう。

 「こうなったら一か八かだ攻撃を合わせるしかない。」

 アキラはスライムが体当たりをしてきたタイミングで攻撃をしようとした。ただスライムの攻撃は全く見えないのでそこは運に託すしかない。スライムが攻撃をするための予備動作をしたように見えた瞬間

 「今だ!」

 アキラは剣を振った。タイミングよく当たりスライムは消滅した。

 「やった。何とか倒した。スライムにしては強すぎるだろ。」

 何とかスライムを倒すことに成功した。アキラが弱すぎるからなのかスライムが異常に強かったように思う。これでは他の魔物など到底敵うはずがない。アキラがそんなふうに思っていたときだった。一瞬、体から力が湧き上がってくるような感覚があった。すると目の前に青いなにかが出てきた、どうやらステータスが書かれているらしい。レベルが上がり能力も上がっていた。そしてスキルを見てみるとアキラは驚いた。

 「え!?」

 何とアキラには1つもなかったスキルが加えられていた。



 





 

 


読んでいただきありがとうございます。

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