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第二話

ぼくはまた 川沿いを下に下にくだっていくことにした

そして歩き始めて2日目のことだった

突然の嵐がやってきた

ものすごい雨と風が地面にたたきつける

ぼくもしばらく歩いていたが どこかで雨宿りをしようと思った

ちょうどあたりを見渡すと 木に囲まれた雨のしのげそうな場所があった

だからそこで雨宿りすることになった


そこはそんなには広くはなかった

地面は少し湿った落ち葉でふかふかしていたので すぐに眠ってしまったんだ

起きてみると雨は小ぶりになっていた と同時にそこには一匹のネコがいることに気が付いた

よく見ると木に寄りかかってこっちにかまわず寝ているではないか

ぼくは追い出そうと思った

せっかく自分が見つけたねぐらに他の奴が寝ているのが気にくわなかったからだ

ぼくは一声鳴いてそいつをいかくした

するとそいつは起きてぼくにこう言った

「雨が止むまでここにいさせてください。」

ぼくは言った

「ここはぼくが見つけた場所だ。今すぐ出て行け。出ないとかみつくぞ。」と

彼は言った

「お願いです。歩き疲れてくたくたなんです。」

「・・・疲れているって。どこから来たんだ?」

「川の下のほうから来たんです。」

「川の下の方か。これからくだって行ったら何があるんだい?」

「ここからくだっていくと小さな町があります。私はそこから来たんです。」

「なぜ君はこんなところに来たの?」

「追い出されたんです。仲間のネコに。」

「それで行くあてはあるのか?」

「今の所はないです。それでこれからこの川を上って自分の場所を探そうと思っているんです。」

「じつは自分もこの間追い出されて旅しているんだ。同じ思いをした仲間だ。雨が止むまでここにいな。」

「ありがとう。恩にきります。それじゃもう一眠りさせてもらいます。」

「ああ。おやすみ。」

それから雨が止むまで ぼくももう一眠りした

起きてみるともうその猫はいなかった

もう旅立ったみたいだ

「一声ぐらいかけてくれてもいいのにな。」

そう思いながらぼくも次の場所に旅立つのだった


その頃になると 食べ物を見つけるのも上手になった

木の陰に隠れている昆虫 草の中に隠れている小動物

時には草なんかも食べた

でも決してまんぷくになる事はなかったけど

川沿いを歩いたので 水には困ることはなかった

寝る時は木の上で寝るようになった

他の奴に邪魔されたくないからだ

そうやってぼくは旅を続けたんだ


それから歩いて5日たった

歩いていると 林から急に目の前が開けた

そこには小さな街があった


ぼくはさっそくその町にいすわる事にした

小さな家の軒下を見つけ そこを寝床にした

食べ物に困った時は そこら辺のゴミ箱をあさって食べた


ある時いつものようにそのゴミ箱をあさっていると

誰かが騒いでいるんだ

どうやらこの家の住人らしい

何か長くて先が三角形になった物を持ってぼくに殴りかかってきたんだ

ぼくは逃げた

必死になって逃げたんだ

そして誰もついて来なくなったのを確認して

その日は またいつもの家の軒下に戻ったんだ


次の日になった

昨日のことを思い出しながら 食べ物を探しにその家のゴミ箱に行った

そのゴミ箱はいつもとは違っていた

何かくもの巣のような物がかかっていたんだ

しかたなくぼくは他のところのゴミ箱を探しに行った

だが すべてのゴミ箱に そのくもの巣がかかっていたんだ

ぼくは途方にくれた

その日は何も食べるものが無く 家の軒下に戻っていったんだ

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