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第三話

それから一週間が経った

追いかけられたあの日から食べられた物は5匹の昆虫や草 それと家の下にいたネズミ一匹だけだった

街を歩いても前の街みたいに食べ物をくれる人は一人もいない

ぼくはとてもお腹が空いていた

しばらく歩いていると 一軒の窓が空いている家があった

ぼくはその家の中に入っていった

すると どこからともなくいい匂いがした

木でできた4本足の建物の上に おいしそうな物があった

ぼくは夢中でお腹いっぱいになるまで食べた

その日は 満足な気分で寝る事ができたんだ


そしてその食べることができた日から 何日も食べれない日が続いた

だからぼくは その町を旅立つことを決心したんだ


また川沿いを下にくだって行った

幸いあの街にいた時よりは多少食べられるものはあった

でもひもじい日は続いたんだ


それから4日経った夕方のある日

周りの空気がいつもと違っているのに気づいた

初めてかぐ匂い どこか懐かしい匂いだった

枯れ草をかき分け その匂いのする方に走って行った

すると突然目の前がひらけた

そこは見たことのない光景が広がっていたのだった

一面見わたすばかりの水面がそこには広がっていた

お腹が減っているのも忘れてぼくは走った

その水面を目指して


水面まぎわの砂浜で立ち止まる

そこはとても綺麗だった

その水面に今にも太陽が沈みそうな所だった

ぼくはその太陽が沈むまで見つめていた

ずっとずっと見つめていたんだ


太陽が沈み夜になった

そこでぼくは考えた これからどうすればいいのかと

川を下りたどり着いた場所 そこでもう終わりだと気付いたからだ

お腹は減っている 何か食べないとだめなのはわかっている

でも今は探す気がしない とても疲れているからだ

ぼくはその砂浜で眠ることにした

そして寝ながら考えるのだった

「ぼくの今までの旅はなんだったんだろう。確かに今、旅は終わったけど何を見つけ何を失ったのだろう。」

そこでぼくはそれまであった楽しい事や辛い事を思い出してみた

ぼくは思った

ぼくの旅は終わっていない

本当のぼくの場所を見つけるのがぼくの旅なのだと

そして明日も自分の居場所を求めてさまよい歩くだろう

それは生きている限り続く



という話でした。

この『のらねこの冒険』は『少年の飛行機』同様8年ぐらい前に書いた作品です。

意外と現在見直してみると訂正する部分って多いんですねw


この『のらねこの冒険』は短い小説だとは思いますが内容がぎゅっと詰まっていると思ってます。

今でも自分の原点であるかのような思い出の作品です。

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